あるスタートアップの資金繰りの実態:どこにでもありふれた地獄4

先日VCに出資を断られてから、早速アテのある他の会社に打ち合わせに行ってきた。その会社は上場会社で事業部以外に投資専門の子会社も持っている会社だ。半年前に投資の相談をしたところ「より低いバリュエーションでは検討できるので、もしどこからも調達できなかったらまた相談して」と言われていた会社だ。

売上等諸々の実績は半年前から着実に成長していたし、真剣に検討してくれたがやはり難しかった。その場で率直な返事をくれるあたりはさすが自身も起業家だと思う。
(スタートアップをやっていると、大企業(特にレガシーな企業)は本当にすごい態度の担当者が居たりする。起業の苦しみも起業家へのリスペクトもないそういった担当者は言葉の端々や態度から本当によくわかる)

午前中の打ち合わせでNGの結果を受け、当日アテのあったもう一社に連絡しついさっき打ち合わせをしてきた。
この担当者は前回のラウンドで投資をしてくれており、株主の中でも本当に何でも話せる担当者だ。事業の可能性を本当に信じてくれていて、その部分がこの地獄の中で何よりの支援だと思う。
90分の打ち合わせの末、担当者は検討してくれることを約束してくれた。本当に忙しい中当日呼び出し、重い相談をしたが「相談してくれて、声をかけてくれてありがとう」と言ってくれて、本当に感謝の思いしか出てこない。

もうこのラウンドのクローズまで時間もないし、既に投資を決めてくれている他の会社へのコミュニケーションの設計が大変だが、早くこの資金繰り地獄が終わるように、とにかく明日もやれることを一つ一つやっていくだけだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?