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出るとこ出ますよ(1) 訴訟になる前に 一般市民の民事裁判初体験記【22】自転車は空を飛ばない

ここまでのお話

もともとは、自宅の土地に停めていた車のドアに傷をつけられてしまったというのがそもそものはじまり。
相手が当方申し入れの修理代を詫びのひと言と共に支払ってくれさえすれば、すぐに解決できる問題でした。
ところが、この相手方ときたら、こちらもこれまで迷惑をかけられていたと被害者としての主張を弁護士立てて申し入れて来たのです。話のすり替えです。しかも、台風の風で飛んできた当方の自転車に自分の車も傷つけられたと言って来ました。虚偽、捏造の主張です。のちに、この修理代と相殺で支払わないと言って来ました。そのあとの弁護士同士の交渉で支払うとはなったものの、その金額について、また難癖をつけて来ました。

 今、3年程が経過して、当時の様子を冷静に振り返ってみました。

・今回の傷修理①と一緒に従前よりあった小さな傷②も一緒に直す。
・2つの修理代が混ざらないように見積もりは別に取った。
① は、104,220円 ②は、32,940円 
・相手方のY氏にお願いするのは①の金額のみであり、②は当方負担。
・私の妻は①の金額をご近所付き合いのよしみで、10万円超は大変で
あろうと、77,490円に減額してお願いをした。
(この差額:104,220-77,490=26,730円については当方が負担した)
・修理期間中の代車代は、親戚の車両を一時借用したので、代車は使
わなかったということで、請求はしていない。

 修理費用については、上記の経緯でした。この動きのあと出て来た、

 2018年1月15日付 相手方よりの通知書の内容が、104,220円を支払うという回答であったとしたら、この件は、ここで終幕となっていたことでしょう。相手から謝罪の言葉はなかったとしても、こちらの言い分を受け容れたということで、当方も収めるしかなかったと思います。

ところが、実際は、
【相手方の主張】----------------------------------------------------------------
蓋し、貴方車には○○様(当方の名前)ご高承の事故前からの傷があったものであり、その修理代金は金26,730円相当でありこれを控除すべきだからです。
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 それは違う!26,730円は事故前からの傷の分ではなく、当方が気を遣って減額した金額なのです。事故前の傷の分は相手方に負担は1円もさせていません。

 読者の皆さんだったらこういった場合、どう思われますか?

こちらは被害者なのに気を遣って、頭を悩ませて、全額ではなく、わざわざ減額して、丁寧に説明をしてお願いをしていたのに対して、
自転車が風で飛んで来てうちの車にぶつけられたという事実が証明できない(当方の表現では「虚偽」)ことを言われて、しかもそれと相殺で支払わないと言われ、ようやく支払うとなったら、「お前は余分に請求している」と言われた。

 これまで曲りなりにでも10年ぐらい、普通に近所付き合いをしていたつもりでしたが、こんな人とは夢にも思わなかったです。

 基本は、ハッタリとかまし。強気でぐいぐいと押しまくり。論理性の欠片もないですから、証拠がなくても言いたい放題。ところが、相手の反撃に遭い、旗色が悪くなると、態度は豹変します。豹変といっても、誠実さは感じられません。

 本性が分かるととんでもない御仁でした。
 もっとも、相手方も同じように当方のことをとんでもない人と思っていたかもしれません。10万円程の損害賠償のために、その何倍もの費用をかけて弁護士を立てて、反撃して来ているのですから。相手方の弁護士は、私が来たら、2017年11月から2週間で解決できると豪語していましたが、この時点で、2018年1月15日。2か月以上が経っていました。

 さて、このような人とは、土台、もう話が嚙み合いません。話になりません。これからの交渉をどうしたものか。

 これは、冷静、客観的かつ解決能力のある第三者に入ってもらうしかないなとなります。そう。ここで司法の出番となるのです。裁判するしかないなと、私たち夫婦は腹を決めました。

 世の中に、なぜ裁判所というものがあるのか。私たち夫婦が実感をもって分かった瞬間でした。

 次回からは、具体的な訴訟手続きの話へと移っていきます。

つづく

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