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幼い頃、ゲームがことばの先生だった

私が小学生の頃、初めてゲームを手にした時の衝撃が今でも忘れられません。

特に印象に残っているのは、ポケットモンスターパールでおじいさんに「なんかいいことば」を教えてもらったことです。「キュビスム」や「ユビキタス」という語彙をそこで初めて知りました。何か良くわからないけれど、響きが凄そうで面白いことばだ、といたく感動したことを覚えています。ポケモン世界の住人たちが、当時小学2、3年生だった自分の脳内辞書に書き込みを入れ、ページを増やしていく。彼らの手助けのおかげで、今でも新しいことばに触れるたび、ちょっとした冒険をしているようなワクワクした気分になれています。それゆえ新しいことばがないか反射的に探してしまったり、ちょっとした表現に注目してしまったりという癖が身に付きました。

私が中学生の時にはモンスターハンターシリーズにはまりました。中二病真っ盛りだった私の目に飛び込んできたのはモンスターや素材の名前、もとい漢字の羅列。何て格好良いのだろう。思わず嘆息しました。もっともっと格好良くて、煌めくような難しい言葉が、漢字が知りたい。そんな欲求に駆られ漢字検定の勉強を始めました。

漢字検定の勉強をしている最中もこっそりとあるモンスターに助けてもらったことを私はよく覚えています。漢字検定2級の過去問を解いている途中、「月下氷人」という四字熟語と出会いました。この四字熟語を覚えるときの鍵となったモンスターが雷を纏ったモンスターである、ジンオウガでした。このモンスターが登場するクエストの名前に「月下雷鳴」というものがあり、私は四字熟語を「ジンオウガが出てこない方」と頭に叩き込みました。そのおかげで、私は中学3年の夏に漢字検定2級を取得できました。好きなものにからめることで、より覚えるべきことばを記憶に残しやすいのだなと痛感した出来事でした。

もしかしたら、あなたが過去好きだったもの、今好きなものに語彙を増やすヒントが隠されているかもしれません。今一度あなたの「好き」に思いを馳せてみませんか。あなたの「好き」という想いは、あなたに寄り添った「ことばの先生」になってくれますよ。

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