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見島へ

山口県萩市見島。
見島と聞いて思うのは、この見島沖20kmに八里ヶ瀬と呼ばれる水深30mから80mほどの岩礁帯がありその周辺が好漁場とされ本マグロなどの通り道となっている。
毎年10月下旬にはマグロトーナメントという釣り大会が開催され、俳優の故松方弘樹さんが300kgを超える巨大マグロを仕留めて優勝したのは記憶に新しい。

またここでは見島牛という日本在来種の希少な肉牛が飼育されている島でも有名。出荷数が少なくほとんど流通していないため一般人が口にする事はないそう。
この見島牛とオランダ牛の交配で見蘭牛という肉牛なら食べたことはある。

港に見島牛の立派な像がある

この見島までは定期高速フェリーのゆりやが唯一の交通手段。郵便、物資の輸送もこれだけのようだ。萩港からここ見島の本村港まで片道1,970円、所要時間は70分だ。
9時10分に萩港を出て10時20分に到着する便に乗る。

島まで唯一の交通手段「ゆりや」

当日はあまり揺れなかったが特にこれから冬の日本海は時化ることが多いので乗り物に弱い方は酔い止めは必須。

この島には春から秋にかけ年に数回1泊2日の日程で釣りに来る。
ターゲットは大型のヒラマサや石鯛など釣る。釣果は毎回すこぶる良い。さすが離島。魚影は抜群に濃い。

毎回初日は来島直後から17時まで磯で釣りをする。終了後、港に戻り徒歩で旅館に向かい
すぐに風呂に入って食堂へ。
これが1番の楽しみ。
お酒は飲まないので黙々と食べる。
すべて美味い。特に魚が美味い。
お刺身の醤油がとても美味い。

地元の新鮮な魚と和牛の焼肉など食事は豪華

食事を済ませたらすぐ就寝。5時起床の明日に備える。朝食は渡船の時間が6時と早朝なので旅館では食べれない。
なのでいつも玄関に弁当を置いてもらい釣り場まで持って行く。これは釣り人あるある。どの島の旅館に泊まっても朝食の代わりにお弁当をくれる。

広々とした旅館の部屋。昭和の香りがプンプン
釣り場で食べる旅館の朝弁当。これが美味い

13時まで釣りして港へ帰る。帰りは14時05分のゆりやに乗る。出港まで少し時間があるので暇つぶし。唯一のコンビニに行ってアイスクリームなど買う。持参したライカのカメラでパチリ。
とは言っても撮る物もないしなぁ。

車一台がやっと通れるほどの島内道路
古墳群があるようだが行ったことはない
道端の花など撮ってみる
おにようず。以前の定期船はおにようずという名前だった


今までここに来て釣りの事しか頭になかったが、初来島から20年。今更だがもう少しこの島について知りたいと思うようになった。歳を重ねた今、学校では習わなかった地理、歴史や文化に興味を示し始めたのは、ここ最近のウクライナとロシア、日本と中国との関係性など世界情勢の急激な変化を見て、やはり歴史に学ばなければ、一体どこの国が、誰が正しいのかさえ分からなくなったからだ。ここで書いてるのは小さな離島の歴史だけれど、どんな小さな離島だとしても正しくその島の歴史を学ぶ事で毎回釣り以外の楽しみ方もあると思う。
我々のような旅する釣り人はそのチャンスがたくさんあるのに、その釣行先でのグルメだとか、近道だとか(笑)ごく一般的な物ばかりにしか目が行かなかったことにとても後悔している。

今まで北は隠岐の島、九州だと壱岐対馬から種子島屋久島、トカラ列島など様々な離島に行ったのになんともったいないことを。

次回は2泊して2日目は釣りをせず島内を散策しようと思いながら帰路に着いた。

「ゆりや」釣り人ならではの写真。朝陽が美しい。

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