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私学の募集における教科の特性

ゆくゆくは教科・科目ごとにもう少し深く切り込んでブログでまとめようと思ってはいます。

今回はその最初の部分を記事にしていきたいと思います。

私学、というと、特に首都圏エリアの場合は中高一貫校のほうが多いわけです。

今でこそ、公立校でも小中一貫教育とか、中高一貫校の学校も増え始めていますが、まだまだ一貫教育は私学の強みになっています。

ここで立ちはだかるのが専門性の問題です。

数学や英語に関しては、そんなに専門は別れていないでしょう。

しかし、国語で言えば高校生の科目で見たって現代文・古文・漢文(古典)に分けられます。

当然、性格も全然違ってきます。

社会もそうですよね。

地理・歴史・公民の大きな3つの柱がありますが、その中でも更に細分化されています。

歴史は日本史と世界史がありますし、公民も現社・倫理・政経と別れているわけです。

理科も言わずもがな、物理・化学・地学・生物に分かれています。

中学校ではかつては第1分野(物理・化学)と第2分野(生物・地学)と別れていましたね。

どのように採用がなされていくのか、そして採用されたあとに中高一貫校の中学部で教えることになる場合にどこの担当になるのか。

このあたりが少し複雑に関わってきます。

このカリキュラムの組み方も学校によって様々です。

国語で言えば、中1なんかは古典の比重はとても小さいです。

じゃあ古文や漢文が専門の人が中1で現代文を担当するのかどうか。

中学校だから当然担当する、という方針なのか。

負担(?)が少なくなるように自分の担任クラスだけ現代文で入ることになるのか。

それとも担任クラスでも授業をもたないようにするのか。

あるいは配当時数を明確に区切ってしまって、古典の時間を作って担当させるのか。

本当に学校によって様々です。

理科や社会の場合はもっと大変かもしれませんね。

自分の専門が生物だったとしましょう。

高校2年生で文系・理系の選択があってクラス分けをしたとして、生物選択者でクラスができるほどの人数規模の学校でしょうか。

選択科目を基準としてクラス編成ができなければ、どうするのか。

クラスの中の一部の生徒は生物選択、残りは物理を選択しているとすると、一部の生徒としか授業を通した関わりはありません。

あるいはそもそも選択科目を基準としてクラスを編成しないタイプの学校もありますね。

こういう観点では、社会も一緒ですので、理社担当の先生はクラス運営に苦労するかもしれません。

もちろん、これは公立高校でも同じだと思いますが、その上に中学での指導ものっかってきます。

一貫校の中3では、先取り学習が始まるところも多く、私のかつての勤務校では教科の指導が無いにも関わらずホームルーム担任だけこなしていた社会の女性の先生もいました。

自分で自分のことを「ホームルームお姉さん」と呼んでいましたが、まだまだ多感な中学3年生にとって、教科指導のない担任業務は苦しいと感じます。

さて、今日は表面にある問題のさわりの部分だけを記事にしましたが、自分の専門性と、指導が可能なレベルと、その他をあわせて考えると私学特有の動き方があると思います。

自分が履歴書を出そうとしている学校の教育課程くらいは確認しておいたほうがいいかもしれませんね。

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