【響け!ユーフォニアム3】11話感想

久美麗ご褒美回&黒江真由との前哨戦の話

まずはコンクールの発表シーン。
全国行きが決まった瞬間、皆んなの喜び方が良かった。
久美子の安心&感動したような表情。
秀一の誇らしげな表情。
部員たちの弾けた笑顔。
特に求の表情が凄く良かった。

登校シーン。
葉月と緑が演奏前の演説を褒めてくれる。
1年生たちと合流。
佳穂、ペット・ユーフォソリが凄かったという純粋な感想。
サリー、久美子の代で全国金をとりたい宣言。
この言葉は嬉しかった。

さつき、美玲のW鈴木。
黒江真由のソリをめっちゃ褒める。
久美子の回想。
麗奈と真由の演奏を思い出す。
凄かったと認める反面、自分では無い事に改めてショックを受ける。
全国行きの嬉しさはあるけど、久美子個人としては悔しさが残る。
この一連のくだり、ユーフォ名物、久美子推しの視聴者を上げてから落としてくる。

久美子「真由ちゃんのおかげで全国行けたよ。」
真由「本当ににそう思ってる?」
ちょっと間をおいて「うん。」
久美子と真由の会話は常に探り合いというか、お互い建前と本心の狭間の会話が交わされる。
イチ視聴者としては、真由に対して、何でそんな事いうん!?と常々思うけど、それだけ久美子の建前が分かりやすくて隙が多いのかなぁと。それが魅力の一つであるけど。
真由も本能的に、久美子の建前の皮をペリペリってめくりたいのかもしれない。

職員室での滝先生との会話。
大学時代の事を話す滝昇。
久美子は、亡くなった彼女の事を知ってる数少ない1人ではあるけども、それにしても話してくれる。
最初はモチベーションを保てるか不安だった、と久美子には弱い所も見せる。
「石じゃない、人だよ」
これを久美子に伝えた意味は何だろう。
想像だけど、
「彼女の言葉を胸に刻んで、今まで教師・顧問をやって来た。
あなた達はそれに応えて立派に育ってくれている。」
滝先生なりの遠回しな感謝の言葉なのかもしれない。すごく不器用な人だと思った。
久美子も何かを感じ取っていた様子。

緑、合格祝いのシーン。
葉月「全国終わったらすぐ受験モードだよー」
久美子「それ言ったら進路も決まってないよー」
ここのやり取り、シンプルに可愛い。
麗奈のアメリカ留学を知る久美子。
帰りの電車で少し拗ねる久美子。
麗奈「それより久美子でしょ、本当にどうするつもりなの?」
久美子「別に良いよ話し逸らさなくても」
麗奈「逸らしてない」
ここの会話面白かった。
麗奈は、久美子の進路の事で頭がいっぱいなので、逸らしてないのである。
みぞれの音大の演奏会を行く事になる。

そして駅の階段下。
部長失格の発言を謝る麗奈。
麗奈「部長として何もしないのか、と突き放した自分が恥ずかしくなった。」
久美子「今の私があるのは、そのわがままのおかげだから。」
大好きのハグ。ふんふん言って促していた。
このシーンも言葉にならないくらい良かった。

全国金に向けて練習。
奏、久美子にソリを吹いて欲しいと、これまでになく真っ直ぐ伝えられる。
いつもの個人練。
麗奈に憧れ、追い付けるよう努力しているけど、その位置にいられていない自分を悟る。
ここで黒江真由、登場。
またソリを辞退したいと言う。
久美子「どうして?」
真由「ずっと言ってるよ?その方が部にとって良いから」
(ずっと言ってるのに、あなたは聞き入れてくれない。部長の立場としても都合が良いでしょ。に聞こえる。)
久美子「真由ちゃんがソリストに選ばれたのは今までの努力の証だよ。それを簡単に手放して良いの?」
間髪入れずに「良いよ全然」
真由「私は誰かが嫌な思いをしたり、辛い目にあったりするのが嫌なんだよ。」
久美子「だから、私は嫌な思いなんてしてないよ。」
また間髪入れずに「久美子ちゃんのためにそうしたいの」
そして畳み掛けてくる。
真由「何度も言ってるでしょ、私は。最後に高坂さんと一緒にソリを吹きたい。それが久美子ちゃんの本心でしょ。」
久美子「私の本心は公平にオーディションで競い合いたい。それが正しいと思って3年間頑張って来たから。」
真由「それは本心じゃないよ。本心じゃない。」
ここで立ち去る真由。
過去イチ、感情的に真由が踏み込んで来た。

盗み聞きしていた奏。
奏「同じ状況だったら本人に相談しますか?わざわざ何度も何度も同じ相手に同じ事を言いに来ますか?本当に辞退するつもりなら、そもそも話しになんかきたりしませんよ。
私がそうだったように。
黒江先輩はわざと言いに来ているんです。
久美子先輩に辞退して欲しい、ソリを譲って欲しい。そう言わせるために。」
ここの奏の言葉はマジで凄かった。
なるほど確かに、そうだなって。
真由は久美子の本心を久美子の口から直接聞きたいのだろう。
そうする事で自分の正当性を証明できるし、部内での自分の立場も良くなる。
久美子は真由のそういう利己的な部分を知って背筋がゾッとしたのだろう。
真由の好きな「合奏」というのは、人間関係のしがらみから解放された状態で演奏する事なのだと思う。
久美子は北宇治への想いが人一倍強いので、学年関係なく実力で選ばれるオーディション制を支持しており、その結果、泣く人が出るのも理解している。でも麗奈とソリをしたいというのは本心であり本当なので、真由はその隙を突いてくる。
久美子だって理想と現実の狭間で揺れる時がある。
それでも真由と正々堂々競い合いたい。

久美子、過去の真由との会話を走馬灯のように思い出す。
どこかで見て見ぬふりをしてる。
自分の過去と照らし合わせる。
そして黒江真由のわがままを知る。
久美子も何か分かったらしい。
12話で最終対決へ。

奏もここまでずっと我慢していて、でもオーディションまで時間も無いし、久美子もまだ迷っているのに気付いて、ここまで言ってくれたのだろう。
なんかもう最高の後輩過ぎて泣けてくる。
久美子もひと段落したら、めいいっぱい愛でてあげて欲しい。

演奏会前の姉とのシーン。
麻美子の前では妹口調になる。
なんとなく音大ではない事を伝える。
なんとなくが1番抗えないからね、と
答え方が凄く優しい姉。
そんな姉に部活の事を伝える。
次第に涙声になる。
学校でね、から始まりソリが移った事、上手くなって取り返したいけど、現状では難しい事を伝える。
この一連の演出はズルかった。
黒沢さん上手すぎませんか。
なんか分かる。
ずっと溜めていた感情を信頼できる友人とか家族に話した瞬間、ダムが決壊するように、一気に込み上げてくるあの現象。
というか今回は泣かせは無いと完全に油断してた。

なかよし川の姿を見て、卒業後の関係性に憧れる。
演奏会終わり、麗奈のキラキラした眼を見て、麗奈の未来の姿を想像する久美子。
みぞれの頑張るぞいを貰う麗奈、羨ましい。
みぞれにも音大のイメージは無い事をはっきり言われる。
帰り際、麗奈に音大では無い事を伝える。
綺麗な今の関係性のまま終わりにしたいと言いだす麗奈。
音楽という共通点が無くなり、次第に距離も離れていく。そんな関係になる前に区切りを付けたい。今の2人を残しておきたい。
麗奈が天然記念物並みにピュアピュアである事は分かった。
進路は違えど、特別な関係はずっと変わらない事を伝える久美子。
麗奈「じゃあ、もっと特別になってくる。」
全人類で高坂麗奈にしか言えない言葉。

11話は【くみれい】ご褒美回だった。
そして最後のオーディションへ。
果たして黒江真由との落とし所はどうなるのか。

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