見出し画像

Quadratic Votingの可能性

こんにちは!tenpapaです!

今回はQuadratic Voting(日本語訳するなら、二次関数的な投票方法)に関して最近自分で調べる機会が増えてきたので、学んだことのまとめとしてnoteにまとめようと思います(あれ?日本語おかしい?w)。

ちなみに、Quadratic Voting以外にも多様な投票方法があり、下記の記事にまとめていますので、興味のある方はチェックしてみてください!


Quadratic Votingとは?

上記の記事でも解説していますが、改めてChatGPT4に「Quadratic Votingを高校生でも分かるように解説して下さい」と質問した内容を引用しておきます。

もちろんです。

まず、基本的な投票制度について理解しておきましょう。通常、私たちが参加する投票では、各人は一票を持ちます。それが大統領選挙であろうと、学校のクラスの代表選挙であろうと、基本的には「一人一票」が原則です。しかし、「一人一票」制度では、個々の人がその選択肢にどれだけ価値を置いているか、つまり選択肢に対する熱意を反映することができません。

これを解決するための方法の一つが「二次元投票」または「Quadratic Voting」です。Quadratic Voting(QV)では、各人は一定の「信用点」を最初から持っており、その点数を自分が支持する候補や選択肢に自由に配分できます。ただし、一つの選択肢に多くの点数を投じると、それが二次曲線的にコストが増えるという特性があります。

例えば、あなたがピザのトッピングをクラスメイトと決めるとしましょう。あなたはとてもマッシュルームが好きで、それに多くの点数を投じたいと思っています。QVでは、1票をマッシュルームに投じるのに1ポイント、2票を投じるのに4ポイント(2の二乗)、3票を投じるのには9ポイント(3の二乗)と、票の数の二乗になるほど、その投票には多くのポイントが必要になります。

これにより、ただ単に多数の人が一番好きな選択肢だけでなく、少数の人々がとても強く望む選択肢も選ばれやすくなります。だからと言って、1つの選択肢に全てのポイントを投じてしまうと、他の選択肢に投票する機会を失う可能性があるので、どのようにポイントを分配するか、またその選択肢にどれだけ価値を置くかをよく考える必要があります。これが二次元投票、またはQuadratic Votingの基本的な考え方です。

ChatGPTより

いかがでしょうか?

Quadratic Votingでは、解説でもあったように1票と投じるには1ポイントですが、2票目以降はポイントが2乗分必要になる点が既存の投票システムと異なります。

Quadratic Votingの良さ

Quadratic Votingの概要が理解できたところで、Quadratic Votingの良さ(メリット)を解説していきます。

折角なので、ChatGPT4に続きでメリットを聞いてみます。

1.強い選好の反映:従来の投票システムでは、全員が等しく一票を持つため、強く何かを望む人々の声が十分には反映されません。しかし、QVでは強く何かを望む人々がより多くの票を投じることができ、その選好がより強く反映されます。

2. マイノリティの保護:従来の多数決方式では、大多数の人々の意見が通りやすいため、少数派の意見や権利が無視されることがあります。しかし、QVでは強く何かを望む少数派の意見も反映されやすくなるため、マイノリティの保護に貢献します。

3. 戦略的投票の防止:従来の投票では、自分の一番好きな選択肢が勝つ可能性が低いと感じると、二番目に好きな選択肢に票を投じるという「戦略的投票」が行われることがあります。しかし、QVでは自分の強い選好を反映させるために、自分の一番好きな選択肢に票を投じることが奨励されます。

それぞれの選択肢に対する選好度をより詳細に反映することができるので、より公平で代表的な投票結果を得ることが可能となります。

ChatGPT4より

上記の3つのうち、個人的には3は「そうかな?」と思うのですが、1と2はその通りだな〜と感じます。

1は「1人1票」のシステムでは、自分のこだわりを表現できませんでしたが、Quadratic Votingを利用する事でそれを表現することが可能になります。
ただ、こだわりを表現できるようにするだけなら、「1人1票」ではなく「1人100票」にすれば良いだけのこと。そこで2つ目のメリットである多様性が出てきます。

僕はこの2がQuadratic Votingの真骨頂だな〜と思っています。Twitterでも書いたのですが、与えられたポイントを使い切るために他の選択肢に投票する必要があるというのは仕組みとして秀逸です。

Quadratic Votingでは乗数のポイントは付与しないようにしています。例えば25ポイントとか、100ポイントとかです。理由は乗数のポイントを提供するとすべてのポイントを1つの選択肢に投票できてしまうからです。

よくあるのは99ポイントを付与するのですが、これをすることで81ポイントで9票分は1つの選択肢に投票できても、残りの18ポイントは他の選択肢に投票する必要があるのです(投票しないという選択肢をアリにするか?は議論の余地ありですが、私は多様性という目的からは投票しないは✗にすべき派です)。

すると、強制的に多様性を生み出すことができるのです。この強制的に多様性を生み出すことが良いのか悪いのか?という議論はありそうですが、多様性を生み出す仕組みにすることで、他の選択肢を検討するという行為が大切だと思っているので、個人的には強制的な仕組みには賛成です。

Quadratic Votingの運用事例

Quadratic Votingの運用事例で最も身近?なのは、台湾のハッカソンです。

ハッカソンの詳細は日本語で仕組みを解説してくれている記事があるので、こちらに譲りますが、国のオフィシャルなハッカソンで新しい仕組みを導入しているというのは面白いですよね!(そもそもハッカソンを国で行うっていうのが先進的ですよね!※日本でもマイナンバーのハッカソンとか始めているのでキャッチアップしてますが)

一応、下記には記事の中のハッカソンの箇所を引用しておきます。

オードリー:総統杯ハッカソンは、最終選考が総統のオフィスで行われるハッカソンです。決勝戦は総統ご自身が審査委員会の選考を監督するだけでなく、実際に座って上位24組のチーム、昨年は上位20組のチームに耳を傾けてくれます。

チームの選考方法は、市民の請願に応えたかどうかです。そして、参加型プラットフォーム上の全員が、それぞれ手持ちの99ポイントをクアドラティックボーティングによって好きなチームを選ぶのです。

99のプロジェクトに一票ずつ投票することもできますし、もし特定の1つのアイデアが気に入っていれば、例えば「沖合の島々での遠隔医療について」が気に入ったなら、1票で1ポイント、2票で4ポイント、3票で9ポイント、4票で16ポイント、9票で81ポイントのコストで投票できます。しかし、99票しかありませんので18票残っていても、10票目は投票できません。

そうしたら、他のものへと目を向ける。例えば「コンピュータビジョンを使って、海洋ごみを海岸ではなく海で集める」というものがあって、かなりいいアイデアだなと残り18ポイントのうち4票投票して16ポイントを消費する。まだ2ポイント残っているので他の2つを見ると、相乗効果を発見してSDGsをより学ぶことができます。もしかしたら、最初に使った9票を取り戻して、最後に見た2つへ7票ずつ投票しよう! となるかもしれません。

ですから、人々はそれぞれの正直な社会的志向にしたがって、平均4つ〜6つのプロジェクトに投票することになります。これはクアドラティックボーティングが、新規の投票ごとの限界コストと限界リターンが同じになるようデザインされているからですね。

その後、結果を集計して、今年のトップ20または24を出します。最終的に残った上位5位それぞれに、台湾の形をしたトロフィーが贈られます。それから3ヶ月以内に、分野横断トライアングルの申請書が、社会経済部門と公共部門それぞれからチームに送られてきます。

総統杯ハッカソンのトロフィーはマイクロプロジェクターになっていて、電源を入れると蔡英文(Tsai Ing-wen)総統がトロフィーを手渡してくれるんですね。これは授賞式の様子を映し出すメタ・トロフィーなんです。

過去3ヶ月間にあなたがしたことを総統が保証したとき、次の12ヶ月のあいだ、それは資金調達や法改正などを伴う国の方向性となるんです。それが総統杯ハッカソンにおける総統の権力なんですね。

IVSの記事から

ちなみに、このハッカソン。日本からも応募できる(台湾国籍の方がチームに必要ですが)ので、気になる方は応募してみて下さい。

また、オードリータン氏の台湾の民主主義に関する詳細は下記のポッドキャストで聞けます(英語)ので、興味があればぜひ!

Quadratic Votingの可能性

Quadratic Votingの可能性を考えるようになったのは、現行の投票制度への限界を感じたからです。

「1人1票」は、どうしたって人口が多い年齢層が勝ってしまう構造になっていて、ほんとうの意味での平等な民意を吸い上げることが難しいです。

また株式会社などでの株数=投票力にすると金があるやつが全てを握るという事で多様な意見を反映される事が難しいです。

その中でQuadratic Votingは新たな可能性を見せてくれるのだと思います。僕はQuadratic Votingを現行の選挙制度に適用する論文?レポート?を千葉工大のweb3概論の授業提出する予定noteに公開しました!)なのですが、仕組みを考えているとワクワクしてきます。

とはいえ、先ほどの政治の選挙制度のことも、株式会社での投票制度のことも、ゴールが変わらないことには制度は変わらないと思います。

株式会社の例で言えば、株式会社は誰のものか?という問には「株主のもの」が理論的には正しい訳で、「最も株を持っている人が最もリスクを背負っている訳なので発言権は最も強くなるべき」というのは間違っていません。
となれば、その前提で立つ時、Quadratic Votingを導入する意味・意義は薄れてきてしまいます。

オードリータン氏の事例も多様な意見を反映させるというゴールの下だったので、機能していると考えられます。

最後に

コミュニティの生成とトークン発行が非常に簡単に(それでも一般人には難しい)出来るようになったおかげで、トークンを利用した投票が色々と実験できるようになりました。

それ自体が素晴らしい事で、実験を繰り返していって時代に合った最適な投票制度が見つかっていくのだと思います。

私も折角であれば、現在のコミュニティで様々な投票制度を試してみて、トンカチしながら実験を繰り返していきたいです。

web3は楽しい!ので、ぜひ皆さんも飛び込んでみてはいかがでしょうか?

最後に、X(Twitter)のフォローと、もしよければ「Amazonのほしいものリスト」でのサポートをお願いします!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?