ギルティ

【あらすじ】

ある事件をきっかけに捜査をはずれて緊急通報指令室で勤めているアスガー。

薬中の男からの通報や風俗街で女に強盗された男からの通報

飲酒運転して膝を怪我した女性からの通報

特別な捜査を行うような通報がない中、1件おかしな通報を受ける。

女性からの通報で、どうやら彼女は拘束されているらしい。

ここでの情報は声と音のみ。

アスガーは相手の声色や周りで聞こえる音を聞きながら事件解決へと踏み出す。


【感想】

こんなにもカメラワークのない映画がかつてあっただろうか。

相手の声色で不安や怯えを察知し、的確に指示を出すアスガーだけれど

自分の判断が原因で誰かを傷つけたかもしれないと葛藤するシーンは正直息ができなかった。

人間の情報源の8割は視覚からだというし

映画は視覚で魅せるものだと思っていたけれど

ここまで聴覚に固執した作品は初めて観た。

90分弱の作品だけれど、体感ではもっと長く感じてしまう。

沈黙で語るようなシーンが多いのもその理由だろう。

監禁されている女性がピザを注文するふりをして通報するという記事が話題になったことを思い出したけれど

もしかしたらこう言った通報例は珍しくないのかもしれない。

実際顔が映る登場人物は極めて少ないけれど

多くの人間の表情が想像できる1本だったと思う。

アスガーの気持ちだけは細かく現れていて、点をつなぐととても滑らかな線になる感じがした。

あとこれは個人的な感想だけれど

アスガー、惚れる。(笑)

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