弁護士を立てて反撃する(4) 相手からのふざけた回答 一般市民の民事裁判初体験記【19】自転車は空を飛ばない
ここまでのお話
当方の代理人S弁護士からの通知書に対するY氏の代理人K弁護士の回答が電話で来ました。そのあまりにも自分勝手な内容に、私はそれこそ腰が抜けるほど驚くことになります。
前回のつづき・・・
出張先にて、その日の仕事を終えた私は、そのあと、お客さんと会食の予定が入っていた。夕方、妻から一報があった。K弁護士からの回答についてS弁護士から連絡が入ったと。会食の時間が迫っていた私は、会食が終わった後、私から妻に電話をするとしたが、私の胸はそこから何やらざわざわ騒ぎ出してはいた。何かを予感していたのかもしれない。
会食が終わり、宿に戻って、ようやく妻に電話はできることとなった。私は、ふうっと軽く深呼吸してスマホを操作した。果たして、向こうは、なんと返答してきたのだろうか。
妻「あのね。怒らないで聞いてね」
妻の切り出しはスリル満点であった。どうせ、ろくな返答でないことの覚悟はしていたが、どうもこの予想は当たりそうである。
妻「S先生もお気に障るかと思いますがと困った感じだったけど」
私「で、で、どう言ってきたの」
思わず、先をと、せかす私。
妻「バンパーの件と相殺で修理代は払わないって」
私「はぁ!?」
もう驚きである。驚天動地とはこういうことをいうのかと、ふと思った。これまで経験したこともない心臓の鼓動の高まり。計測はしていなかったが、血圧200を超えていたのではないか。
当方の自転車は決してY氏の車に当たってはいないが、当たっていたとして、
・そのできたという傷を当方に確認させた上で、見積もりを取り、金額を 掴み、その金額が、だいたい10万円ぐらいだと。ですから、相殺でいかがでしょう?
こういう提案ならまだ分かる。
現実には、
・当方の自転車が当たったという事実はない
・バンパーの傷の箇所は一度も明示されていない
・見積金額の提示は一切ない(だいたい見積もりを取っていない)
これで、相殺とはどの口が言う。
私は怒りに震えた。しかも、これを弁護士が言ってくるのである。とんだ代理人ではないか。
この自称ベテランの弁護士の御仁。火付けと火を大きくする才能は半端なかった。
「来週、S先生のところに相談に行かせてもらうか」
翌日も出張先での仕事の予定があった私は、妻にアポイントを頼んでいた。
解決までは、到底一筋縄ではいかないことはもう明らかであった。
つづく
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