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出るとこ出ますよ(9) 第4回期日 法廷決戦・当事者尋問(2) 一般市民の民事裁判初体験記【30】自転車は空を飛ばない

ここまでのお話

原告の私と被告のY氏が直接、法廷で対峙する最終決戦。まずは先攻の私が代理人弁護士による尋問を終え、被告のY氏のそれも終えました。尋問は相手の代理人弁護士から受けるスタイルに変わります。


前回のつづき・・・

2018(平成30)年7月23日 第4回期日 当事者尋問

 実際の流れでいくと、次が原告代理人弁護士から被告のY氏への尋問で、その次が被告代理人弁護士から原告の私への尋問なのであるが、ここでの記述は私への尋問の場面を先にさせてもらう。

 さて、どうだったか?
 笑ってしまうぐらい中身のない尋問であった。
失礼な言い方になってしまうかもしれないが、70歳をとうに超えたおじいさんが、よたよたと、尋問台と自分の席を行ったり来たりしながら、たどたどしく尋問して来た。

 訊いてきたのは、
 ・メールは知らなかったのか
 ・修理代金のことは知っていたのか
ぐらいのことで、その他も先程、S弁護士の尋問で私が答えたようなことばかりであった。もちろん、私が答えに窮することは一つもない。
さっき答えたことをなんでもう一度答えているかと不思議な感覚だった。

 答えながら、私は素人ながら、「この内容で、勝てると思っているのか」と思っていた。尋問で生み出す結果は私の証言の確かさの証明につながるようなものだったのだ。こちらは、すっかり落ち着いて冷静だから良く様子が見える。

 この自称ベテラン弁護士、尋問が進むにつれて、鼻が赤くなって来ていた。準備をちゃんとしていないから、自席に戻っても資料がすぐに出てこないで、バタバタしていた。緊張し過ぎているのだ。しかも、滑舌が悪くて聞き取りにくい。3回程、「えっ、何ですか?」と私が聞き直す場面があった。

弁護士になって○○年。これだけで技量を測ってはいけない。

この被告にこの弁護士がついて、マイナスの二乗の完成。このコン
ビがこの小さな事故を事件にして、こじらせにこじらせたのだと証言台に座りながら思ったのである。

 そして、この被告の本性については、うちの代理人我らがS弁護士が見事に暴いてくれた。

 その様子を次に記しておく。

 明日へつづく


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