【テニス】腰を回すの意味【解説】
皆さんこんにちは。加藤です。
今回は、ストロークのアドバイスでよく聞く「腰を回す」について個人的な解釈で解説してみたいと思います。
●腰の位置のイメージ
「腰」と聞いて皆さんはどのあたりをイメージしますか?
今まで僕のクラスの生徒さんに聞いた時には、脊椎全体の下の方をイメージしていたり、骨盤あたりをイメージしている方もいて、人によって「腰」と考える位置が違うように思います。
ですので、腰を回すと言っても相手によって受け取り方が変わってきてしまいます。
もちろん「腰を回す」で指導者のイメージ通りの動きになれば、その方が早いので、そのアドバイスを否定する気はありません。
●個人的に思う「腰を回す」動き
結論を先に言いますと、私が個人的に考える腰を回す動きとは「腹回りから骨盤までが水平面で回転している動き」と考えます。
その理由は以下をご覧ください。
●「腰を回す」で排除した方がいい動きがある
人によって腰を回すの受け取り方が違うので、やらない方がいいような動きをしてしまう方もいます。
腰を回すことを「腰椎を捻る」と受け取ってしまう方もいますが、腰椎は5個しかないうえに、各椎骨が1~2度ほどしか可動域がありません。
5個合わせても5度ほどしか捻れませんし、可動域いっぱいに回旋すると怪我のもとになります。
比べて胸椎は12個からなり、胸椎すべて合わせると35度ほど捻ることができます。
ですので、腰を回そうと思った時に「腰椎を捻る(回旋)動きはできるだけ排除した方が良い」と考えます。
●動かすところと固定するところを使い分ける
関節には大まかに2種類あり、可動範囲が広い関節と小さいまたは動きの方向が制限的だったりほぼ動かない関節があります。
可動範囲が広い関節をモビリティジョイント
動きの方向が制限されている関節をスタビリティジョイント
と使い分けたりします。
例えば股関節や肩関節は球関節なのでモビリティジョイント
肘関節や膝関節などは、動く範囲は広いですが、曲げる伸ばすの一方向にしか動かせないので、スタビリティジョイントに属します。
身体を胸椎から下にざっくり言っていくと、
胸回り(胸椎や肩回り)は・・・動かせる範囲が広い
腰椎、仙骨、骨盤が・・・動かせる範囲が狭い
股関節は、屈曲伸展、外転内転、外旋内旋など・・・動きが大きく広い
膝関節は、可動範囲は大きいけれど、脚全体の向きに対して屈曲か伸展の・・・一方向の動き
足首は屈曲伸展だけでなく、回したり・・・自由に動かしやすい
と、ちょっと強引ですが、ほぼ交互になっているとも言えます。
もし仮にヒザ関節が股関節のような自由な関節だった場合、グラグラして立っているのも大変だと思います。
人間の体ってよくできてると思います。
●まとめ
以上の理由から腰を回すという動きは、可動範囲が大きい部位の影響を受けて、「腹回り」が一つのユニットとして回転する動きと考えます。
胸回りの動きの影響を受けて腹回りが一つのユニットとして回る(捻るではなく)
もしくは、下肢の動きの影響を受けて腹回りが回る
客観的に見た場合、腹回りが水平に回転してたら腰が回ってるイメージになるのではないかと思います。
おまけ
椅子に座った状態で(できれば背もたれが低めの椅子)腰椎回りを背もたれから離さずに捻る動きをすると、腰椎をほぼ固定した状態での捻る動きがわかりやすいのでおすすめです。
この動きは、体幹上部を先に回旋し、その後腹回りがついてくる動きにつなげるトレーニングです。
立ってストロークの動きに関連させるには、胸回りを先に回してから「腰を回す」動きにつなげていきます。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?