Tentama

個人的な経験に基づき、体臭についての考察をつづります。

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最近の記事

くさい人は社会にいちゃダメですか? ~体臭と差別の関係性②

多様性の尊重により差別を許容しない社会へ 体臭で悩む人に向け、医療的な側面以外でサポートできるような何かを伝えたい。そんな動機からはじめたnoteですが、自分で想像していた以上の方に読んでいただいているようです。ありがとうございます。届くべき人に届いていますように、と願うばかりです。 さて。今回も差別と体臭の関係性について考えてみます。 前回の記事でレイシズム(人種差別)に触れましたが、近年はこのほかにもさまざまな差別が社会的な問題として関心を集めています。 たとえば

    • 「くさくてすみません」と思わなくていい ~体臭と差別の関係性①

      差別の視点から体臭を考える 今回も体臭に関係のない話題からはじめます。 ここ数年、埼玉県川口・蕨両市において、外国籍市民の排斥を扇動するヘイトデモが活発化しています。神奈川県川崎市のようなヘイトスピーチ禁止条例がないため、レイシストが野放しになっているようです。 劣等感に苛まれた結果、国家と自己を重ね合わせて同一化し、他者をダシにして自尊心を満たそうとする光景を見るたび、やりきれない思いに駆られます。他者への想像力を涵養するのは、それほど難しいのでしょうか。カルチャーの

      • 体臭に悪意は宿らない ~スメルハラスメントを考察する②

        体臭で傷つけ、体臭で傷つく 前回、スメルハラスメントという言葉の定義の難しさについてつづりました。 セクハラ、パワハラ、モラハラ、カスハラなど、被害者と加害者の境界がはっきりしています。一方、スメハラは加害側が悪意をもって体臭を発していない以上、ハラスメント=いやがらせとは言い切れないという論旨です。 このままスメハラという言葉が使われ続けるとしたら、ほかのハラスメントと同様に扱われ、体臭=いやがらせというイメージが固着する可能性もあります。 いやがらせ、と言いたくな

        • 「スメハラ」はいやがらせなのか ~スメルハラスメントを考察する①

          体を清潔に保てない理由を考える 初回の記事で見得を切ったものの、日々の忙しさにかまけ、2回目のアップが遅くなってしまいました。 先日、このような記事を読みました。 においで迷惑を被る側、体臭で無自覚に迷惑をかけている側、両者に配慮されている記事だと思いました。そして、スメルハラスメントの定義の難しさについて考えさせられました。 セクハラやパワハラであれば、加害者と被害者の線引きは明確です。しかし、スメハラはそうではありません。 たとえば、体を清潔に保つ習慣を怠ってい

        くさい人は社会にいちゃダメですか? ~体臭と差別の関係性②

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        • 体臭に悪意は宿らない ~スメルハラスメントを考察する②

        • 「スメハラ」はいやがらせなのか ~スメルハラスメントを考察する①

          体臭に悩むみなさんへ

          春がやってきました。あらたな生活が始まる季節です。 期待に胸を高鳴らせている人もいれば、漠然とした不安を抱えている人もいるのではないでしょうか。 私は若かりし頃、あたらしい環境へ身を投じるたび、極度の不安と緊張に苛まれていました。 その理由は、体臭です。 私が体臭を指摘されはじめたのは、十代の半ばでした。 明確なシーンは思い出せません。 いつしか、同級生やクラブ活動のメンバーから体臭について陰口を叩かれるようになっていました。 いじめとは少々質が異なり、嘲笑の対象となって

          体臭に悩むみなさんへ