新型コロナが迫る覚悟 いまこそ「人生会議」
新型コロナウイルスの感染者が急増し、人工呼吸器や病院のベッドなど医療資源の不足が懸念されるようになってきた。それに伴い、私たち一人一人に「覚悟」が求められる場面も起こりうるだろう。そんなことを改めて考えさせられたのが、1日の「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」の記者会見だった。自分が患者になったとき、たとえば人工呼吸器の装着をどうするか、家族や身近な人と話し合って心の備えをしておいてほしいという趣旨の発言があった。現実は差し迫っている。いまこそまさに「人生会議」(アドバンス・ケア・プランニング)が求められている。
判断の基本は本人の意思
会見では、東京大学医科学研究所教授の武藤香織さん(医療社会学)が「まだ自分が患者になるということについて人ごとと思っている方がけっこう多いと思う」と前置きし、「重症化したときに受けたい医療はどんなものなのか。あるいは受けられないかもしれない医療はどんなものなのか。タブーなく話し合ってほしい」と訴えた。
生命倫理に関わる法律家や医師らでつくる「生命・医療倫理研究会」は3月31日、「COVID-19の感染爆発時における人工呼吸器の配分を判断するプロセスについての提言」を発表した(注)。
提言は、医療資源の不足によって「トリアージ」(災害などで同時に多数の患者が出た時に、緊急度に従って搬送や治療の優先順をつけること)が適用される可能性を指摘。「一人一人の患者に最善をつくす医療から、できるだけ多くの生命を助ける医療への転換が迫られる」と危機感を表明する。……
=以下は下記の毎日新聞「医療プレミア」(有料記事)をご覧ください=
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