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シーズン3・4戦目に向けて

 シーズン1・2戦目は何だか消化不良的なレースになってしまったが、いつも一人で練習しているため、ここはひとつ「集団で良いスピード練習ができた」と割り切ることも大事。スピード練習と考えるのであれば、翌日の練習をどのような流れで持っていくかも大事になってくる。

セット練のススメ

 近年は年齢的にもポイント練習を行った翌日の疲労が大きいこともあるのだが、ポイント練習は2日セットで考えてきたのがこれまでの基本。2日セットに最後ロングjogを加えて3日セットにすることも、休日の関係や合宿時などには用いることも多い。
 今回も5/1(土)のサーキットの1500mをあくまでもスピード練習と捉えて次につなげていくために、翌日にあえてロードで10kmのペース走を入れた。また、その翌日も休日だったため20km程度のロングjogを入れて、3日のセット練で、スピード、テンポ走・ペース走、ロングjogなど異なる練習を組んでいき、総合的に走力UPを図っていく狙いである。
 これは思い返せば、高校時代・学生時代から行ってきた練習の基本パターンであって、高校時代は意識もせずに指導者が作成してくれたメニューがこーゆーパターンであった。大学時代も1~2年生の時には、指導者や先輩が作成したメニューを基本に取り組んでいたのだが、これも同様のパターン。自分でメニューを作成するようになった大学3年生以降も自然とこの流れを踏襲し、自分の練習パターンとなっていった。
【大学時代の練習パターン(特に3年生以降)】
月:Free jog
火:ペース走系(12~24km程度)
水:スピード系(インターバルなど)
木:Free jog
金:Free jog
土:スピード系 ※火・水と異なる距離での練習
日:ロングjog
 自分が指導する立場になってから、近年意識するようになったのが「トレーニングの3原理と5原則」である。トレーニングの考え方は人それぞれ様々であるが、「原理・原則」というのは効果的にトレーニングを行うための揺るがない根本であり、トレーニングを考えていくためには「トレーニングの3原理と5原則」に沿っているかということを意識していかなければならない。
 ここで紹介した「セット練」については、全面性の原則というものに沿っていることになるとともに、継続して行っていくことで反復性の原則にも沿った考えとなっている。

セット練で陥りやすいパターン

 セット練を継続していくことで確実にレベルアップを図っていくことができると思うのであるが、私も学生時代に陥った落とし穴がある。2~3日を1つの単位としてトレーニングを計画する場合、どうしても1つのトレーニングが実施できたかどうかだけではなく、セット練全体を行うことができたかということに意識が行きがちになってしまうのではないだろうか?トレーニングを行えば疲労が生じ、故障のリスクもトレーニングの強度が高くなればなるほど高まってくる。セット練を中長期的に継続していくことだけを考えてしまうと、「1つのセット練を完璧に行うために、1つ1つのトレーニングの強度が抑えられてしまいがち」であり、中長期的に一定強度の練習を行うことを意識しすぎると、「1つのセット練の強度自体も抑えられがち」になってしまい、過負荷の原理漸進性の原則に沿わないトレーニングパターンになってしまう。
 ここらへんの匙加減が難しいところなのだが、中長期的な継続の中でも強度に山を作りながら計画していくこと、セット練にこだわりすぎず1回の強度の高い練習をいれていくことを考えていかなければならない。市民ランナーにおいても、トレーニングを継続しているのにタイムが頭打ちになっているようなランナーはここら辺を意識していくのが良いのだと思う。
 ただし、予定した練習を完璧にできなかったというのは精神的にもダメージが生じるし、100%の力を発揮しないとできない練習を自分で設定するのはかなり難しいのが現状だと思う。また、一人でトレーニングをすることが基本の方にとっては、ものすごい高いハードルになるのが本音だと思う。

レペティションとレース参加のススメ

 高い負荷のトレーニングを入れていくための解決策の1つがレペティショントレーニングであり、もう1つがレースへの参加だと思う。なんといってもレースが最高の強度の高い練習となる。市民ランナー時代の川内選手がそうだったように、チームで練習するわけでなく、練習パートナーもおらず、強度の高い練習を自分で設定すること自体が難しい、その高い強度の練習を一人で行う自信・勇気がないという場合は、レースをポイント練習の一環として積極的に活用していくのが唯一の方法なんだと思う。それが鋼のような精神力を持つことくらいだろうか。
 レースより強度は低くなるが、長距離選手に陥りがちな「週間走行距離・月間走行距離」を確保したい症候群からの脱皮として、走行距離は稼げないが、レペティショントレーニングを入れていくにもレベルアップに向けた欠かせないポイントだと思う。

シーズン3・4戦目に向けた流れ

 このような考え方を持ちつつ、決して十分ではないと思うが、僕の場合にはこのような形でトラックシーズン前半の最終戦に向けてトレーニングを行っていた。この練習の流れの中では5/1がレースを活用したポイント練習、5/1~5/3がセット練習、5/11~5/13がセット練習(5/13の練習を5/12に行えればなお良い)という感じになる。 
5/1 レース(1500m 4'23"40)
5/2 朝:ロード10kmP.R 設定3'30"/km(結果 Ave 3'34"/km)
5/3 午後:90分jog
5/4 rest
5/5 朝:タータントラック 3000m(9'35"7)+1000m(3’10”)
5/6 朝:40分jog
5/7 朝:土トラック 1000m×1本(3'04"6)
5/8 レース(5000m 16’07"43)
5/9 rest
5/10 朝:50分jog
5/11 朝:土トラック 9000mビルドアップ(3000mごと3'50"/km-3'40"/km-3'30"/km) 流し150m×2本 
5/12 rest
5/13 朝:土トラック 4000mP.R(3’40”/km) 200m×10本(r=200jog)
5/14 朝:40分jog
5/15 レース(1500m 4'17"96)

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