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ふじい。恥じい。

藤井は今悩んでいる。

10月にある、よしもとアカデミーの学園祭に友人や知人を誘うかどうか。

学園祭は良いものにしたい。

OPV制作を担当しているからにはテンション爆上がりするようなOPVを制作したい。

呼び込みをするからにはたくさんお客さんを集めたい。(藤井の呼び込み力は目を見開くほどにマジで半端ないので、みなさん見といて。)

そうなってくるとやっぱり、自分の友人や知人も呼びたいと考えるのはごく自然のことである。特にお笑い好きの友人がいれば呼びたいと考えるのは自然なことである。

ところが、YCAに入学したことは友人たちにはあまり言っていない。

YCAに入学したことを知っているのは、今同じ職場でいつも一緒に働いている相棒と、小2からの付き合いの親友(多分その彼女も知ってる)、テニスサークルの仲の良い人(仲が良いといっても相手は40手前)、家族、だけだ。

大学のボート部の友人や、テニスサークルの他の人たちには、やんわりとエンタメとか映像とかデザインとかを勉強中みたいなことだけ伝えている。高校・大学の友人や研究室のメンバーには全く伝えていない。

一番、心に引っかかっているのは前職の同期たちのことだ。全く連絡も取っていないし、YCAのことなんて何も話したことがない。

在職中はとても仲が良かったし、別に会社を辞めても一生の仲間だと言って会社を辞めたはずだが、実際はもうずっと連絡をとっていない。

会社を辞めたことに対して、こっちが勝手に後ろめたさを感じているからこうなるだけなのかもしれないが、会社の同期なんてこんなものかといつも自分を納得させようとしている。

その度に、「いや、彼らとの楽しかった日々は嘘じゃないし、たくさんの素敵な思い出も本物だ。たまたま連絡を取っていないだけだ。」と思い直すループをもうかれこれ200回は行った。

別に前職の同期にYCAのことをことさらにアピールする必要もないが、別に言ったって良いはずだ。一人ものすごいお笑い好きの同期もいる。

その子は藤井よりは間違いなくお笑いに詳しいし、YCAのみなさんに匹敵するか、なんなら上回るぐらい詳しい。全然気軽に学園祭に誘って、久しぶりに同期のみんなと会って話せば良い。

だが、


なんだか恥ずかしい。


「あっ、もしもし母さん?俺の本棚の奥に結構激しめのエロ本隠してるから、ちょっとそれ郵送してもらっていい?」


ぐらい恥ずかしい。


これは、エンタメに生きる覚悟が弱いということか?

そんなはずはない。

何を恥ずかしく感じるのか整理してみた。思いつくがままに、恥ずいと思う要因をブレストしてみた。ブレストの際はとにかく思いつくままに書きまくることが大事であって、内容の被りがあったとしても気にはしない。とにかく思いつくがままに書いてみた。

1. そんな道に進んで大丈夫なんかと思われそう
2. またあいつ変な道に進んでるでと思われそう
3. あいつはやっぱりなんか変わっとんなーって思われそう
4. 藤井は藤井なりに夢や目標を見つけて頑張ってるねんなーって思われそうだけど、それはそれで気恥ずかしくてムズムズしそう
5. (極端にいえば)やっぱあいつは普通の生き方ができない社会不適合者なんじゃないかと思われそう
6. 変な行動したりしてると、それだけで白い目で見られそう
7. なんの結果も実績も出していないのに、周りに噂とか広まったりしたら、卒業後結局何にも変わらなかった時に恥ずかしいので、周りには伝えず自分に対して保険をかけておきたい
8. シンプルに自分が進む道を応援してもらえるのかが不安
9. お金を大事にできないやつだと思われそう
10. 頭の悪いやつだと思われそう
11. YCA入学のことを伝えて、そこからまた再び連絡を取るようになったとしたら、結局自分自身の中身には価値を感じてもらえていなくて、肩書きにしか価値がないんじゃないかと感じてしまいそう
12. 結局何も結果を残せなかった時のために周りには知られたくない
13. シンプルに会社を辞めたことに対する後ろめたさや恥ずかしさがある
14. そもそもこっちが勝手に大事な友達だと思っていただけで、向こうからしたらただの元同期Aでしかないのかもしれないと思うと、連絡を取りづらい
15. もう藤井と連絡を取る必要もないと思ってたのに、またなんか久しぶりに連絡きたわ。みたいにうざく思われていたらどうしようかと思ってしまう


などが挙げられた。

自分の心の奥底にある百分の一寸法師ぐらい小さなネガティブな感情も全部引っ張り出してきた。

これで本当に全部なのかはわからないが、自分の心の中にあるものはほぼ全部書き出したはずだ。

基本的には不安で仕方ないんだということがわかった。


こんな道に進んで大丈夫なのかっていう不安が90%、勝手にこっちが友達だと思い込んでるだけで実はただの元同期Aにしかすぎないんじゃないかという不安が10%だ。

10%に関しては深く考えても仕方がない。この先の人生で一生会わないということはないだろうし、また会った時に仲の良さを確認すれば良い。
それに、結局は他人でしかないのだから、もし仮に絶縁したところで何の問題もない。

というかそもそも、そんなに薄っぺらい仲ではない(はずだ)。

一方で、もう片方の90%はきちんと向き合う必要がある。






エンタメの仕事がしたい。でも大胆な一歩は勇気がなくて踏み出せないと思って、小さな一歩だがYCAに一歩足を踏み入れた。

でも、今や自分は「エンタメに生きる」と覚悟を決めたはずだ。

だったら、いつまでもウジウジしているのはおかしくないか。

周りからどう思われようが関係ない。自分は自分だし、この先この世界で生きていくという決意には変わりない。何を卒業後まで待つ必要があるんだ。

意思決定や行動力の鍵を握るのは脳みそではない。環境だ。頑張ろうと思うより、頑張らざるをえない環境や状況を作り上げる方がレベルアップのスピードは速い。

だったら、学園祭や11月にある脚本のイベントは願ってもない状況じゃないか。ついにやって来た、待ちに待ったお客さんを呼んでのイベントだ。それはすなわちプロとして振る舞うということだ。

そこに、自分の友人や知人を呼んで盛り上げる。笑わせる。感動させる。最高かよ。ワクワクドキドキかよ。

一般的に見たらやや変な方向に進んでいる自分も、必死にもがいている自分も全部曝け出して、頑張らざるを得ない環境、レベルアップせざるをえない状況を自ら作り出すしかないだろ。



と、強藤井がおっしゃっている。




一方で、弱藤井もまだ負けていない。



あんまし周りに言いすぎると、変に周りの目とかを気にしてしまって、自分の道を自分の意思で決めにくくなるぞ。100%自分の意思だけで意思決定をしたいなら、やっぱりわざわざ周りに知らせない方がいい。

友達を呼んで、チケットを買って来てもらうというのは、自分の作った商品を友達に営業する行為だ。自分の売る商品(学園祭など)が良い物だという自信はあるが、なんだか抵抗を感じる。

というか、お前ホンマにこの道でやっていけると思ってる?甘いで。ホンマに友達呼んで楽しませることなんかできると思ってんの?これだから、ガキンチョは困る。




これにまた強藤井が負けじと猛反論している。

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なかなかこのディベートは決着がつかない。

多分ひろゆきだろうとDaiGoだろうと橋下徹だろうと、強藤井と弱藤井のどちらも論破することはできない。論破できるのは、ふじいけんた本人だけだ。どなたか弱藤井を論破するために強藤井の応援をしてほしい。

今度会った時に「けんた君頑張って💕」と一言いただければ、強藤井は少しだけ元気になる。





少しだけ話が脱線するが、藤井はメンタル強い奴ブランディングをすることがある。それはあながち正解でもあり、間違いでもある。

昔から、気に食わなかったら相手が誰であれ先生とかにも容赦なく食ってかかってビンタされるような人間である一方、他人が全く気にしないことが気になったり周囲の雑音や視覚情報や他人からどう思われているかに敏感な側面がある。

ただ、大人になるに連れてどんどん自分は自分、他人にどう思われようが関係ない、という考え方ができるようになった。

他人に自分がどう思われるかという自分視点ではなく、相手がどう思うかという相手視点で考えるようになった。



完全にそんな風に思えるようになったのはここ1、2年の話である。

というのも、大学や専門学校、人によっては中学や高校というのは、ドラクエでいうところの始まりの町であり、そこから出ると道中でたくさんのモンスターに出くわす。

頑張ってモンスターを倒していけば、社会人2、3年目という町にたどり着く。

そこまでにたくさんモンスターを倒してお金を貯めておけば、社会人2、3年目の町でメンタル強化の鎧というアイテムを買うことができる。

藤井はそのメンタル強化の鎧を身に纏っているだけであり、中身は別に強いわけでもない。

今となっては、元から強い部分はそのままに、弱い部分はメンタル強化の鎧で頑丈に覆われているので、めちゃくちゃメンタル強い感じに振る舞える。

ただ、今回は初めての転職(というか初めて所属した組織を中途半端に辞めた)と、初めてのイベント制作なので、メンタル強化の鎧を無効化して内側から攻撃されている感じだ。

とはいえ、やっぱりめちゃくちゃワクワクしているのは間違いないし、心の底から自分は自分、他人は他人と思っている。

どうやら、鎧の効果だけでなく、モンスターを倒す過程で自分のレベル自体もアップしていたようだ。



藤井のような元メンタル弱々人間でもこれだけ強くなれる。

この間、同期で少しミスをして落ち込んでいる人がいた。何かを頑張ろうとすればするほど失敗することもあるし、悩むこともあると思う。

それでいい。

きっと内側からも外側からも強くなれる。

あなたの頑張りや誠実さは同期みんなが知っている。事務局の方々も知っている。

これからも一緒に頑張ろう。




結構書いたのでそろそろ終わりにする。

あれやこれやと書いたわりに、何も結論は導き出せなかった。

でも、確実なことが一つだけある。



学園祭がとっても楽しみだ。




最高のものにしたい。




だから、最後に一言。









「けんた君頑張って💕」


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