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やりがいだけしかない仕事~貧乏作家の懐事情~

先日の「ニース豪遊自己紹介(ナニソレ)」に、なんだか自分史上今まで見たこともないような数でスキが集まりまして、みなさま本当にありがとうございました!!
(本業noteより何倍もスキの集まりが早い!(笑))

現在クリエイターズフェス中で、たぶん新参に優しい世界になっているのではないかと解釈してみたのですが、ふと、もうひとつの可能性を思いつきました。

……さては、みんなもニース行きたいんじゃ……?(?)

文章を書かれるみなさん、その筆一本でニースに行けちゃったら最高ですよね☆
しかしながら、現実は厳しいということをまざまざと見せつけられた専業1年目でした。

ありがたいことに仕事をいただけない訳でもないんですが(ご縁のある版元さんはとってもよくして下さいます)、いかんせん、「本を1冊出すのにかかる時間」はおびただしく……。
「小説家ってとにかく物語を書けばいいんだよね。専業になれば1日8時間くらいかけちゃうってことじゃん、そうしたら10万字なんてあっという間じゃん、サイコー!」
と、のんきに思っておりましたが、実際はパソコンに向かってダダダダダっと文章を書くことよりも、ウンウン唸っていることの方が多いのが現状です。

企画、資料読み込み、必要なら取材、プロット組み立て、原稿直し、ゲラチェック、ほか様々な編集さんからの事務連絡返信……。しかも企画やらプロットは、なかなか一筋縄では通りません。
そんな「ダダダダダっ」以外の仕事が、「ダダダダダっ」の5倍以上時間がかかります。(とても作家の語彙力ではない)
あと、「少しでも売り上げに貢献せねば!」と、様々なSNSで宣伝活動をしたり、個人的に書店や図書館に殴りこんで営業活動もします。
営業、苦手な作家さんもいるかもですが、アポなしセールスなんかも死ぬほどやってた元金融のみなさんなら余裕ですよねぇ!?(誰に向かって話しているのやら)

そんなこんなで、わたしの場合ここまで少なくとも半年ほどはかかっているんですが、さらに追い打ちのように、原稿料は出版されたあと数か月後の支払いになっております。(わたしの場合、一部の仕事は中間にとある業者が入るので余計です)
つまり、お話をいただいてから、お金が入るまで、1年近くかかるわけですね。
そしてもちろん、昨今の出版不況&紙代の高騰では、百万二百万も一気に入るはずがありません。
そりゃー、コンビニで住民税を払うとき、「ふぐぅっ……」と変な声も出るわけです。

と。そんな感じで、最初の自己紹介に書いた「年収52万円」のからくりをご紹介させていただきました。

もちろん、お金以上のやりがいのある仕事だとは思います!
いろんな周囲の人に応援してもらえるし、見本誌が届いたときは感激するし、見ず知らずの人から「面白かった!」と言ってもらえることはとてもとても励みになるし……!
そもそも、「自分の本が本屋に並ぶ」なんて経験をさせてもらっただけでもう、本好き本屋好きとしては震えるほどの喜びを味わえますよね。
前職の最後、「わたしはなんでお客さんの得にもならないようなお願いセールスなんてしてるんだ……?」と良心の呵責にさいなまれながら仕事をしていたので、そこはもう雲泥の差ですね!(相当病んでた)

と、いうことで。
お金のことを考えると悩みは尽きませんが、幸いにも、退職金やら銀行員時代の蓄えやらがあるお陰でなんとか生活できております。
引き続き、いただけるおしごとは全力でこなしながら、
なんらかの方法でおこづかいを貯めてニースに行きたいです。
よろしくお願いしますっ!!!!!
(売れればいいだけの話なんですけどね!! がんばりたい!!)

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