見出し画像

スマブラでも復帰は難しい話


スマブラnoteかと思ったか!?
鬱復帰やっていきnoteだよ!!


というわけで病いからの復帰って難しいよね、という話をします。

病いでも未病の状態でもメンタルが残念なことになると復帰が異常に難しくなるご経験は、メンヘラ各位それぞれ経験したか現在進行形でその渦の真っ只中にいることかと存じます。
自分もそうでした……いや、おそらくまだその中にいると思います。

メンタルやられるのってハチャメチャにしんどいですよね。
将来というか目前の光さえ目に入らない暗闇の中で、身体は鉛のように重くロクに動作しない状態。そんな中で何を支えに立ち上がれば良い?

本来無理に立ち上がろうとしなくたっていいんです。じっと転がっていれば御の字。けれど周囲が、何より自分自身が一番そうゆっくりはさせてくれないものです。

学校復帰、または社会復帰、その他諸々。社会は常に「RTA(リアルタイムアタック)のチャート」を僕らに刷り込んでいます。これが良い、これが正しい、これが一番得する。ほら、思い当たることはたくさんあるでしょう?

そんな中で、「なにもしない」でいることがどんなに難しいか。周囲は爆速で「よさそうな道」を駆け抜けていって、きらきら光る箱やら手のひらの中の板の中では「いいこと」をしている皆の姿ばかり目に入る。自己肯定感を得ようにも手段はない。ありのままの自分を肯定すること、なんて無から有を生み出すことなんてできやしません。だって認められるものなんて少なくともその状況下の中では見えないくらい真っ暗なんですから。

さて、ここまでは普通にメンタルが残念になった状態の話です。
しかしずっとそこに留まっているわけにはいかない、とは先程も書いた通り。人生はポーズボタンで時を止めることは叶わない。状況は常に変わりますからね。

暗闇の中で転がっていたり、与えられた服薬をしていたりすると、ちょっとだけ「あ、元気になったな」と思う瞬間が稀に一瞬来ます。
喧しいか逆に無だった頭の中に、現実的な思考が帰ってくる。帰ってきた、ようやく帰ってきてくれた、これで大丈夫、もう大丈夫、正しい自分に戻れる……

戻れません。残念ながら、だいたい戻れません。

タイトルに戻っていきましょう。スマブラ、もとい大乱闘スマッシュブラザーズをやったことはありますか。僕はMr.ゲーム&ウォッチが好きです。
やったことがない方にこのnoteを読むにあたって必要なことだけを説明すると、

1、大乱闘します(殴り合ったり斬り合ったり斬り合ったり)
2、強力な一撃を食らうと、戦場から吹っ飛ばされます。
3、戦場以外はだいたい奈落で、落ちるとペケがつくので落ちないように戦場への復帰を目指します。

こんな感じのルールだけわかって頂ければ問題ありません。
そしてこの3の部分、復帰が初心者から脱却する最初の関門になります。
スマブラは2段ジャンプができます。ジャンプボタンを押して、もう一回ジャンプを押すとさらに高く跳べる。これが2段ジャンプです。
そして復帰ワザというものがあります。上を押しながらBボタンを押すと(キャラクターによって個性がありますが)大概上にぴょいーんと移動できるのです。
しばらく練習すれば、二段ジャンプ→復帰ワザでさらに上へ→復帰、という流れができるようになります。

さあ、今度はメンタルに話を戻しましょう。メンタルがやられることはスマブラでいう戦場の外に吹っ飛ばされたこととだいたい同じです(社会なんて戦場に決まっているじゃないですか)。
スマブラと違って奈落に落ちても(本質的には)ペケはつきませんが、また自分なりの戦場に戻ることを最終目標として、おおむね復帰をすることになります……が、ここで問題が発生します。

落ちた距離に対して、自分のジャンプ力は大概それほどないこと。
そしてその事実に気づくのが難しいこと。
故に無茶な復帰をしようとして失敗してしまうこと。

こんな流れ、見覚えありませんか。僕はあります。
ありすぎて蟻になっちゃうくらいあります。

スマブラの基本は一回ジャンプ、もう一回ジャンプ、そして復帰ワザという三段階を踏むのが基本です。
でも現実では回復しかけの(※メンタルが完全に死んでいた時に比べれば)まともに動く頭は客観的には異常な高さのジャンプをしてものすごい放物線を描き華麗に戦場に着地してまた戦線に行く、みたいな提案をしてきます。

要は目標を高く、かつ大量に設置してしまうアレです。今までずっとダメだったから取り返さなきゃ、挽回しなきゃ、真っ当ことをしなきゃ……etc.

散々その経験をして気づいたのですが、そういう時って目標を立てたは良いものの、手順や体力が追い付かず何かに躓いて他の目標も連鎖的に瓦解してしまい、また元の場所に戻っていくパターンが多いんですよね。

そして、

「こんなこともできないのか」

という他ならない自分自身による責でメンタルが再び壊滅してしまう。
復帰できずに、また暗い暗い奈落へ戻ってしまう。

鬱も治りかけが危険ということは体感よく言われているように感じます。
治療や休息で和らいでまた戻れる、と身支度を整えて出かけていった人が帰ってこなかった。そういう悲しい話は実際存在します。鬱に入っていると、そもそも動けないことが多いですからね。動けるようになった時が危ないのです。

ですから、復帰することは自分(の心や身体)に対する細心の注意を払って、慎重に焦らずやっていく必要があるのです。
しかしこのやり方自体は人によって千差万別。たまに一足飛びで復帰できちゃった人がいて、さらに困った話、その話が素晴らしくかつ正しい物語として語られてしまうことがたびたびあります。

復帰の素晴らしい物語に比べ、現実はそうそう上手くいかないものです。
いや、上手くいかないと思ってしまった方がいいです。
だからこそ、きちんと自分が「できる」ことを冷静に認識して、それに合ったペースでジャンプして、もう一回ジャンプして、復帰ワザを使う。それができないと思ったら、またはできなかったらまだその時ではありません。

休む。
服薬する。
行政からお金をむしりとる(周囲の協力があると心強いです)。

できればこの三種のやっていき神器で回復していく、そしてまた一回だけジャンプをしてみる。
大切なことはいきなり一足飛びや二段ジャンプをしないことです。
いきなりやったら、概念的に足首をくじいちゃいますからね。

具体的には、回復で少し戻ってきた思考で立てた目標。それを三分の一にしてみましょう。五分の一にしたっていい。なんなら十分の一でもいい。そして目標の一つでも達成したら自分を意識的にハチャメチャに褒めましょう。そしてそれ以上の目標のことは、一個達成してから考えましょう。
重要なことはできる段階をゆっくりでも、後退しても、着実に踏んでいくことだと個人的には思っています。

プロ野球だって3割打てばめちゃくちゃ良いバッターです。
いくら今までペケがつこうが、ベンチに居ようが、急に10割ホームランを打つ必要は一切ありません。3割打てればもう難癖つけられない程の最高。そしてプロ野球選手にならなくてもいい我々一般人ならもっと少なくたっていいんです。

大事なのは、日々やっていくこと。生きていくことです。
奈落に落ちたらまず休んで、身体が動くようになってきても慎重にジャンプの練習をしましょう。二段ジャンプとかの話はそれが完了してからです。
素晴らしい目標を立てること自体は否定しません。道筋に明るい光が灯りますからね。でも、それが眩しすぎて目が見えなくなって転げ落ちてしまったら、また痛くて苦しいじゃないですか……


そんなわけでいつもの結論になっていきます。
日々一つ一つやっていきましょう。生きていきましょう。
『先に』いってしまうことは、とても悲しいことだから。


ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?