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アップした保育動画は210本超!その中で一番効果の高かった動画とは?|和泉保育園

2022年6月時点で投稿した保育動画は210本超、保護者の登録数は700人、動画の累計再生数は1万2,000回という和泉保育園。東京都西東京市にある同園の菅沼園長に、動画配信アプリの活用方法、動画配信後の変化などをお伺いしました。

一番効果の高かった動画とは?

特に反響があった動画は「2歳児クラスのお名前リレー」動画です。
2歳児といえば、やっと自分の名前を言えるようになるころ。そこで「〇〇です」と園児が自分の名前を言う動画を撮影しました。

お名前リレー動画

園児「〇〇です!」
職員「上手に言えましたね! 次は誰がでるかな? お楽しみに~!」

動画内から一部抜粋

このような簡単な紹介動画でしたが、園児たちも、自分の番がやってくるまでドキドキしたり、よく遊ぶ友達を保護者に紹介したりと、撮影を楽しんでいたようです。再生数は過去の動画の中でもダントツでしたね!

動画のアイデアはどのように?

クラス担任の職員がアイデア出しを行っています。また、乳児・幼児、それぞれの担任間では「こんな動画を撮影しているよ」と情報共有をしています。6クラスの中でバラつきが出ないように、なるべく企画は揃えるようにしていますね。
いつもは、毎週1本程度を目安に更新していますが「保護者会の前には1本載せよう」と具体的にスケジュールを決める時もあります。

撮影・配信する際に工夫していること

■「保護者会」動画の工夫

りす組保護者会連絡事項

保護者会の前日にプリントを配布し、当日の昼に動画で配信しています。年度末の際にはクラスごとに次年度に使用するお部屋の様子を紹介しました。
感染症の流行により部屋への立ち入りができないため「今度、こういうお部屋を使うことになるんですよ」と、お部屋ツアーのように撮影し、荷物の置き場所、おもちゃを紹介。また、園児の動線(手洗い場からタオル置き場までの移動など)を、同じ目線で紹介することもしました。保護者会の動画は、当日事情があって参加できない保護者が閲覧できるだけでなく、繰り返し見ることによって理解が深まるなどの効果もあると思います。

■「地域の子育て支援」動画の工夫

親子でできるヨガの紹介動画も配信

当園では子育て支援にも力を入れていますが、現在はコロナ禍で開催を見合わせています。そのため、簡単に自宅でできる遊び(スライム・風船を使ったおもちゃ作り)・親子体操などを動画で配信しています。動画の企画は、子育て支援のプロジェクトに参加している保育士が行っています。

また動画の顔となる表紙(動画のサムネイル)には「和泉保育園」であることがわかるように工夫しています。ピンクの園舎に合わせ、ピンクを基調にした配色にこだわるなどして、パッと見たときにわかるようアピールしています。

地域の子育て支援動画は、通常の園の施設コードとは分けて新たにコードを作成しました。保育園見学にいらした方にチラシを配布したり、近くの食材を卸してくれているお店にポスターを掲示させてもらったりすることで、コードを広く周知しています。

■「内科・歯科医の指導」動画の工夫

当園と提携している内科医・歯科医に協力してもらい、動画を作成しました。
秋口に撮影したため、内科医には肌の乾燥対策として保湿のためのスキンケアや薬の塗り方などを教えてもらいました。また、歯科医・歯科衛生士には、0歳児・1~2歳児・3~5歳児の年齢ごとに分け、正しい歯の磨き方についてレクチャーいただきました。

■園長として気を付けていること

動画アップ前のチェックは必ずしています。動画は、その前にあった出来事を知らないままワンシーンだけを切り取ってしまうと誤解されかねないことがあります。そういったことが起こらないよう、事前に必ず確認を行っています。また、動画撮影・編集を得意とする職員とそうでない職員がいるため、得意な人がフォローに入れる(担任のクラスの枠を超えて手伝える)環境づくりに配慮しています。

てのりのを導入してよかったこと

職員が、動画を見返すことによって、普段気づきにくい子どもの様子に改めて目がいくようになりました。例えば、体操のクラスではどうしても「積極的に運動をする子」「まったく取り組む様子がない子」など、極端な行動をする園児に目がいきがちです。
でも、動画を見返すと、それ以外の子が手を動かすなどして運動に意欲を見せるなど、保育の時間の中では見落としてた様子に気づくことがありました。動画配信をすることで、新たな園児の一面・成長の様子を発見できるいい機会にもなっています。

あとは、動画を撮影することで、保育の振り返りが自然と行えるようになりましたが、あえて職員に対しては「保育の質の向上」などと難しいことは言わないようにしています。「上から強制されている」と思うと、動画撮影・編集への負担感が増してしまうためです。職員が動画配信を負担に感じずに、保育の一環として楽しんで続けられるようにサポートしていきたいですね。

これから動画配信を始める・検討中の園に向けて

菅沼園長よりメッセージ

たとえ園長が動画配信などのインターネットに苦手意識があっても、得意な職員を中心に「まずはやってみる」といいと思います。「てのりの」はアクセスコードで限られた人しか見られないというセキュリティも万全だと思いますし、動画配信の同意書についてもホームページに雛形が用意されていて始めやすかったです。あと、保護者からは無料で使えて、通信料などを気にすることもなくていいと大好評ですね!

——菅沼園長、お話いただきありがとうございました!

(おまけ)編集後記

今後、同園では保護者に繰り返し見てほしい動画を順番に固定表示できる「プレイリスト」機能を使ってみたり、動画の編集もできる範囲でアレンジしてみたいということで、無理のないペースで積極的に動画配信を取り入れていきたいとのこと。菅沼先生ご自身も動画配信を楽しんでいる様子が垣間見えるインタビューでした!

●和泉保育園

和泉保育園

東京都西東京市にある保育園。「こどもの最善の利益を優先させる(生きる権利・育つ権利・守られる権利・参加する権利)」の保育理念のもと、0歳児~5歳児までの定員120名の子どもたちが元気に過ごしています。手厚い職員の配置から「てのりの」を通じて保育の動画配信を積極的に行っており、その数は210本以上。また地域の子育て支援に関する動画も積極的に配信しています。