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園児や保護者に!スマホ1つで始められるビデオレター|認定こども園真学園

認定こども園真学園(新潟県燕市)が動画配信に取り組み始めたのは、2020年6月。コロナにより、保育参観日や行事など、保護者が園に来て、参加するようなイベントが全くといっていいほどできなくなってしまったことがきっかけでした。

青空園舎

父の日のサプライズ
園児が歌う姿を動画で配信

 毎年6月、認定こども園真学園では、父の日のタイミングにお父さんが子どもたちの様子を見に来れるような参観日を設けていました。
 しかし、今年は3密回避のため、保護者の参観について当面の自粛を決定したばかり。保護者からは残念がる声も寄せられたそうです。

 「どうにかして園の様子を保護者に伝えられないか」

 そこで同園は、「お父さんのうた」を園児みんなで歌い、その様子を動画で撮影。動画配信アプリ「てのりの」を使い、父の日にサプライズで保護者に動画に配信しました。

 動画配信の試みは初でしたが、お誕生日会や七夕などの園内イベントに合わせて、「こうした動画をあげたらどうか?」といった工夫がクラス担任の先生からも徐々にあがるようになったそうです。

 「お母さん、お父さんの前だと、子どもたちは普段よりもテンションがあがってしまうもの。もしかしたら、参観日よりも自然な表情を伝えられるツールになっているのかもしれない」

現在は、イベントを中心に月に1回、多いときでは週に1回の頻度で動画を配信しています。

手元-2

「お泊り保育、がんばったね」
クラス担任からビデオレター

 さらに、7月・8月のお泊まり保育では、例年とは異なる新たな工夫も。
 1泊2日のお泊まり保育は、子どもがどのように過ごしているのか、保護者は気になるのはもちろん、子どもたちにとってもドキドキの時間です。

 そこで同園は、クラス担任が撮影したお泊まり保育の様子を保護者に配信。お泊まり保育の翌日から夏休みに入ることもふまえて、動画の終わりにクラス担任から子どもたちに向けたメッセージを入れました。

「お泊まり保育、がんばったね。
 夏休みが明けたら、また元気に会いましょう」

 こうしたビデオレターのような使い方から、今後は、家庭で過ごす保護者や子どもたちに向けてだけでなく、採用活動のグループコードを追加することで、学生や求職者に園の魅力を伝えることに応用できそうと手ごたえを感じているそうです。

日常の撮影担当は保育事務職員

 撮影・編集・アップロードを主に担当しているのは、保育事務の木下先生です。実は、木下先生は2020年1月に同園で働き始めたばかり。保育現場の人材不足や過酷な労働環境がニュースになる中、「保育者の力になりたい」という想いから同園で働くことを決めました。今回の動画配信も、自分から手を挙げたそうです。

 「動画配信をすることで、現場の先生たちの負担が大きくなってしまうのは心配。もちろん私が撮るよりもクラス担任の先生が撮った方が自然な表情が撮れますが、負担を考えるとできる人がやった方がいいと思いました」

 それまで事務室での業務がメインだった木下先生の日常は一変しました。イベントがあるときは、全10クラス分の動画を手が空いている先生と手分けをして撮影。それを、木下先生がiMovieで数十秒から10分程度の内容に編集します。てのりのの動画投稿欄に入力できるコメントやハッシュタグを活用することで、動画にテロップは入れないことがほとんど。編集時間を時短しているそうです。

木下先生

 「動画撮影を通して、子どもたちの普段の姿や先生たちの様子、現場の大変さを実感する機会も増えた。保育理念の共有や職員間の相互理解において、現場から少し離れた立場の職員が関われるのは良いことだと思う」

 現在は、木下先生のほか、園長先生、副園長先生、そして園共有のスマートフォンに「てのりの」をインストール(管理者登録)。お泊まり保育など、木下先生が撮影できない場面では園共有のスマートフォンで撮影できる人が撮影するなど、助け合いが生まれているそうです。

認定こども園真学園さんの運用ルールまとめ(一部)※2020年8月時点
1)施設コードを1つ発行する
  ※クラスごとの配信はハッシュタグで分類する
2)管理者登録は、園長、副園長、保育事務、園共有のスマートフォン4台
3)ハッシュタグの主な使い分けは「学年」「クラス」「イベント」
4)1つのイベントにつき全クラス分の動画を平等にアップロードする
5)編集ツールはiMovieを活用し、カットと結合などシンプルな編集をする
  ※テロップは入れず、説明が必要な場合はコメント欄に簡潔に記入する
6)動画内容は必ずダブルチェックを行う
  ・保育者の声掛けに誤解を生むようなものはないか
  ・1人違う行動をしているなど、変に目立っている子はいないか
  ・あまりに感情を取り乱している子はいないか    など

 さらに、てのりのを使って撮影した動画も、未就園児で入園や見学を希望する方を対象に子育て支援センター経由で視聴できる機会を増やすなど、活用の幅はますます広がっています。

●認定こども園真学園(新潟県燕市)
新潟県燕市にある認定こども園。「やさしく、すこやかに育てよう」「日本一の良い子に育てよう」を理念に、体操や音楽、読み書き、お茶や空手などのお稽古を取り入れながら、子どもたちの「生きる力」(学ぶ力・体の力・心の力)を育んでいます。子どもたちの笑顔や躍動感が伝わるホームページも、見ているだけで元気をもらえます。https://www.t-makoto.com/

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