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猿島という場所で

逗子に泊まりに行き、美味しいお魚とゆったり時間を満喫したのち、帰路、横須賀へ。
というのも、遺跡めぐりと軍港巡りのツアーがあると知ったからだ。

船の出る港には、新人さんめいた若き自衛隊員さんたちが、年嵩男性に連れられてぞろぞろ歩いている。
セーラー姿の一団もあれば、丈の短い詰襟の一団もある。
入隊してからの経年による違いだろうか。
米国軍基地もある。ちなみに地元の方は「ベース」という言葉をフツーに使う。
横須賀は、自衛隊と基地の街、という言葉が思い浮かぶ。

まずは船にのって軍港めぐり。
案内者は現役自衛隊員だ。
米軍、英国軍の軍船が停泊中だ。船はどれもグレー。海の色になじみやすいからだとか。つまりは「迷彩色」だ。
日本の自衛隊艦に比べて英国の船は、少し明るめのグレー。これはイギリスの海の色に合わせたものだそうだ。
案内人さんが、とまって「くれている」という表現をつかう。ちょっとモヤっとしてしまう。
また、当たり前なのだろうが、我らが自衛隊!!ビバ!みたいな意識がアナウンスの端々から伝わってくるのもちょっとモヤっとくる。

船の上は、案外風が冷たかったな。ひやっっ。
45分間のクルーズは、あっというまだった。
視線を他の戦艦に向ける。
イギリス船には英国軍の兵士がたまたま甲板に出ていて、こちらに手を振っている。
自衛隊艦上からも手をふる人がいる。

なんだか。なんだかモヤる。

うれしげに手を振りかえすのもなんだかなーと思ったり。
我らは観光客だし。気持ちはわかるかなーって思ったり。

船を降りてから、別の港にてくてく歩を進める。
次は「猿島」へ渡り遺跡巡りだ。

猿島は、明治、大正、昭和と三時代にわたり戦争のために使われた場所だそうだ。
ガイドさんによれば、わたしが認識した限りでは、明治、大正の時代は砲台は実際に使われたことがないとのことだったが、先の大戦では実際に使われたそうだ。
流暢にお話しくださるので、このかたは、軍隊や戦争に対して敬意をもっていて極端な表現を使うことをお許しいただければ「礼賛」派なのかなあなんて思っていた。

だがちょっとだけ思いを変えた。
先の大戦で使われた、とのくだりをガイドさんは「ざんねんなことに」と表現したからだ。なんだかほっとする。

島内は今は、コスプレピーポーの撮影に使われるスポットがあったり、少し前の昭和の時代には、TVの子供向け戦隊モノの撮影に使われたりもしたそうだ。
宮崎駿アニメのワンシーンに類似したエリアもあった。
宿泊はできないけれど、海岸沿いではBBQもできる。
いろんな楽しみ方もできる、猿島はいまや観光島なのだ。

遺跡めぐりはアップダウンもあって、へろへろしながらひーひー言いながら最後尾を歩いた。一緒のみなさまお待たせしました。
わお。そして、ジブン、よくがんばりました。笑

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