サブスク解約時の塩対応に憤ったけど、思い直した話

2年以上、毎月数千円を払っていたサブスクを解約した。
解約時のあまりの塩対応に「解約の人はどうでもいいって姿勢かぁ」と憤っていたが、改めて考えるとあながち間違った選択ではないのかもしれないと思い直した。

サービスや対応の批判が目的ではないので、詳細は割愛するが、このサブスクは日本のスタートアップが提供していて、特定ニーズを持つ人向けのサブスクだ。

解約の理由はシンプルで、僕のニーズが充足したからだ。でも、今後また発生する可能性はあったので、解約を申し込むタイミングでは「必要になったらまた契約するか」ぐらいの気持ちだった。

そのサブスクは、特性上、ボタンひとつで解約は現実的ではなく解約フローの案内が必須のサービスなのだが、解約のフローの案内がいい加減で、さらにかなりの塩対応(数行のメールのみ)だった。しかも、問い合わせ窓口はメール(チャットを模したUI)のみで、レスも遅い。結果として解約のフローに手間取り、危うく無駄に1ヶ月分支払うことになるところだった。

どうしても大企業のカスタマーサポートと比較してしまうため、顧客体験としては「かなり悪い」と感じた。サービスの目指す理念も共感していたし、使っているときは満足していただけに、「最後はこの対応なの?」と非常に残念だった。次のニーズが発生したら、別のサービス(競合も増えている)を使おうと心に決めた。

また、一回契約して、数年使ったユーザーをフォローしておいて、良い印象を持ってもらったままニーズが発生したときに契約してもらう方が、理にかなうだろうとも思った。新規ユーザーの獲得コストも安くはいはずだし、おそらく継続率もそれなりにあると予測したからだ。事実、僕は2年程度で10万円近くを払った計算になる。

ただ、少し冷静になると「解約時を含めたCSにコストを割くことが、このスタートアップにとって果たして最適な投資なのか?」という問いが湧いてきた。ある特定のニーズに対応するサブスクだから、一度解約したユーザーに再びそのニーズが発生しないケースも多いだろう。資金などのリソースが潤沢なら、CSにコストを投下する一択なのだが、限られたリソースで戦うスタートアップの場合は、違うかもしれない。

CSにコストを投下しても、次のニーズが発生しないケースが大多数で、またニーズの再発生が数年後の場合は、CS含めフォローへの投資の優先順位を下げる選択肢はあり得る。数年後に収益が発生しても、現在の物価上昇の局面でみたら、正味現在価値が結構下がるだろう。であれば、まずは目先の新規ユーザーの獲得やサービスのブラッシュアップにコストを投下するべきという意思決定をするかもしれない。

そんなことを、もやもや考えいてると「確かに残念な気持ちになったが、この会社はこの会社で優先順位をつけて対応しているのか」そして「自分が優先順位が低いセグメントに位置づけられただけか」となんとなく心は穏やかになった。

まあ、感情論だけは別なので、やっぱり次回はこのサブスクは利用しないのだが。

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