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フードデリバリーについて(1)

新型コロナウイルス感染拡大で大きな広がりを見せたフードデリバリー業界ですが、そのフードデリバリーについて、今更ながらと現状についてをまとめてみたいと思います。

■フードデリバリーのはじまり
フードデリバリーは時代のニーズとともに、サービス内容が変化しています。

▼江戸時代から始まったフードデリバリー

調理された料理を顧客に届ける「出前」は江戸時代の中期から始まり、吉原の遊廓が起源だといわれています。
吉原の遊廓が起源となった背景には、遊廓の女性が仕事以外の外出を許されていなかったため、出前を頼み始めたのではないかとされています。
江戸時代の出前では「振り売り」という商人がうなぎや天ぷら、蕎麦、寿司、野菜などの食材を庶民に対して売るのが一般的でした。現代とは違って、江戸の庶民が暮らしていた長屋には台所や電話がなかったため、家の近くにいる振り売りから食材を購入していたとされています。

現代の注文してから商品を届けてもらう出前とは仕組みが少し異なりますが、調理された食事を配達するという点では変わりはないでしょう。

▼現代的なフードデリバリーの登場 
参考: https://www.pack-kimura.net/useful/packagingcontainer/article110459/

昭和に電話が普及すると、注文を受けてから料理を配達するスタイルが主流となりました。
1980年代に宅配ピザが登場したことで、フードデリバリーは一般化します。
その後、1999年の「出前館」の登場によりインターネットで注文できる総合型のフードデリバリーが誕生し、ファストフードなどの様々な料理が自宅に届くようになりました。
そして、2016年「Uber Eats」の上陸により、宅配サービスを行っていない飲食店からも注文できるようになり、デリバリー市場に大きな影響を与えました。

ここ数年、ライフスタイルの多様化、新型コロナウイルスの影響もあり市場は急成長しています。
また、デリバリーのIT化や容器の進化により、多種多様な料理をいつでも手軽に頼めるようになったことで、日常的に利用する人が増えました。

急速に進化しているフードデリバリー業界ですが、今後も利用できる商品や利用シーンが広がり、様々なサービスが生まれると思われます。

■アメリカのフードデリバリー事情
圧倒的なシェアを獲得した「DoorDash」
引用:https://coralcap.co/2022/09/doordash/

「DoorDash」はサンフランシスコに本社を置くフードデリバリーサービスです。
2018年にはシェア15%の3番手でしたが、1年でGrubhubとUberEatsを抜き去り、
現在は2位のUberEatsの2倍以上のシェアを獲得。
コロナの巣ごもり需要が業界やDoorDashにとって強力な追い風になったことは間違いありませんが、コロナ後でも前年同期比30%以上の成長を見せています。
今年6月には、Wolt Enterprises Oyの買収手続きが完了したと発表しました。

ちなみに、日本では2021年に仙台でサービスを開始しましたが、今年6月に撤退を発表。2022年8月31日にサービスを終了しました。
現在は、買収した「Wolt」にアカウントを引き継ぐことが可能で「Wolt」としてサービスを継続しています。

業界全体でユーザーあたりの購買金額が増加していますが、特にDoorDashはその成長率が抜きん出ており、コロナ前に比べて2倍以上となっています。

DoorDashの成長ドライバーは平均取引価格ではなく、ユーザーの利用頻度であるという状況が続くとすれば、利益率改善の鍵を握るのは、既存ユーザーのリテンション・アップセル(顧客の単価向上を維持すること)であると推察されます。

▶既存ユーザーにフォーカスする理由

・新規ユーザー獲得にはSales & Marketing(マーケティング費用)がかかる
・フードデリバリー市場の成熟具合を鑑みると、新規ユーザー獲得のコストは既にかなり高騰してしまっていると推測される。
・新たなエリアに進出して新規ユーザーを獲得するとすれば、レストラン・ドライバーという供給側の獲得コストも初期投資として大きくのしかかる。

アメリカのフードデリバリーサービスは、既存ユーザーが重要なカギとなっているようです。

DoorDashは食品に限らず、日用品などの配達も行っています。

DoorDashのビジネスモデルは「ユーザー」「飲食店」「ドライバー」の3者で成り立っており、多くのユーザーがアプリを利用することで、飲食店とドライバーの収入が増える仕組みをとっています。これもシェアを獲得した大きな要因の1つと言えます。

次回もフードデリバリーについて書いていこうと思います。

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