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コロナウィルスと転職活動

大手人材会社でキャリアアドバイザーとして働いていますが、コロナウイルスの影響がじわじわと出始めてきました。

2020年4月1日現在、私が実感している影響を企業・求職者に分けまとめていきます。「今転職活動すべきか?」に関してもお伝えします。

企業側

■求人ストップ
一番大きな影響は徐々に求人が止まっていっていることです。2019年には当たり前のようにあった大手企業の求人もなくなり、求職者の方には毎日「求人終了」の連絡をしている状況です。

一時的に今は採用を見送っている企業もあります。コロナウイルスが落ち着くまでは採用を止めます、といった企業です。そういった企業は、この時点で「お見送り」となるわけではなく、再開したら引き続き選考されるようです。
ただ中には業績悪化のため採用を見送るという企業もあります。こういった企業は求人が終了するとすぐにお見送りになります。最終面接が決まっていたのに採用を取りやめる、といったケースもありました。

■結果に時間がかかる
在宅ワークを行っている企業も多いため、決裁者と連絡が取れない・判子が押せない、といった理由で書類選考や面接の結果が来るのに時間がかかるケースも増えてきました。大手企業の子会社等では、親会社本体からの決裁待ちのため余計に時間がかかることもあります。

またこの不透明さなので「本当にこの人を採用していいのか」とかなり慎重になっており、面接回数が増えたケースもあり、転職活動にかかる時間自体が長くなってきている印象です。

■オンライン面接・電話面接に切り替え
対面の面接は減ってきた一方、電話、Skype、Zoom、Facetimeなどで面接を行う企業が多くなってきました。

求職者側

■リモートワークのため面接の時間は取りやすい
在職中の方はこれまでなかなか面接の時間を調整するのが難しい方も多くいらっしゃいましたが、在宅ワークの方のも増えてきており、さらに企業もWEB面接が増えてきたため、比較的融通は効きやすくなってきた印象です。

■退職交渉に時間がかかる
内定となってからは退職交渉を行いますが、在宅勤務の会社も多いため、電話での退職交渉をせざるを得ない方も多いです。とはいえ出社してでないと話しにくいという方もいらっしゃるので、そういう方は退職を切り出すタイミングが難しくなってきているかもしれません。

また決裁に時間がかかるのはどの企業も同じなので、退職交渉はしたもののその上の役職者の決裁が取れないケースもあり、時間がかかっている方もいらっしゃいます。

■契約社員求人への応募が減り、辞退が増えた
景気が不透明なので、契約社員の求人への応募が減ってきた印象です。契約更新されない可能性や正社員よりも早く解雇の対象になるといった心配からか、将来性を考え応募しない・応募しても辞退する方もいらっしゃいました。

「今転職活動すべきなのか」

「コロナウイルスが落ち着いてから転職活動しよう」
と思われている方もいるかと思いますが、
転職活動自体はなるべく早めに始めていくのがいいと思います。

コロナウイルスが問題になる前から、求人数は減ってきていたからです。
つまり、

この先数年で、今日が一番求人数が多い

ということも考えられます。

求人倍率

有効求人倍率のグラフです。
※1倍は1人に1つの求人、2倍は1人に2つの求人という意味です。

2018年まで、長く続いた上昇トレンドも、2019年では頭打ちになっています。
また、上昇トレンドの長さを見ていただければと思いますが、今回の上昇トレンドの期間は歴史的に見てもかなりの長さだったことがわかります。
つまり、いつ下がってもおかしくない、という状態だったわけです。

もう少し短期間の有効求人倍率をみてみます。
コロナウイルスの前から、有効求人倍率は悪化していたことがわかります。

求人倍率ショート

これに拍車をかけたのがコロナウイルス。有効求人倍率は更に悪化していくことが見込まれます。
「コロナウイルスが落ち着いたら」という考えはやや甘いと言わざるをえません。もともと下降トレンドは始まっていたわけですから。

転職活動を始める上での注意

この景気の中、転職活動を始めるにはいくつか注意点があります。

■絶対に退職してからの転職活動はしない
求人が減っていく見込みの中、退職してからの転職活動は絶対にリスクがあります。なかなか決まらず人生を棒に振る可能性もありますので、どんなに今の会社が嫌でも行先が決まってから退職を申し出ましょう。

■転職活動をしてみた上で、今の会社にとどまることも考える
景気がいい時には、キャリアアップもしやすいですが、現状の転職活動では必ずしもキャリアアップとならないケースもあるかもしれません。内定をもらってから、今の会社としっかり比べ、転職をすべきかどうかを考えましょう。
転職活動と転職は切り離して考えていいので、まずは求人数が減り切らないうちに転職活動を行い、それからどうするか考えましょう。

■応募社数・スピードが重要
求人が止まることも増えてきましたし、慎重になっている企業も増えてきました。書類選考の通過率も低くなってきているので、できるだけ多くの会社に応募をしていきましょう。また、求人が止まる前にせめて書類選考だけでもしてもらっておくことが何より重要です。
繰り返しになりますが、キャリアアドバイザーとして、毎日求人終了の連絡をお客様にしています。今日が一番求人が多いという状況も考えられます。

もちろん「人生に関わることだから慎重に考えたい」という気持ちもわかります。ただ、この景気の中での「慎重」は、必ずしも「じっくりと時間をかけて悩む」ということではないです。人生という長い目で見たときには、「とにかく動いてから考える」ことこそが「慎重」とも言えます。

■職務経歴書の質・面接対策で万全の準備を
厳しい景気だからこそ、職務経歴書をしっかりと磨き上げて書類通過を目指し、せっかく面接のチャンスをつかんだ時には万全に対策して臨むことが重要です。
転職エージェントを使っている方はキャリアアドバイザーに相談してみましょう。

私もココナラで職務経歴書の添削や面接対策を行っていますので覗いてみてください!



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