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採用側と応募側の両方の視点から考えてしまうこと

最近の東京都の私学の教員募集情報の洗い出しをし直して、更新させるのに3日間ほどかかってしまいました。

その理由は、昨日も述べましたが、年明けすぐに応募期限を設定していた学校の再々募集と重なったこともあったり、2週目や3週目に募集期限を設定していた学校の情報を削除したりしていたからです。

また、新たに別の教科で募集が始まっていた学校もありました。

この時期の求人情報を見ていて気になる学校はにはいくつかパターンがあります。

①それまで非常勤講師の募集だったのに常勤講師や専任教諭の募集に切り替わっている学校

②短期間での募集・締め切り・再募集を繰り返している学校

③学校事情の押し売り(買い手市場)が強めのもの

最近特に気になるのはこのあたりでしょうか。

順に解説していきます。

①それまで非常勤講師の募集だったのに常勤講師や専任教諭の募集に切り替わっている学校

これはもう、人材不足ではないことを祈るばかりです。

別記事でもまとめています。

学校が回らないほどの人材不足に陥っているところは無いとは思いますが、それでも個々の教員への負担、生徒への影響などを考えると、余裕があるに越したことはありません。

授業、分掌、私学特有の業務(広報や入試作成)などを考えると、業務の質も量も、よくも悪くもまた公立校とは違います。

応募する側の観点で考えると、私学共済に加入できる身分での募集はある意味ではありがたいことではあります。

しかし、同時に人手不足による業務過多も気になるところではあります。

特に私学は学校独自のやり方や風土がある場合も少なくありません。

もっとも、足りない人員をすべて非常勤講師で補おうとしている学校もいくつかあるように感じます。

非常勤講師を複数募集していて、かつそれぞれの担当授業数も多めの学校も心配になってしまいます。

②短期間での募集・締め切り・再募集を繰り返している学校

学校側の焦りのようなものがにじみ出ているのかもしれません。

人が足りないから何度でも募集を繰り返す。

それは必要なことだと思います。

しかし、短期間で応募を締め切ってしまうのは少し違和感を感じます。

最近の募集を見ていると、学校掲載から応募締め切りまで2週間ほどの学校も増えてきました。

求人情報についてはブログをご覧ください。

中には、2週間まるまる設定していなくて、10日程度で締め切っている学校もあります。

学校のホームページに掲載されてから、日本私学教育研究所に掲載されるのにもタイムラグがある。

特に金曜日に学校ホームページに掲載されたものはタイミングによっては日本私学教育研究所には週明けの掲載になります。

日頃から学校ホームページを巡回している方は多少は余裕をもって書類などを準備することができるのかもしれませんが、基本的には日本私学教育研究所などで探す場合のほうが多いはずです。

履歴書はまだまだ手書きのものを提出するという文化が特に強い業界ですので、短期間で応募するというのは少しハードルが上がるでしょう。

全体を俯瞰して見ていると、やはり上位校や(きっと)ホワイト校と思われる学校は3週間程度待つなど余裕をもった募集をしている学校もあります。

もちろん、この視点も一面的なもので、余裕を持った期限設定をしているからホワイト校だというわけではありませんが。

とはいえ、まずはとにかく内定を、という方などは短期間で募集をかけている学校に応募するのはアリかもしれません。

かくいう私も、パッと出の求人(1月に出た常勤講師@専任登用あり)に応募して採用された経緯もあります。

③学校事情の押し売り(買い手市場)が強めのもの

最近気になるのがコレ。

学校に来てほしい日数が担当する授業時間数に対して多くないか、という求人情報がいくつか混じっているように思います。

もちろん、教科や科目の特性はあるでしょう。

芸術教科や実技教科などで、特別教室などの設備面の関係があって、どうしても曜日を指定しなければいけないこともあると思います。

また、週に1時間しかない教科、週に2時間ある教科、週に4~5時間設定されている教科もあるでしょう。

もちろん、学校の中でのクラス編成などもあるでしょうし、学校規模の問題もあるでしょう。

しかし、週8時間程度の授業担当で4日勤務できる人、というような求人は、学校の非常勤講師だけでやりくりしようと思っている人にとってはかなり物足りないと思います。

これは主に収入の面で、という意味です。

非常勤講師の掛け持ちだけで生計を立てようと考えた場合、担当時間数が8時間程度のなに4日の出勤というのは身動きが取りづらい。

午前中に他の学校で授業をして午後にこの学校に来る(その逆もありえる)けれども、さすがに週4日かけもつと移動も大変ですし、時間割を組むのも制限が強すぎて、両方の学校に相当な迷惑がかかってしまいます。

あくまでも想像でしかありませんが、学校側としては週4時間ものの授業を2クラス担当してもらおうという思惑なのだと思います。

教科の特性上なのか、2時間連続で授業をするというわけにもいかないということで、4日勤務をお願いしているのでしょう。

しかし、応募する側としてはかなりしづらいと思います。

逆にこのパターンがありがたいのはどういう人だろうか、と考えた場合に、小さいお子さんを抱えた方ならばあるいは、とも思いました。

朝、保育園に子どもを預けてから3~5時間目にかけて授業をするというようなパターンでしょうか。

あるいは私学共済への加入を認めたりするなど、何かしらのわかりやすいメリットが必要な気もします。

もっとも、私の余計なお世話で、どしどし応募が殺到しているかもしれませんが。

おわりに

今日は採用側と応募側の双方の観点も踏まえつつ、最近の求人情報について述べてきました。

学校の雰囲気、出講日数、金銭収支のバランスなどを踏まえて、自分の能力がより発揮しやすい環境を選んでみてください。

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