ぼんやりと会社員デザイナーを続けていた私がフリーのイラストレーターを目指すまでの話

初めまして！てのり と申します。
2022年3月に脱サラし、フリーランスのイラストレーターとしての道を歩み始めました。

そう、タイトルだけ見るとよく見かける話かもしれませんが、自分の中ではそれはもうかなり思い切った決断でした。
むしろ、退職でさえもついにこの時が…と本気で怯えたほどです。
今日はそんな、一人の小さなの人間の中で起きた大きな決断についてのお話です。

元々イラストは好きで描いていた

小さい頃から絵は好きで描いており、大体2014年の終わり〜2017年くらいまで当時は水彩で創作イラストを描いて活動していました。

当時の絵はこんな感じです。な、懐かしい…

ボタニカルな女の子

その頃は「イラストを仕事にしたい」という気持ちは全くの無でした。
というよりもイラストレーターなんて職業とは無縁（なれるはずがないもの）と思っていたので、ただ水彩の柔らかい感じが好きでこんな絵が描けるようになりたい〜！と紙に向かう日々。

今思うと、この時が一番純粋に絵を描いていたなあと思います。
就職を機に上京したことをきっかけに、好きなイラストレーターさんの個展にも足繁く通っていました。

仕事が忙しくなり段々創作イラストから遠のいていった

2016年に新卒で制作会社にデザイナーとして入社をしたのですが、私のスキルがそれはもう足りておらず、2年目までは常に先輩に付きっきりで指導いただきながら必死に目の前のタスクをこなしていく日々でした。

3年目ぐらいからようやく案件のデザイン作業を一人でも任せてもらえるようになり、2018年からは慢性的に忙しい状態に。
ピークで忙しかったのは2020年で、この頃はデザイン以外にもディレクションを任されるようになったため、慣れない業務をこなすためにとにかく必死に仕事をしていました。

初めて本格的に触れた「イラストを仕事にする」人たち

そんな中、仕事でもごくたまにイラストを描く機会があり、自分で描けそうなものは対応していたらありがたいことに「イラストも描けるデザイナー」として認識してもらえるようになりました。

依頼を受けて描く絵はどれも新鮮で、「あ、私ってこういう絵も描けるんだ」という発見がすごく嬉しかったことを覚えています。

また制作にあたって知見を広げるためにクライアントワークをこなしているイラストレーターさんを追い始めたことをきっかけに、おそらくこの時初めて「商業イラストレーター」の世界へ触れ始めたのだと思います。

創作イラスト界隈にいたときは、展示や個展といった「作家」としての活動がメインだった方ばかりを追っていたので新鮮だったのと、そして何より、イラストを見るのが好きな気持ちは昔と変わらず、「好きなイラストレーターさんを追う」ことが自分の居場所のような至福の時間になっていきました。

またSNSやブログ等での発信も多くあり、北川ともあきさんのこちらのnoteは一番最初に拝見させていただいた記事だったのですごく印象に残っています。

https://note.com/tomoaki79/n/n8ea62d706ddf

イラストレーターを目指して約2年で、書籍カバー・挿絵・雑誌のお仕事をするまでに
やったことすべて／北川ともあきさん

しかし、すごく良いな、憧れるな…という気持ちがある一方でその世界に飛び込む勇気などもちろんなく、特に行動をすることもないまま会社員デザイナーを続けていました。

きっかけは、体調を崩したこと

毎日目まぐるしく働きつつもそれなりにやりがいも持っていたのですが、ある時に積もりに積もった疲労やストレスが一気に弾けたように、2021年の11月頃に今までにないくらい体調を崩しました。

暗い話なので詳細は割愛しますが、ついには仕事も手につかなくなり慌てて上司に相談。幸いにも仕事を巻き取っていただき（本当に感謝しかないです…）すぐ病院に行ったり意識的に休んだりしたのでその後順調に回復はしていきました。

その時に強く感じた気持ちとして「とにかく早く治りたい」「やってみたいことはたくさんあるのにこのまま行動せずに終わりたくない」という2つがあり、これが本当に本当に行動に移す大きなきっかけになりました。

すぐさま自己分析をして現状の課題点や自分の得意不得意な環境、これからどうなっていきたいかなどを整理していき、結論が出たタイミングで退職を決断し上司に連絡。不安な気持ちもありましたが、決めたことを信じて挑戦してみようという前向きな気持ちも同じくらいありました。

0からのスタート

なんとか案件の引き継ぎもやりきり本格的に活動し始めたのですが、当然仕事用イラストを想定とした作品のストックはなく、イラストも有休消化期間に描き始めたので本当に0からのスタートでした。

最初はとにかく作品を作り退職の1ヶ月後にはポートフォリオサイトを立ち上げ。実績もスキルもまだまだですがありがたいことにイラストのご相談やご依頼など僅かながらですがいただくことがあり、少しずつですが行動の成果が出た時は本当に嬉しく思います。

また私の場合、準備期間中のお金の不安もすごく大きく、紆余曲折あり今は週4でWebデザインのお仕事を引き受けつつ空いた時間で自主制作を行なうようにしています。

以前よりペースは落ちますが、健康な心身で無理なく続けることが何より大事だと思っているので、今後もデザイナーのお仕事と並行してイラストの道も徐々に広げていけたら、と考えています。

人生は長い長いマラソン。地道な積み重ねを続けていきたいです。

さいごに

長くなってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。
今回はさらっと書きましたが準備期間や求職活動中も私の中では色々あったので、いつか詳細も書けたらなと思います。

さいごに、2020年ぐらいに「また創作イラストを頑張りたい…」と嘆いていた私に、この言葉を伝えたいです。

「イラストの道、また挑戦してるよ！」