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タイのスイスを目指す旅 4
前の記事↓
「タイのスイスを目指す旅」と言っておきながらもとっくに帰り道。
ここからはバンコクの生活になる。
結局いつも通りのやつ。
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目と鼻の先、パトゥムターニーからバンコクに帰ってきた。
中華街ヤワラートの安宿はシャワートイレ共同だけど、部屋のテレビではYouTubeなんかが見れて快適。
美味しいチャイニーズフード目当てでヤワラートに来たのにこの日は月曜日。
ヤワラートのレストランは軒並み定休日。
しばらく歩き回ったけど開いてるチャイニーズレストランは全然なくて、
唯一開いていたヤワラートの名店、和成豊(フアセンホン)で海鮮炒飯と天心をやった。
一人客ってだけで店員に面倒くさそうにされたし料理も特別美味しくはなかった。
やっぱり中途半端な名店はだいたいそれに驕ってるイメージがある。
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ヤワラートから旧市街へ。
旧市街は大きなお寺がたくさんあって楽しい。
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旧市街にはいつも行くレコード屋がある。
チャオプラヤー川のプラチャンという船着場の目の前にあるこのレコード屋はアメリカやイギリスの王道ロックから、タイのインディーズや伝統音楽までの幅広いジャンルのレコードやCDを厳選して置いている。
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ここのマネージャーはとてもクレバーな感じのおばさんで、ひっきりなしにおすすめを試聴させてくれるのでつい買いすぎちゃう。商売が上手い。
タラートノーイからバンコク都心を歩く
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ヤワラート通りからチャオプラヤー川に向かう路地を入っていったあたりはタラートノーイと呼ばれる地区。
タラートノーイはバンコクでも特に古い華人たちの旧市街。
歴史ある寺院や自動車の部品工場なんかがたくさんあって、めきめきと成長する大都市バンコクにありながら、しばらく時間が止まっているようなローカルなエリア。
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最近では文化的な観光地になり、ウォールアートやお洒落なカフェなんかができていて、
アーティスティックでフォトジェニックなエリアとして街歩きに人気なスポットになっている。
綺麗に晴れた昼下がり、そんなタラートノーイを歩いてみた。
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ガソリンの匂いとコーヒーの匂い。
チャオプラヤー川からの風。
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下町情緒ぷんぷんだけど、
ウォールアートに真新しいカフェ。
ちょっと裏原か下北っぽくもある。
外国人の観光客もちらほら歩いていた。
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200年以上前の中華式邸宅をリノベーションしたカフェ。
いわゆる一昔前に東京でもちょっと流行った「古民家カフェ」のガチなやつだ。
中庭のど真ん中にはプールがあって、
シュノーケリングのレッスンが行われてる。
どんなところでも使えるところは使うのがタイらしい。
2階の縁側みたいな場所に座ってコーヒーを飲む。
川の匂いがする風が吹く。
バンコクの都心にこんなに静かで心地いい昼下がりがあったのか。
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タラートノーイを歩いたことでおれの"歩きグセ"のスイッチが入っちゃって、新都心サイアムまで1時間越えの大散歩がスタート。
タラートノーイからバンコク最古の通り、ジャルンクルン通りをずっと歩いて、目の前にそびえるルブアアットステートタワーを眺める。
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そこからBTSシーロム線と並行してド派手なヒンドゥー教寺院を横目に洒落たビジネス街を歩き、
サラディーン駅前からジャパニーズ歓楽街タニヤ通り。
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タニヤ通りを抜けてラマ4世通りを渡ると、チュラロンコン大学。
チュラロンコン大学は緑が多く広々していていい雰囲気だ。
タイの東大と言われているくらいだからみんな頭が良いんだろうけど、見かけるのはイメージよりもずっと洒落た感じの都会的な若者ばっかり。東大もそうなのかもしれないけど。
チュラロンコン大学の前にはサイアムスクエアという最先端ファッションセンター街が広がっていてその先がサイアム駅。
昼間のバンコクの都心は人は少ないし、緩やかな時間が流れていて気持ちいい。
ただとにかく暑いから1時間も歩くと、ジム終わりくらいには汗だく。
多くのタイ人はめったに外を5分以上は歩かない。
ほんのワンブロック先にも当たり前みたいにバイタクを拾って行く。
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スクンビットの夜
いつもの流れで、ヤワラートからスクンビットへ引っ越し。
BTSナナ駅からすぐ、エロマッサージ街の入り口のホテルは1泊900バーツ(3500円)だった。
スクンビットは昼間は静かな、バンコクの中心地。
夜はたくさんのネオンでカオスな街だ。
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スクンビットには超高級ホテルや、ショッピングモール、欧米人向けのレストランやパブ、
ゴーゴーバーがたくさんある。
スクンビット通り沿いにはたくさんの屋台が並んでいて、夜中まで世界中の全人種が行き交っている。
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綺麗なレディボーイを連れた欧米人のおっさん。
カフェでダベる韓国人。
物売り、子供の物乞い。アフリカ人の立ちんぼ。どこかの国の家族連れ。
焼き鳥屋台のおばさん。ビリヤニを食べるアラブ人。てな感じだ。
世界中の老若男女がいて、常識なんてないけどなんとなく秩序が保たれている感じのこの街はわりと居心地がいい。
色んな人がいるってことは、おれだってどんな奴でいても良いってことで、
東京でもそんなこと気にして暮らしてるつもりはないけど、
実際この環境になるとこんなに風通しが良いものかって感じだ。
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それに24時間空いてるカフェがあるし、
ローカル屋台もガチのハンバーガーショップも、東京にもあるようなラーメン屋もみんな近所にあるし、
気が向けば歩いてすぐのショッピングモールやスーパーマーケットに行って、服やお土産を買うこともできる。
バーはだいたい欧米人のおっさんが大騒ぎしてたりするので、あんまりこのあたりでは飲みに出かけたりはしない。
夜はもっぱら散歩。これはずっとやってられる。
通りを歩くたびに、しつこいコピーブランド品を売るおっさんや、
レディボーイやアフロのアフリカンガールに腕を取られるのはちょっと鬱陶しいけど、
それも一人旅のおれにはちょうどいい暇つぶしの雑談相手になる。
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そんなただでさえカオスな街に拍車をかけるように現れたのが「マリファナ」だ。
今年からタイはマリファナを解禁した。
実際には細かいルールがあるみたいだけど、
タイらしく、法は整備してないけどとりあえず始めちゃえってことで今のところは実質完全解禁。
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スクンビット通りにはマリファナのジョイントや、マリファナ入りのクッキーやキャンディを売る屋台が普通に食べ物の屋台と並んでる。
コロナの影響で空いたテナントにはだいたいディスペンサリーショップ(マリファナ屋)が入るし、
セブンイレブンではマリファナを使った健康ドリンクなんかが普通に売ってる。
元々はアジアの中でも特にマリファナに厳しかったタイ。
今ではすっかりマリファナが立派な産業になってる。
なにが起こるかわからないのがタイの面白いところ。
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今泊まってるホテルの、1本向こうの路地あたりからはアラブ人街。
アラビア語の看板、ハラルレストランが並び、
頭に巻くヒジャブや、顔や目まで隠した真っ黒のブルカを着ている女性たち
イスラム帽を被った男性たちがほとんどになってくる。
バンコク都心にいながらカジュアルにアラブの空気を感じられるから好きだ。
街の匂いがスパイスや独特の香水みたいな匂いに変わって、
昔旅したインドを思い出す。
久しぶりにチャイを飲みたくなってカフェに入る。
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店員もお客ももれなく全員アラブ人だ。
マサラチャイとともに、プリンみたいなものを注文したんだけど、それが品切れらしかった。
店員のお兄さんは、
「これならあるよ。」とメニューの写真を指差す。
写真を見てもそれがなんなのか全くわからない。
「これなに?」
「mehalabia!!」
「なにそれ?」
「mehalabia!!!」
いや、だからなんなんだよ。
よくわからないまま注文してみた。
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メハラビア。
牛乳プリンのベッタベタ版みたいなやつ。
中東では定番のデザートみたい。
とにかく甘いけど普通に美味しかった。
ただ、やっぱりどこか未知の風味。
まさにバンコクにいながらにしてアラブ旅行をしたみたい。
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クリスマス仕様
バンコクは相変わらずだった。
ただ来るたびに電車の路線図が広がっているし、屋台の値段なんかもちょびちょび上がってる感じがする。
バンコクは明らかに成長期。これからどんどん大きくなるんだろう。
旅のまとめみたいなもの
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振り返りみたいなものやっていこう。
今回は予定もないのにノリでチケットを買ったことから始まって、
タイのスイス、カオコーを目指すという予定を見つけて、それだけを目標にした旅。
やってみると、壮大な寄り道旅になってスケジュールぎりぎり。
というか途中で時間が足りないことに気がついて、帰りの飛行機を2日遅らせた。
アーントーンの大大仏。
ナコーンサワンのチャオプラヤー川の始まり。
カオコーの5連大仏。
湖にふたをする雲海。
猿が蔓延るロッブリーの町。
と、そこでしか観れないものもたくさん観ることができたし、
おれの旅のテーマみたいにもなってる、「現地の人の振りをする」というのも、
ローカルな田舎でたくさん味わえた。
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どんな小さな町にも市場があってそこにはたくさんの人がいる。
夜は薄暗い田舎町でも人は明るい。
田舎では、バンコクみたいな都会よりもよりディープに、
おれが思う「タイ人っぽさ」を感じることができる。
イメージだけど南米みたいな欧米的ブチ上げな明るさじゃなく、
アジア人らしく、楽観的でだらっとしている。
日本人からしてもどこか身近に感じるものがある。
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タイ人が大切にしている、「サバーイサバーイ」(元気、快適、気持ちいい)や、
マイペンライ精神(難しいことや細かいことは気にしない)を、
現地の人たちからたくさん肌で感じさせてくれた。
こんな贅沢なお土産は他にない。
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東京で暮らしてて、なかなか出会うことのないくらい、自然に生き生きとしてる人たちばっかりだった。
もちろん日本だって大好きだけど、
最近の日本の雰囲気から「楽しくやろうぜ」みたいなメッセージを感じとったことはない。
タイの町には、「とにかく今日を楽しくやろう」みたいな空気が充満しているみたい。
もちろん全部、日本もタイも全員がそうではないこと前提だけど。
心の豊かさを体現して教えてくれるタイの人には最大級のリスペクトを送りたい。
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前回がイサーン(東北)旅、
今回は中部と北部の入り口の旅。
少しずつタイのただの田舎も板についてきた気がする。
タイ人に言っても、
「あーそれどのへんだっけ?なにがあるの?」と言い返されるような場所ばっかり旅してる。
日本の田舎をほとんど知らないおれの中ではすでに、「田舎」といって思い浮かぶ風景はタイの田舎になっちゃってる。
今更ながらそろそろ王道観光地、チェンマイとかプーケットとか行ってみたいけど。
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最初の記事↓
タイ東北部(イサーン)の旅↓
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