一人旅のすゝめ ~青春十八きっぷとテーマパーク編~



今日も予告通り、一人旅の話の続きをしようと思います。

前回 ↓


【ここまでのあらすじ】
USJに行きたい!ジョジョの4D見たい!そんな気持ちから計画を立て、とにかく遊ぶぞと青春十八きっぷを手にしたコミュ障おじさん。果たして現地には辿り着けるのか?そしてぼっち旅行でもUSJでエンジョイできるのか?



結論:めちゃくちゃ楽しめました。


さて、僕は上司や同じ課の人の顔色を伺いながら、木金土の三連休を確保しました。僕は日曜日が仕事である代わりに比較的この形の連休は取りやすい仕様となっているのでこの日程です。木曜日は移動、金曜日はUSJエンジョイ、土曜日は帰宅といった感じに曜日によって役割を割り振ります。今回、直前になってから突然土曜日に外せない用事が入ってしまったため、急遽土曜日の帰宅方法を新幹線に変更しました。ここでも一人旅のメリットがあります。

・【一人旅の利点】:急な変更にも安心。連絡も謝罪もいらない。


突然の変更ですが、ちょっとお財布がつらくなるだけでカバーは可能です。どれくらいお財布がつらかったかというと、今回の旅費の三分の一が新幹線代に消し飛びました。かなしい。まあでも自分に対するお土産代が減るだけで済みました。

当日まで話を進めます。あまり詳細に書くと位置情報が流出する可能性があるので曖昧にしますが、午前中のそこまで早すぎない時間帯に僕は家を出て、青春十八きっぷの旅に切り替えました。ここからガチで半日以上かける鈍行列車の旅の始まりです。片手には事前購入データや経路など全てが詰まったスマホ。ポケットの中には出口までは使わない青春十八きっぷ。キャリーケースの中には大して中身の詰まっていない荷物。
大阪という都会に行くメリットとして、『最悪何かが足りなくとも現地調達すればいい』というものがあります。コンビニはもちろんありますし、服屋も曖昧にあるのでパンツを忘れても安心。やっぱり都会っていいね。
とにかく大事なものはスマホです。これさえなくさなければ、大概のことがなんとかなります。オススメはチェーンかなんかで繋いでおくことです。僕はそうしました。

僕の青春十八きっぷの旅は、かなりタイトなスケジュールとなります。具体的には、昼メシの時間なんて設定しませんでした。コンビニでおにぎりを買って電車の中で食べるのが前提です。もっと余裕を持ちたい方は、昼休憩の時間と位置を決め、そのリスタート地点からの経路をヤホーの路線にぶっこんで検索しておきましょう。家~昼休憩所、昼休憩所~現地の二つの経路が確保できるはずです。僕は昨日の記事でも書いた通り、食にお金をかけるつもりがなかったため、こんな感じになっています。
さて始まった鈍行の旅ですが、僕は改めて一人のメリットを実感します。


・【一人旅の利点】:喋らなくてええやん。音楽聞いてればええやん。



お察しの通り、青春十八きっぷの旅はハチャメチャに長丁場です。しかし基本的には寝ることもできません。よくよく経路を見てみると、頻繁に乗り換えというイベントが起こります。もちろん見知らぬ土地ですから、緊張感も保ち続けなければなりません。そこで、会話を続ける努力をしなくていいのはあまりにも大きい。一人なら、気楽に好きな音楽を聞いて駅名を確認しておけばいいのです。沈黙が重くなることもなく、好きな音楽で頭を満たして、のどかな風景を眺めることに集中できます。僕は普段から移動中に景色を楽しむことはあまりないのですが、一人旅、なおかつ青春十八きっぷの移動中なら様々に変わる景色を堪能できます(帰りの新幹線は景色なんて見ずにスマホを眺めて終わりました)。

移動中はとりとめのないことを考えて過ごしました。USJに行ったら一番最初に何に乗ろうかな。そういえばこっちの方面には友達の実家があるな。帰って翌日には仕事とか考えたくねぇ。エトセトラ、エトセトラ。夢中になって乗り過ごさない程度に、色々な感傷と郷愁に浸ります。その時間は何にも邪魔されることはありません。

何か交流を持ってみたい人には、イヤホンを外し、スマホなどは見ないという手をお勧めします。知らない親切なおじいさんやおばあさんが話しかけてくることがあるからです。彼らは耳を塞ぐものや、スマホなどのグッズに夢中になっている人間には(体感的に)あまり近づいてきません。僕はコミュ障なので完全にシャットアウトしましたが、知らない人とお話ができる方は挑戦してみると、新鮮な出会いがあったりお菓子をもらえたりするかもしれません。

かくして僕は一人の移動をエンジョイして、現地に辿り着きました。若干疲れていたのと、なかなかいい時間になっていたので晩飯は新大阪駅の中にあっただし茶漬け屋で済ませます。ホテルに辿り着いてベッドに飛び込み、持ち込んだノートパソコンで適当にネットサーフィンをしました。気が向いたら風呂に入り、眠くなったら寝ます。小腹がすいたら近所のコンビニで柿の種を買ってくるのもいいかもしれません。


・【一人旅の利点】:何に気を遣うこともない。欲望の赴くままにリラックスできる。

適当な時間に寝て、あらかじめセットした時間に起きます。僕は今回USJという目標があったのでそれなりに早起きしましたが、何も目的地を設定しなければ、ひたすら寝ることだってできます。一人旅なら、過ごす時間は全て自由なのです。


さあ、待ちに待ったUSJエンジョイ日です。
まずは僕が大好きなシステム『シングルライダー』について説明します。
『シングルライダー』は、余った相席に優先的に乗れるシステムです。友達三人で行ったとき、座席が二列なら一席分余るじゃないですか。その一つの席に、シングルライダー列(というものが大きなアトラクションにはあります)で並んでいる人が優先的に入れるんです。余った座席の有効活用ですよね。僕は大変このシステムの合理性が好きです。時間もとても早く、普通に並べば2時間は待つアトラクションも、シングルライダー列に並べば15分ちょいで乗れます。

僕は入場して真っ先にハリー・ポッターのアトラクションの『シングルライダー』列に直行し、実際の待ち時間は10分もかからず乗車に成功しました。もちろん二回くらい乗りました。……と書いていると、なんだか怪しいビジネスみたいですよね。真っ先にジョジョの方に行かなかったのは、お金を払った分には時間指定があったからです。指定は夕方。そこまで遊び放題。
絶叫系もイケるクチなので、ジェットコースター系もたくさん乗りました。もちろん全てシングルライダーで待ち時間はほぼナシです。一人最高。


・【一人旅の利点】:シングルライダーで待ち時間もほぼ無い快適なアトラクションライフ。
・【一人旅の利点】:絶叫系苦手な人に配慮する必要なし。乗りたいモンに好きなだけ乗れる。



よく皆さん、一人テーマパークは流石に寂しいって言うじゃないですか。もちろん僕にも一緒に行きたい友達はいますし、全く寂しくないと言えば嘘になります。でもそれ以上に、アトラクション乗り放題状態が楽しいのです。楽なのです。待ち時間の暑さにイライラすることも、進まない人混みに不満を抱くこともありません。

僕の見た目はキモオタルックでぼっちという残念な絵面です。でも、シングルライダーの列に並んでしまえば、大概お一人様同士です(シングルライダーには子供から大人まで多様性あふれるお一人様がたくさんいます)。そして、若いJKにプークスクスされるような気がするなら、それが聞こえないくらいの勢いでズンズン移動しましょう。それだけテーマパークにはたくさんの人がいます。その中に紛れ込んでしまえばいいのです。大丈夫、案外一人は独りじゃない。よくよく見てみれば、堂々と歩いているそのテーマパークベテランお一人様がいます。


お昼も適当に済ませます。僕は小食デブなので、テーマパーク特有の曖昧な骨付き肉とポップコーンで過ごしました。人によってはちゃんと食べたい方もいるかと思います。適宜、パーク内マップとにらめっこしましょう。


そして一通り全アトラクションに乗りきったあたりで、念願のジョジョ4Dの時間になりました。3部の処刑用BGMが流れる中で待機し、スピードワゴン財団の職員さん(スタッフさん)に案内されてまとめてごそっと一室に押し込められます。
簡素なあらすじを見たり、時間的に死にかけているはずのジョセフ(めっちゃ元気そうでした)からスピードワゴン財団の秘密アイテムの説明を聞いたりします。そこまでに花京院が死んでいることも雑に明かされます(出番ないのかとちょっとショックでした)。ディオの映像が出た時は(僕は最終的に計2回このアトラクションに乗ったのですが)毎回どこからか黄色い悲鳴があがっていました。


実際のアトラクションの正直な感想ですが、「こんなに血を浴びるとは思っていなかった」の一言に尽きます。(制作者サイドの)気持ちはわかるんです。4D映像で水をかける演出はできるけれど、ジョジョ3部の(特にDIOと承太郎の)最終決戦には特に水を浴びるシーンはない。だから血が吹き出すシーンに水をかければええやん!の精神、嫌いではないですよ。でも残念ながら僕は血を浴びて生気を取り戻す吸血鬼でもなく、野郎の体液をぶっかけられて喜ぶ性癖もないのです。なんとも言えない、複雑な気分でした。
映像自体は力が入っていましたし(先端恐怖症の人はつらいかもしれません)、4Dの没入感は独特で面白かったです。結構3部の最終決戦は空中を飛びますし、4D化に向いているとも思いました。
ただ、血の一件が複雑だっただけです。ディオに黄色い悲鳴あげてた女子にはご褒美だったんだろうなぁ……

夕焼けが見える時間になるまで遊んで、最後に適当にUSJに行ったことが一目でわかるようなお土産を買い、僕はUSJを後にしました。もちろん職場用お菓子だけは忘れないようにしましょう。休み明けに渡して回すことは社会に出て学んだ一つの儀式です。

その後、ホテルでもう一泊して、新幹線で自分の地方まで帰りました。新幹線ってすごいですね。あっという間に到着です。次の日も、身体に鞭うってちゃんと出勤しました。その時の僕が一番えらかったと思います。そのぐらい自画自賛しておきましょう。どうせ疲労感はマッハで地獄しか見えないんですから。行きはよいよい、帰りはこわい。


総じて、僕は全力で一人USJを堪能しました。USJから出た際に見た美しい夕焼けは、今でも記憶に焼き付いています。


この夕焼けを見た感情を共有できなかったのは、一人旅の唯一寂しいところだったかもしれませんね。


僕がこの記事を通じて言いたかったのは、一人旅最高、USJ最高、シングルライダー最高、青春十八きっぷ最高、ということぐらいです。人によって他にも様々な楽しみ方があると思います。自分のやり方が一番、という気持ちは毛頭ございません。
けれど、「案外一人旅っていいぞ」という言葉だけ付け加えて、この一連の記事の筆を置きたいと思います。



・【一人旅の利点】:一人旅はいいぞ!



ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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