部活の思い出の話(Part.2)

前回は小学生編についてお話させていただきましたが、

今回はその続き。


前回の模様はこちらをご覧下さい
https://note.com/tenorimurajun/n/nc3089e1186e6


小学生で「天才」と呼ばれチビ天狗になったボクは、

努力をすることなく中学生になった。

そして中学でもサッカー部の門を叩くもまさかの展開からスタート。

そんなボク達にも転機が訪れる。

中学2年になって後輩が入って来たのだ。

しかしながらボクらと全く同じ状況で(これはあるあるなのか?)

小学生の頃にバリバリ主力でやってたのは3人のみ。

取り敢えず部員が増えた事に喜んでいると、そこに更に援軍が。

「自分は桜木花道や流川楓にはなれない」

そう悟ったバスケ部から同級生2人が入部して来た。


ナイスドロップアウト!!


これでボク達2年生は10人!

後輩も入って来たからやっとまともに試合が出来る!!


あ、まだそんなレベルの話です。


しかし本当の転機はここから。


中学2年の時に彼女が出来た。(ちなみに初彼女は小6)


ここからボクの中学生活が激変する。


彼女はとても明るく真面目で誰からも愛されるような存在だった。

しかし当時思春期真っ盛りのボクは意外にも硬派というかシャイボーイであった。

当時は携帯を持ってる学生なんておらず、話せる機会は学校か家電のみ。

学校でイチャイチャするのは恥ずかしい・・・

でも一緒に居たい・・・

どうすればいいんだ・・・

毎日朝練に通う彼女・・・


・・・よし!朝練に行こう!!


勿論「朝練」など今まで一回も行った事はない。

何なら放課後の練習も休み時間の延長くらいにしか考えてなかった。

でも愛のパワーは素晴らしい。

いつもチャイムが鳴ると同時・・・それはよく言いすぎました。

基本的に遅刻、酷い時は2時間目から登校していたボクが、

毎朝7時に彼女を通学路まで迎えに行き、彼女と一緒に登校。

彼女に合わせて朝練にも勿論毎日参加。

当然「強豪の皮を被った弱小サッカー部」であるもんだからボク1人の時もあった。

その時は流石にサボろうとも思ったが、

合唱部の彼女がたまにベランダに覗きに来るもんだから1人の時もゴールに向かってボールを蹴って「くそぉ!!」とか取り敢えず声を出していた。

なんだったらその声で彼女が見に来ていたくらいだ。

放課後の練習も勿論毎日参加し誰よりもヤル気で臨んだ。

何故なら彼女がベランダから見ているからだ。

あの時は恐らく目が3つはあった。

ボールを見る目、彼女を見る目、彼女を見る目。

誰よりも声を出し、練習なのに本気で先輩にもぶつかっていった。

当然先輩には怒られた。

「怪我したらどうすんだ」

そうだった、ここは強豪校じゃない。

強豪校のハートを持った弱小校だ。

でもそんな頑張りが認められてなのか上の学年の試合にも出るようになった。

上の学年は結構強かった。強かったが何せヤンキー気質が多かった。

だから結果怠けて負けていた。そして誰よりも悔しがっていた。

しかしそのヤンキー達にはエロい事も色々と教えて貰った。

そしてそれが何よりのパワーになっていた。


「天才」と呼ばれ努力をしなかったチビ天狗が、

エr・・・愛の力で努力を覚え成果を出し始めたのである。


勉強も頑張った。

彼女は成績優秀の優等生。

ボクは宿題とかも怒られた時に仕方なく出すくらいで、

勉強もそれはもう適当にやっていた。

しかし真面目な彼女と出会って「それは良くない」と思い勉強も頑張った。

初めて「進研ゼミ」を真剣にやった。

進研ゼミは「漫画」だと思っていたが、

騙されたと思ってとにかく真剣にやった。

そしたら爆発的に学力が伸びた。

担任の先生がHRでテストを返却する際、

ニヤニヤしながら「・・・頑張ったやん(笑)」って言ってたのを覚えてる。

点数を見て、彼女の方を見たら、

「私は分かってたよ」と言わんばかりに女神のように微笑んでいた。


多分だけど、

これが「リア充」の起源だと思います。


幽遊白書で桑原が吏将をパンチ1発で倒せた気持ちがボクには分かった。


これが愛の力だ。


話はサッカー部に戻る。

ボクらの中学校の監督は素人だった。

いわゆる顧問ってやつだ。

練習に姿を見せる事はほぼほぼ無く、

たまに姿を見せたかと思えばサッカー部なのに野球部の方ばかり見ていた。

あとから知ったのだが大の野球好きだった。

よく考えれば試合中も

「◯◯、サンキュー!」「ナイス!」「よし!」の3言しか発していなかった。

そこに気付いてからはフォーメーションや戦術、選手交代のタイミングなど全て自分達で決めるようになった。

ボクの当時のポジションはボランチ。

コンビを組む相棒は同地区でもTOPクラスの実力を持っていた。

ボクらのチームは守備がザルだった。

FWには県選抜レベルの快速FWが1人、MFにはその相棒とボク。

しかしDFには経験者1人に素人と後輩2人。

だからボクは守備をしたかった。

しかし一方の相棒は超攻撃的。

今なら「バランサー」って役割を理解を出来るのだが、

当時のボクにはそれが分かる訳もなく、幾度となくぶつかり合っていた。

そんな中、試合中にアクシデントが起きる。

失点と同時にDFの1人が怪我をしたのだ。

大至急誰かが1人DFに回らなけばならない。

ボクは仕方なく手を挙げた。勿論「代理」だからだ。

こっちは彼女いんだぞ!DFなんかやってられっか!

そんな風に思っていたかは覚えてないが、

なんせ小3ぶりの「リベロ」誕生である。

※小4〜はFWやってました

そしてこれが中学時における1番の転機になった。

練習中に誰よりも声を出していたお陰(彼女のお陰)で声の通ること通ること。

仕切り屋の本領も発揮し指示も出しまくる。

そして何よりカバーリングが天才的に上手かった。

カッコ付けてオフサイドトラップとかも何となく仕掛けてみたりした。

勿論やった事なんか一回もない。

当然失敗した。

キャプテン翼とJリーグの知識だけでは無理だった。

しかし今までになかったDFラインの活性化によってチーム全体が乗っていたのが分かった。

何故か空中戦に強く、セットプレーでは点も取った。結果4-1で勝利。

試合後、全員の表情が全く違っていた。

全員が手応えを感じる程の「会心の試合」だったのだ。

そこからボクはリベロに定着するようになった。

身長160cm、体重45kgとリベロにしては小柄だ。

でもボクは小学生の頃とは違う。

エr・・・愛の力で努力することを覚えたからだ!!


そこから大快進撃が始まった。

全く勝てなかった今までが嘘のように連勝を重ね、

2年時の秋季大会では市で3位になっていた。

そして迎えた中学3年最後の大会。

順調に市の大会を勝ち上がり、見事に地区大会に進出。

地区大会は優勝と準優勝チームのみが県大会に駒を進められる。

何とか準決勝に駒を進めたボク達は「初」の県大会を目前にしていた。

そこで立ちはだかるのは「中学校初試合の相手」

そう、ボクのサッカー人生において1-8という初めてボコボコにされた相手である。

そこからの2年間、何度か練習試合で対戦するも一度も勝てなかった相手。

優勝候補筆頭の絶対王者である。

しかしこっちも今までとは一味も二味も違う。


・・・オレには彼女がいる!!


試合開始。

すると勝ち上がった勢いそのままに序盤から猛攻を仕掛け、

なんとあっさり2点先制。

2点目が決まった時なんか明日全員死ぬんじゃないかってくらい喜んだ。

そのままハーフタイムに突入したボクらは完全に浮かれていた。

いけないと思い「おい!集中するぞ!!」と注意したものの、

その後スキップでコートに戻っていた。

そして後半に突入。

予想は的中し開始直後バチバチに攻め込まれあっさり1点を返される。

中学生ながらに「次取られると負ける」と悟ったボクは守備陣全員に声をかけた。

そっから気合で守った。死ぬ気で守った。

FWもMFも前線から守備をしてくれた。

ボクも「オフサイドトラップ」を一生懸命我慢した。

相手チームのマネージャーをチラチラ見るのも我慢した。

その後もボコボコに攻められ続け、、、

そして試合終了。


2-1


決勝進出と同時に初の県大会進出決定。

喜びが爆発した。

1番最初にサッカーが嫌になるくらいボコボコにされて、

その後1回も勝てなかった相手に最後の最後の1番大事な場面で勝つ。

こんなドラマチックなことあるかってくらい感動した。

相手も愕然としていた。中には泣き崩れる選手もいた。

そんな中喜ぶのは申し訳ないなんて中学生の頃は考えられないのでとにかく喜んだ。


勿論決勝は負けた。


迎えた県大会。

初戦も1-0で突破し、迎えた準決勝。

相手はボクらが地区決勝で負けた相手を破って勝ち上がって来た強豪。

しかし連戦に次ぐ連戦により全員が信じられないくらい絶不調。

パワプロでいう所の全員「紫」状態。

終わってみれば、


0-5


完敗。

結果そのチームが県大会を圧倒的な力で優勝し、

ボクらの最終成績は県3位。

あのスタートから考えれば立派すぎる成績だ。


監督も当初は恐らく惰性で取り組んでいた。

しかし勝ち上がるにつれてやる気を出し練習にもよく顔を出すようになっていた。

相変わらず野球部の方は見ていたが。

何だったら「ボール飛んでこい」って心の声まで聞こえていた。

後輩達にバトンを渡しボク達は引退。


そしてボクはサッカーで強豪校に進学することを決意する。


その決意を伝えに行ったらブン殴られた。

うちの学校、進学校だったから。

そんなケースは今までなかったらしい。

頼むから考え直してくれと言われた。


少しだけ考えてみることにした。


そしてこの物語のヒロイン「彼女」

学生生活の恋愛は甘酸っぱいものなんて言うが、

一年で一番甘いであろう「バレンタインデー」にフラれた。

しばらくは自暴自棄になっていたが、

持ち前のベビーフェイスと努力をし出してからのキラキラ具合も相まって、

気付けば後輩達の間でファンクラブが出来ていた。

照れ臭さもあったが悪いもんじゃなかった。

恋愛一直線から抜け出し、

そこからは後輩にも目を向けるようになった。

そして初めて後輩と付き合った。


彼女と同じ名前の子だった。


そこからボクは4連続で同じ名前の子と付き合う事になる。


もはや自分でも「名前で決めてるんじゃないか?」と疑うレベルだった。


そして彼女に進学の事を伝える。


「すごくカッコ良いと思います」


ボクは強豪校へ進学した。


そう、愛の力は絶大なんだ。


ムラジュン🙋‍♂️三🌹✨

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