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ナショナル・シアター・ライブ『ベスト・オブ・エネミーズ』

ゴールデンウィークの夜に、なかなか攻めた内容の映画をやってるなーと思って観に行ってきました。

https://www.ntlive.jp/bestofenemies/

貴重な作品とあって、チケット代も3000円とお高めでしたが、初めて見る舞台の映像化作品は面白かったです。

◯イギリスの舞台の映像化


この「ナショナル・シアター・ライブ」は、ナショナル・シアターの中でも傑作舞台を厳選し、映像化するものだそうです。
2009年からスタートし、40カ国以上で上映される人気シリーズです。


◯ドキュメンタリー映画を基にしたドラマ


この『ベスト・オブ・エネミーズ』は、アメリカの1968年に放送された討論番組を基につくられた同名のドキュメンタリー映画から書き起こされた舞台です。

舞台でありながら、映像のように様々なニュース番組を切り取ったようなシーンがあったり、まるで編集が入ったかのような気持ちいいテンポが終始一貫していました。

◯当時はベトナム戦争下


当時のアメリカは、ベトナム戦争から10年以上が経過し、国民にストレスが溜まり政治的緊張感がありました。

舞台の中でも、シカゴで行われた民主党大会時の会場周囲でのデモ活動や警察の取り締まりが描かれており、社会情勢がかなり不安定なことがわかります。

◯コメンテーター2人の心理的な変化


物語は、選挙特番を大きく組めない最下位テレビ局だったABCが、今まで当たり前だった「ただ事実を放送する」という報道の常識を外し、共和党と民主党それぞれの代表としてあがったコメンテーター二人が、討論をするという討論番組を初めて行う様子を描いたものでした。

弱小テレビ局の新しい企画ということで、最初は軽い気持ちで出演を決めた2人でした。

しかし、回を重ねるにつれて、今までにない斬新な討論番組は、アメリカの人々の注目を集めて、ついには上位テレビ局を大きく突き放す視聴者数を獲得します。

この躍進の中で、出演者の2人は予想外の注目を浴びることにより、心理的に変化していきます。

テレビ局の人たちからは注目度の高さを伝えられることでプレッシャーを感じ、支持政党の議員からは激励をされて「討論に勝たねば」という気持ちが強くなる。

次第にお互いを憎む気持ちが強くなっていき、相手を貶めるための調査や準備をし、討論が過激になっていきます。

ここから、討論、テレビ、二大政党制が作り出す人々の変化の負の面があらわになっていることが学べました。

本来0か100かではないものも、二大政党を代表して、討論をするというときに、お互いが自分のスタンスを明確にしないといけないし、テレビという広く多様な層に届ける義務感から、単純化された強い言葉が使われる。

2人は、知識人としての評価を受けて、仕事のオファーがきたものの、過激な討論の様子は極めて下品な揚げ足取りの応酬になってしまっています。

そんなこわさを実感することができました。

◯テレビという媒体からモンスターが生まれる


舞台の終盤に、メディア評論家が登場し、この当時の以上な熱の高まりを振り返っていきます。

そこで、テレビによって、新たなキャラクターが生まれていき、今までになかった人の評価がつくられていき、最終的にモンスターが誕生すると言います。

これは現在で言えばトランプ元大統領を暗に示しているのかなーと思いつつ、テレビが普及してからの一貫した政治と報道の関係に一石を投じるものでした。

◯おわりに


この作品を観て、二項対立で会話をする難しさ、メディアリテラシーの大切さを感じました。

また、テレビ局の視聴率稼ぎのための政治特番ではなく、きちんと政党・政治家が何を訴えて、何をしようとしているのかを、少しは関心を持とうと思いました。

単純なエンタメ映画ばかり観ていますが、たまにはこういった社会的な作品を観て、考えるのも大事な時間ですね。

皆さんもぜひ。

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