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弁護士を立てて反撃する(3) 当方からの反撃第2発目! 一般市民の民事訴訟初体験記【18】自転車は空を飛ばない

ここまでのお話

当方の代理人S弁護士からの通知書をY氏の代理人K弁護士宛てに送りました。本格的に、法的紛争の幕が開いたのはここからです。

あれから3年半ほどが過ぎ、その当時の様子を振り返ってみますと、「あそこまで熱くやる必要があったのかな」とも思わないことはないのですが、同時に、現在の冷静さで持って、考えてみても「あの時はやるしかなかった」と、あらためて確認ができました。私たち夫婦の人生の正当防衛みたいなものだったのだと思います。

Y氏の動きに、何ら反論することなく、うやむやで済ませることは、今後の生活に大きな支障をもたらすのは明白でした。Y氏に「自分は一切、悪くない」と思わせておいてはダメだったのです。

ただ、この時点では、私たちとて、「訴訟」ということには考えは及んでいませんでした。まだまだ意識の中でも、裁判所とは無縁の存在だったのです。

前回のつづき・・・

2017(平成29)年12月6日
当方代理人S弁護士よりY氏代理人K弁護士へ通知書出状。

この書状でもって、Y氏に、次のことを申し入れた。
・K弁護士が送ったという私の妻のメールの写しは届いていないこと
 (K弁護士は送っていないのに送ったと言っていたのである)

・私の妻はこのメールの中で覚書の作成を不要とする旨は一切記載し
ていないこと

・平成25年2月11日付覚書の内容について変更するかどうかの懸案
 があること

そして、私の妻がメールで述べた考えについては、それを全て撤回すると表明した。

 K弁護士は、私の妻が送ったメールをどうして有効と思っていたのか。事実として、実際の車両の所有権者である私の意思表示が一切されていないのである。ちなみに、土地に塀を立てる話も土地の所有権は妻だけでなく私にもあった。なぜ、私の存在を無視するのか。妻は私の委任状を持ち、代理人をしていたわけでもないのである。いつの間にか、妻が本件の全権代理人となっていたのである。

 S弁護士は、私たち夫婦が既に修理を終えて、代金を支払っていることと、平成29年12月15日までにその代金 10,4220円を振込送金することを求めるとの記載も加えてくれてあった。

 例の当方の自転車が風で飛んで来て、バンパーに当たったことについても、私が、自転車転倒直後、現場に行って当たっていないことを確認したこと。Y氏からその車両の傷を見せられたことがないことも記載してくれてあった。

 さすが、代理人。法的に意味が通るように表現を整えながら、依頼人の思いを代弁してくれている。
 私と妻は、この文面を手に、熱い思いを感じた。

ここで教訓だ。
 気持ちを汲み取ってくれて、一緒に戦ってくれる弁護士を見つけること。気持ちを分かってくれて、法的な戦い方を力強くサポートしてくれる存在。それこそが一般市民が求めている弁護士だ。

 ここでふと気づく。K弁護士はY氏にとっては、実はこういう存在なのか。Y氏の言い分をとことん言って来る。証拠がなくても言って来る。Y氏にとっては自分の言い分を止められることなく言いたいことを全部言ってくれる弁護士なのだ。

 とはいえ、こういう弁護士から言われる方は、たまったものじゃない。本件は、この弁護士の存在が、このレベルの事件としてはあり得ないぐらいのややこしさをつくり上げていっていた。

 さて、当方から球は投げた。次は、相手からだ。ここからは待つしかない。それにしても、弁護士なのに、こんな杜撰な論理で通るとでも思っていたのだろうか。所有権者でもない妻と一回話をして、一通のメールを得ただけで、「一件落着」とする。

 法律家でもない私でも「そりゃ、あり得ないだろう」と想像がつく。いや、作戦としてわざとやっているのか!?
 この時点では、分からないことではあった。

 さて、この通知書の日付の翌々日のこと。Y氏の最強の代理人K弁護士が驚愕の返答をよこした。うちのS弁護士に電話をして来たのだ。出張中の私は、宿泊先でその夜に、妻からの電話でそれを知ることになる。計測はしていないが、その時、私は、人生最高の血圧を味わうこととなった。

 つづく


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