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手のひら先生の高麗手指鍼療法 22   いきなり鍼灸、いきなり漢方は止めましょう! 東洋医学のかかり方 (1/2)


電話が掛かってきました。「先生、お医者さんが私の癌の病状はっきり答えてくれないんです。治してくださいお願いします」
対応したいのはやまやまですが、人一人の命がかかる問題ですそう簡単に安請け合いは出来ません。

もう10年以上前の話です。

今でも日本人の死因一位は「がん」です。がん宣告され驚いて医師の態度に不信感を抱いた末、鍼灸のサイトを見つけて電話をかけてきたみたいです。

当院でがん治療が出来るといっても、必ず治せるわけではありません。

問題は西洋医学で治らないから東洋医学と言う選択は、正常な精神である時に考えればまずありえません。

今回は鍼灸漢方薬を含めた東洋医学のかかり方、「東洋医学受診のお作法を考えてみました。」

その日に備えて事前準備しましょう

私の治療方法は50年ほど前韓国人柳泰佑さんによって発明された、高麗手指鍼(コウライ・シュシ・シン)です。手のひらにも体と同じように経絡という気の流れがあることを発見したのです。そこから研究が始まって治療法が出来ました。直接は末期がん治療で有名だった金成万先生に教えていただきました。

ちょと自慢してしまいますが、現在の「手のひら先生の高麗手指鍼療法」はそれよりはるかに進歩させているものです。

日本には1977年に鍼理論と治療法が紹介されました。今でも日本ではほとんど知られてないうえ専門の鍼灸師は少数です。

韓国では鍼灸師になるには漢方医と言う医師にならなければなりません。そこが大問題であって鍼灸師が増えないので高麗手指鍼は民間療法として普及しています。

二年に1回行われる「韓日学術大会」は初めて参加した20年前は、盛大で参加者は1万人近くありました。

しかし近年は参加者も二千人を下回るほどに衰退してしまいました。

昔も今も参加者は40歳以上の方がほとんどです。

「先生、韓国人も若いときは病院に行きますが、40歳を越えると漢方薬や鍼に興味を持つのです。そして暇が出来ると興味が湧いて高麗手指鍼講座に参加するようになるのです。」と教えてくれました。

日本が統治していたからなのか、そのようなメンタリティは同じなんだなと感じました。ただ漢方薬については韓国人は意識が異なっていました。韓国ソウルの町中に行くと、同業者が固まって店を構えているのです。

豚足屋が集まる豚足屋街、水道屋が集まる街など、さながら小さな秋葉原があちこちにある感じでしょうか。

漢方医も同じように店を構えていました。当時漢方薬を世界一消費していたのは韓国だったらしいです。

そこで行って処方が決まり3時間ぐらいで煎じた薬がパックになって受け取れるのです。日本よりはるかに便利なシステムでした。

それだけ韓国では漢方薬に人々が馴染んでいました。

日本では漢方薬も買えたりしますが、それほど日常の生活に入り込んでいるとは言えません。

そんな韓国の漢方医も今は衰退してしまいました。理由は別のところで説明します。

知っている人は知っている

いきなり東洋医学が目の前にあったと気が付くのではなく、健康な時ほど東洋医学のさわりでも良いので知っておけば、あとあと自分の財産になるはずなのです。

定年後に鍼灸師を始める「ナンチャッテ鍼灸師を目指して」入学した私に、先生方があれこれとレクチャーしてくれました。

理事をされてた先生がこう仰っていました「卒業後君たちのところに来る患者さんは2つに分かれる、一つはレベルの高い人、一つは子供の頃おじいちゃんに連れられて鍼灸院の思い出がある人だ」

おじいちゃんが「このような痛みが出たら鍼灸院じゃなくては治らない」と言った記憶を忘れない人が来るんだ。

30年前のことでいまとは違い人々の医療の知識・衛生観念に今と違って大きな差があった時でした。

SONYの創業者井深勝さんは、同窓会に行くと「私が元気なのは君たちのお蔭じゃない。鍼灸師のお蔭だ」と言ってくれていたそうです。

井深さんは東洋医学の味方だと仰っていましたね。医者の裏側も東洋医学も知っているからこそ、言える言葉だと先生は仰っていました。

その影響があるのかソニー㈱会社には今も「生命科学」の研究所があるようです。

なかなか外からでは分からないが鍼灸師の力

鍼灸師の能力がどれだ高いとか良い漢方医がどこにいるとか分かりません。

理想を言えば、古典をよく理解し、治療技術が旨く、気を使える そう言う鍼灸師が良い鍼灸師と思うのですが、なかなかネットや広告などで知ることは出来ません。

混んでいる鍼灸院が上手な所でしょうか?           う~ん

たくさん本を出している先生が上手いのでしょうか       う~ん

学校の先生をしている人はいろいろ治せるのでしょうか     う~ん


当て嵌まるようで当てはまらないのがこの世界です。混んでいるのは集客力が優れているからですし、多くの本を出せるのは得意分野がそこにあるからですし、技量の目安にはならないでしょう。臨床の学科を担当されている先生なら実力があるから担当しているはずです。

これも先生の言葉でしたが「繁盛しているから治せるとは限らない、患者が少なくても腕はいい鍼灸師はいる、宣伝が上手ではないから、何でも治せるが文章にするのは苦手なので出版することはない」等々。

結局外からは分からないことになります。

患者さんが「先生のホームページは、自分で作っているから信じられる」と言われた方がいましたが、これなども一つの見方でしょう。

口コミがすべてではない

むかしも今も口コミが最大の宣伝広告になります。ただし今のように人間関係が希薄になっていても口コミは強力な力を持っています。

またこんなことがありました。苦しんでいる時人に治療院を紹介されることは、実は患者さん自身の人間性にあるかもしれません。「先生のところを紹介したいのだが、日ごろからいやなやつなので苦しんでいても教えないんだ」と言った患者さんがいました。ああ口コミと言うのは単なる紹介ではなく、日ごろのコミュニケーション能力・人間関係も影響しているのだと教えられました。

また治ったから行ってごらんと言われても、同じように治るとは限らないのがこの世界です。

ある人の腰痛はほかの人の腰痛の原因とは違っているかもしれないのです。

腰痛を治せたからと言っても、ほかの人の腰痛の原因が内臓疾患などくるものだと治せない可能性があるかもしれません。

同じような治療法で治るか否か、人に合わせて治療法を変えられるか、それは鍼灸師の力次第なるのです。

東西医学の使い分けをお勧めします

1、東洋医学には外科部門がありません、これは気を付けておいてください
2、病気にならない予防法を取り入れるなら漢方を学ぶことをお勧めします。食養生の指導を受けられるかもしれません。
3、漢方薬の世界は漢方専門医が行う処方と薬剤師が行う処方とがあります。どちらも先生の勉強経験を知ることが重要です。
4、鍼灸はピンからキリ。腰痛肩こり専門と病気を治すところと良く確かめ選ぶ必要がある
5、西洋医学の限界と東洋医学の限界を知ることは自分の健康にとって重要です

次回は私の経験から東洋医学を取り入れたいが迷った場合にどうしたら良いかをお教えいたしましょう。

まとめ
1、健康な時から東洋医学を少しでも学び体験すると良い
2、一度体験すれば分かります
3、「気」のパワーを信じられない人はお止めなさい
4、困った時に東洋医学のアドバイスし助けてくれるのは日ごろのお付き合いの結果です
5、西洋医学で治らないから東洋医学の選択はいけません

私のホームページはこちらです。「手のひら先生のリウマチ相談室」


次の本は「手のひら先生スタイルの高麗手指鍼療法」がどのようにして生まれたのかを書いたものです。
他の鍼灸書のようにこのツボを使えば治るというような本ではありません。手のひらのツボのことや治療法については
「高麗手指鍼講座」柳泰佑著 たにぐち書店 刊 日本語訳がありますのでご覧ください。鍼灸は見たり読んだりしても身につくものではありません。

一般の方には病気を治す鍼治療とはどういうものか理解できるように書いてあります。さらに私なりの簡単自律神経調整法を図解しております。

サポート頂いたら最先端の医学雑誌と、最先端の進化論本を購入し難病治療研究に役立てる予定です。