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足元

電車に乗っている時間くらいは、動画を見ないで音楽に没頭しようとする。そんなとき、目線が行き場をなくしていることがある。スマホを触れば、文字が私の意識を蝕んでくる。だから鞄にしまって触れないようにする。結局目線が行き着くのは、2つくらいだ。

外の景色。葉の色が変わってきたなあとか、あんな建物あったっけとか、そんな感じだ。

靴観測。人の靴を見るのが楽しい。靴は、個性がめっちゃ出る気がする。又吉直樹も小説書くときに、人物がどんな靴を履いているかを決めるって言ってた。

靴の汚れ具合とか、履き潰し方とか、色とか、紐の結びとか。ズボンの丈と、靴下もみる。全体のコーディネートのたった少しの部分なのに、千差万別ですごく面白い。

スニーカーはナイキかニューバランス、ヴァンズ、アディダス、プーマ…がほとんどかな。スニーカーのブランドは決して多くないのに、どの靴もすごく個性的に見える。

スーツを着た人の革靴だって、ちょっとずつ違う。渋さとか、光り方みたいな印象が違う。クタクタの革靴を見ると、「お疲れさまです」って声をかけたくなる。

足元を見ただけで、どんな人かわかった気になってしまう。


あ、私は無印良品のグレーの靴下に、真っ黒なVANSのオールドスクールばっかり履いてる。私はどんなふうに映るだろう。