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せせらぎ

よく晴れた日曜日でした。
お昼の潮。今日も久しぶりにシーグラスを拾いました。
私たちは干潮の時間にあわせて海に行きますが、そうするとお日様のご機嫌によって見えるものと見えないものがあるのです。浜辺でみつかるシーグラスにはブルー、グリーン、茶色、透明が多く、その他の色は希少です。
真上からお日様がジリジリと照りつける今日はグリーンの鮮やかなものばかりが目につき、ブルー系はなかなか探せず、透明のものに至っては目を凝らしても見つかりませんでした。

注:ないことはないのです。見えないだけです。

茶色いものばかりが目につくときもあるし、今日は見つけられなかった透明のものばかりがみつかる日もあります。
お日様のさす角度や、陽射しの強さ。影になっている場所があるかないか。曇っているか。そういったことで目に飛び込んでくる色が変わるというのは不思議で面白いものです。

以前立ち寄ろうとしたときに藪漕ぎが必要なほど雑草が生い茂っていて行けなかった場所へ、今日は行ってみることにしました。

島のなかでもこちら側は波がつねに高く荒れています。波の音がごうごうと響き、しぶきが高くあがり、南の島なのに火曜サスペンスみたいだねって話しながら降りました。

サワサワという音が聴こえてくるので何だろうと思っていたら、そこはこんな場所でした。

森に行って鳥に会ったとか蝶をみたとかよく書いていますが、この島の森は内地のそれとはまったくちがいます。
雨が降ったら内地の森はそれを受けとめ、しみこませ、貯えたのち川の源流となる。そこまでに途方もない年月がかかっています。
こちらの島は珊瑚が隆起してできているので、降った雨はこの珊瑚を通って早々に流れだすのです。ミネラルをたっぷり含んで。
その源流にほど近い場所がここでした。
私たちが自然のなかで淡水に触れることはほとんどできません。汽水域と呼ばれる場所はいくつかありますが、淡水のみの場所はほぼないに等しい。

とても貴重で希少な、珊瑚を通り抜けた雨のかたち。びっくりするほど透明でひんやりと冷たいおみず。
私にとっては懐かしく心地よい水音も耳にすることができて、束の間ですが夢見心地を味わいました。

飲み水は天水(雨水を貯めたもの)が当たり前だったこの島には、いくつも井(ガー)とよばれるところがあります。おうちにも一家にひとつタンクがあって、石や砂を入れてろ過して飲み水や生活用水にしていたといいます。

水を汲みに行くのが子供のときから仕事だったとお義母さんからも聞いています。そのぐらい最近まで、水場とおうちを何度も何度も往復されていたのです。
天気がいい日ばかりじゃない、暑い日も寒い日も、晴れてても嵐でも、きっとたくさんの人が上っては降りを繰り返したであろうことを思うと、この場所がいかにたいせつで神聖なものであったかがわかるような気がします。

人のくらしに直結する、水
こういった場所の保全につながる活動をすこしでもしていきたいと思います。


きょうは日暈も見れました。


天女さまみたいに見えたんだけど、
私だけかな。





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