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厚底シューズ問題に直面

シューズの歴史&うんちく

 陸上競技の選手や市民ランナーでなくとも、世間をにぎわせた厚底シューズのことは少しは知っているのではないかと思う。ここ数年、駅伝やマラソンを見ていると、ほとんどの選手の足元が同じ色で同じシューズということが見られた。
 僕が中学生~高校生の頃は「本気ならアシックス」という言葉があったように、マラソンシューズの王道はアシックスだった。今でこそ僕は全くはかないが、中学生~高校生にかけては、練習用のシューズはアシックスの「ターサー」を履いて、ジョグなどのロングように「スカイセンサー」、レースは「ソーティージャパン」や「ソーティーマジック」、これが横綱中の横綱のセレクトだったように思う。今でこそ自分の給料で買うのだが、よく親がこんな高価なシューズを買ってくれたものだと、今更ながら感謝の気持ちがこみあげてくる。
 アシックスの対抗馬がミズノ、たまーにナイキを履いている大学生や実業団ランナーを雑誌で見るくらいだった。話は少しそれるが、箱根駅伝の最古の区間記録を持っていた山梨学院大学の古田哲弘さんが箱根駅伝でナイキのシューズを履いているのを雑誌で見て、めちゃくちゃカッコよく感じたのを思い出す。もっと話はそれるが、現・駒澤大学コーチの藤田敦史さんが全日本大学駅伝やインカレのハーフで、左右で違う色のシューズ(ホワイトのシューズで片足がブルー、反対がレッドのアシックスのライン)を履いていたのもめちゃくちゃカッコよかった。そして、当時はソックスと言えば「白」くらいだったころに、黒いソックスを履いた藤田選手のカッコよさったらなかった。
 話を少し戻して、、、青山学院大学が箱根駅伝で活躍の度を高めると同じような形で「アディダス」が勢いを見せ、マラソンの世界記録もアディダスユーザーのキプサングとなり、アディダスが猛烈な勢いで長距離界に殴り込みをかけてきた。詳しいことは、詳しい人に任せるが、現代の名工「三村仁司さん」 がアシックスからアディダスに移ってきたのが大きな影響だろう。その後は、ニューバランス、ミムラボなどのシューズも箱根駅伝やマラソンで見るようになってきたが、これも三村さんの影響である。
 話はだいぶ長くなったのだが、どのメーカーのシューズであっても少し前までは「速く走る」=「薄底」「ゆっくり走る・脚を守る」=「厚底」が絶対的な常識であって、誰も疑わない時代だった。細かな理論までは分からないが、薄底のシューズは軽量であって、ソールが薄い分だけダイレクトに脚の力を地面に加えることができ、その分しっかりとした地面からの反発を得ることになりスピードが出やすい。力をダイレクトに伝えて、その反発をもらえるということは、脚部には大きなダメージが生じる。まあ、こんなとこだろうと思う。厚底シューズはその逆ということになる。
 簡単にまとめると、これまでの常識であった薄底と厚底の良いとこどりをしたシューズがナイキの厚底シューズということになる。そして皆さんもご存知のとおり、ナイキの厚底シューズによって長距離の記録が飛躍的(爆発的?)に向上したこともあり、世界陸連の規制が設けられることになった。

レース前日にシューズが違反という事実を知る

 2019年シーズンまでは3シーズンほど、「アディゼロタクミ・レン3」を愛用していた。とても愛称もよく気に入っていたシューズだったのだが、3シーズンも使用していたので、2020年シーズンにあたって新しいシューズを購入した。コロナの影響もあり、なかなかシューズを買いにも行けず、ネットで購入したのが「アディゼロ」シリーズの最新作「アディゼロタクミ・セン6」(前回の記事のオレンジのシューズ)だ。本当は、「セン」ではなく「レン」の方が気に入っていたのだが、おそらく「6」のシリーズは「セン」しかなくて、泣く泣く「セン」を購入した。このシューズの履き心地が正直良くなく、フルマラソンでのレース用やスピード練習用に、ナイキの「ペガサスターボ2」を購入。このシューズは、少しソールの厚さはあるのだが、フィット感や程よいクッション感が心地よく、それでいてスピードも出るシューズでとても気に入っている。最終刺激のアディゼロの感覚もやはり良くなく、今季の初戦はペガサスターボ2(この記事の写真のシューズ)で行こうと前夜に決めるのだが、ふと「靴底の厚さが25mm以上あるのではないか?」と思い始めた。厚底シューズの規制で、トラックレースでは、800m以上の種目は靴底の厚さが25mm以内と決められたのだ。気になって世界陸連(WA)のシューズ規制のページをのぞいてみると、なんとペガサスターボ2が禁止シューズになっていることにレース前夜にして気づくことになる。そのようなこともあって、最終仕上げの不安とシューズの不安と2つの不安を抱えながら、シーズン初戦を迎えることになった。

※早くレースの振り返りがしたいが、いつも話がそれてしまって、なかなかシーズンに入っていけません。。

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