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お金をかけずに肌を若返らせちゃおう

年齢とともに、”肌のたるみ”や、”しみ”などが気になりますよね。

気になるお肌を手入れするために、高額の化粧品を購入するなどの対策をとられている人も多いと思います。

しかし、最近の研究では、レジスタンストレーニング(筋トレ)と有酸素運動が肌に良い効果をもたらすことが確認されました。

それでは見ていきましょう。

論文紹介

今回ご紹介するのは、2023年に行われた「Resistance training rejuvenates aging skin by reducing circulating inflammatory factors and enhancing dermal extracellular matrices」という論文です。

この研究では、日本の中年女性を対象に、筋トレと有酸素運動の肌への影響を16週間にわたって比較しました。

筋トレと有酸素運動の比較:肌への影響

研究では、以下のような結果が得られました。

レジスタンストレーニング(筋トレ)の効果

筋トレを行ったグループでは、皮膚の弾力性が**19%改善し、真皮の厚さが1%**増加しました。
また、血中の炎症性サイトカイン(CCL28やCXCL4など)が減少し、肌の奥の層がしっかり支えられるようになったのです。
これにより、肌がより「ぷるん」とした状態に近づき、見た目の若返り効果が期待できます。

有酸素運動の効果

有酸素運動を行ったグループでも皮膚の弾力性が**13%**改善し、肌の表面の滑らかさが向上しましたが、真皮の厚さには大きな変化が見られませんでした。

それでも、肌の弾力性を向上させることで、シワやたるみが軽減される効果は期待できます。

有酸素運動が好きな方へ

もちろん、有酸素運動が好きな方も引き続きそのまま続けるのが良いでしょう。
有酸素運動は心肺機能を高めるだけでなく、全身の血流を改善し、肌の健康にも良い影響を与えます。
特に、有酸素運動によって増加するインターロイキン-15(IL-15)という物質が、肌のミトコンドリア機能を向上させ、肌の老化を遅らせることが知られています。

筋トレが肌に与える特別な効果

一方で、筋トレが肌に特別な効果をもたらす理由は、真皮の厚さを増加させることにあります。

真皮は皮膚の中でも重要な層で、ここがしっかりと厚みを持つことで、肌全体がしっかりと支えられ、弾力が増します

このような効果は、肌のたるみを防ぐために非常に重要です。

さらに、筋トレを行うことで血中の炎症性因子が減少し、これがビグリカン(BGN)という成分の生成を促進します。

このビグリカンは、肌の構造を強化し、真皮の厚みを増加させる役割を果たします。
この効果により、筋トレは単なる運動以上に、アンチエイジングの観点からも非常に優れた選択肢となります。

筋トレで肌を若返らせる具体的な方法

肌の老化を防ぐための筋トレの方法について、いくつかのエクササイズを紹介します。

レッグカール
太ももの筋肉を集中的に鍛えるエクササイズです。脚の筋肉を強化することで全身の血流が改善され、肌の栄養状態が向上します。これにより、肌に必要な栄養分が効率的に届けられ、若々しさを保つことができます。

チェストプレス
胸の筋肉を鍛えることで、上半身全体の血行が促進されます。これにより、顔の肌にも十分な酸素と栄養が供給され、肌のハリが増します。

ショルダープレス
肩の筋肉を鍛える運動で、肩周りの筋肉が強くなると、首や顔の血流が良くなります。これにより、シワやたるみを予防し、引き締まった印象の肌を作ることができます。

スクワット
下半身の筋肉を効率よく鍛えることができる。初心者はスクワットだけでも十分に効果がある。

ただし、肌のための筋トレ方法論はまだ確立されていないことを覚えておきましょう。そのため、バランスよく全身を鍛えることが重要です。

結論:筋トレと有酸素運動、どちらも続ける価値あり!

有酸素運動も皮膚の健康には効果がありますが、肌の老化を防ぎたいなら筋トレを積極的に取り入れるのが最も効果的です。筋トレは真皮の厚さを増やし、炎症を抑えることで、肌を若々しく保つ手助けをしてくれます。

どちらか一方を選ぶ必要はありません。有酸素運動が好きな方はそのまま続けつつ、ぜひ筋トレを取り入れてみてください。 肌の健康も守りながら、全身のフィットネスレベルを高めることができるでしょう。

参考文献

Nishikori, S., Yasuda, J., Murata, K. et al. Resistance training rejuvenates aging skin by reducing circulating inflammatory factors and enhancing dermal extracellular matrices. Sci Rep 13, 10214 (2023)


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