真梨子に聞いてみた!「ストレングス・ファインダーは何が面白いの?」
前回のMBTIに続いて、今回はストレングス・ファインダー!Gallup認定ストレングスコーチの資格を取得し、コーチングや企業研修などで活用している岡本真梨子(まりこ)に、大塚万紀子(まっきー)がその面白さや奥深さについて聞いてみました!
左:大塚万紀子(聞いた人)/右:岡本真梨子(聞かれた人)
(コロナ前の写真。マスク無し懐かしい!)
Q.なんでストレングス・ファインダーの資格を取ろうと思ったの?
万紀子)
心理学のスペシャリストのまりこが、なぜわざわざこの資格を取ったの?
真梨子)
以前心理学の研究機関にいて、ガチの心理検査を作って実施して実施方法を人に教えて・・・ってのをしてたのは、まっきーご存じの通りなのだけど。
そういう心理検査って、治療や療育目的でしか使ってはいけないんだよね。社会生活に具体的な問題が起きている人の、ケアのてがかりとして受けるものだから。だから例えば、普通に生活して働いている方が、「自分も自己理解のために何か検査を受けたい」と思ったとしても、簡単には受けられない。
万紀子)
あ~わかるなぁ。私も普通に生活して働いているけれど、やっぱり気持ちの上下はあるし、思いのほか落ち込んだりして「私、大丈夫かな・・・」って不安になるときがあるもの。
真梨子)
そうなんだよね。いわゆる健康な人であっても、自分のことを知るための科学的なてがかりを持っておくと、だいぶ生きるのが楽になる。これは、研究や臨床の経験からも知っていて。
でも、一般社会でライトに手に入れられるものって、ちゃんとしたエビデンスのないものばかりだったり、人の集団的コントロールを目的として作られたものだったり、なのも知っていて。
より楽に生きるために、自分らしく生きるために、何らかのてがかりはあったほうがいい。でも、一般的に気軽に利用できるものがない。ここにジレンマを感じてたのね。
万紀子)
まりこはいつも「より楽に生きる」っていうよね。手を抜く、という楽ではなくて、肩ひじ張らず、無理せず、生きるって解釈してる!
真梨子)
そうなんだよ~それはとても大切だと思ってる。その人らしく、何か違うものになろうとせず、無理せずに、幸せに生きるという意味でね。
私もさ、経営に関わりだしたときに、元気に働いていたのだけど、やっぱり色々な壁にぶつかったんだよね。「この仕事は得意だけどあんまり好きじゃない・・・のはわがまま?」「私だけ全然眠れないくらい忙しい!なんで?」「こういう場は得意じゃない、でもなんであの人は平気なんだろう・・・」って。
そういうときに、自分がストレングス・ファインダーの研修を受ける機会があって。誰でもオンラインで45分あれば受けられる気軽さ、科学的な根拠、自己理解の促進、そして具体的な行動変容まで落とし込める、がそろっているツールだった。で、「こりゃいいや!」と思ったのね。
当時経営に関わっていた会社でも、全員でストレングス・ファインダーを受けて、研修をして、日々のマネジメントにも使い、人事制度にも組み込んで評価にも使ってて。ストレングス・ファインダーについては、素人だけれどすごく詳しい人、なぜなら心理学出身×人事出身なので、という感じで、全部作ったのね。
万紀子)
そんなにしっかり取り組んでたのね!素人なのに、プロみたい(笑)
真梨子)
まさにそんな感じ(笑)
で、自分が独立したときに、資格として武器になるものがあるといいな、と思って。私は確かに心理学の専門知識や経験はあるけれど、わかりやすい肩書がなかったから、ひとつ名乗れるものがほしいな、という気持ちもあったんだよね。ストレングスコーチの先輩に、「そんだけ詳しくて実務に活用してるんだから、いい加減に資格とったら!」と言われたのもありまして(笑)
Q.そもそもストレングス・ファインダーってなんなの?
真梨子)
ここは大切なところだから、真面目に説明するね!
ストレングス・ファインダー(※以下CSF)は、人の「自然な思考・行動のパターン」の傾向を把握し、その人が本来得意とすることを最大限発揮する=潜在能力を強みとして発揮するために使う、アセスメントです。(※今は、クリフトンストレングス・テストという名称に変更になったけど、馴染みがあるので、ストレングス・ファインダー=CSFと呼ぶね!)
アメリカの大手マーケティング会社のGallup社が、世界中のビジネスパーソンの調査を行ううちに見い出した、「成功している人は、自分の自然な思考・行動のパターンを意識して使い、強みとして発揮している」という共通点を元に、心理学者のドン・クリフトンが開発したものなのね。
成功しているビジネスパーソンの思考・行動パターンを分類していくと、5000くらいのパターン(これを「才能」と呼ぶ)があるとわかり、さらにそれが34の因子(これを「資質」と呼ぶ)に分類されたのね。で、CSFを受検すると、一人ひとりのこの34資質の傾向が、1~34位の順番でわかります。
万紀子)
34って結構多いよね!見ごたえ・読みごたえ・知りごたえがある!
真梨子)
「収集心」1位のまっきーにはうってつけだよね(笑)でも全部詳しくわかる必要はないの~。とにかく自分の上位資質を知っておけばいいの!
上位資質(1~10位くらい)は、普段自分が無意識にとっている思考や行動の度合いが非常に高いもの、つまりその人の個性そのもの。一方、下位資質になればなるほど、「自然にはそういう思考や行動はとらない」というものになります。パフォーマンスも幸福度も高い人は、上位資質を強みとして発揮している。なので、「どうやって上位の資質を強みとして使うか」=「他の誰でもない”自分”になるか」、ってことを考えていくための切り口なのね。
ちなみに、心理学のマニアックな観点で言うと、大手マーケティング会社が膨大なリサーチ結果をもとに作っているので、なんせデータの説得力ががすごい(笑)。心理検査作るときに一番苦労するのは、被験者を集めることなのだけど(統計学上はサンプルは2000件以上あれば有意性が証明されるけどこれを集めるのが大変!)、なんせ数千万人のデータがあるので、非常に信頼性が高いなぁと思ってます。資格取得後に配付される研究統計レポート(全文英語)が早く読みたくて、和訳ソフトにかけたよね(笑)
Q.ストレングス・ファインダーの面白さって何?
万紀子)
CSFの面白さって、たくさんあると思うんだけれど、まりことしてはどこを推す?
真梨子)
「推す」って!(笑)
CSFは、自然な行動と思考のパターンの傾向を見るツールなので、資質は上位にいけばいくほど、誰でも無意識に普段から「自然なこと」としてやっている。自然なことすぎて、皆さん案外それに気づいておられないので、受検後にコーチングや研修で深めていくと、めちゃくちゃびっくりされるのが面白いな(笑)。まっきーも、「ひゃー!なるほど!」ってよく言ってたよね!
上位資質って、よく”鼻筋”に喩えるんだけど、「他者から見たらめっちゃ特徴的で、いつもそこにあり、その人の印象を決定づけるもの」なのに、本人には「当たり前すぎて見えない、気づかない、意識していないもの」。それを知って武器にしていくというプロセスがすごく面白いよ。
万紀子)
私、ダイナミクスが面白いと思ってて。例えば私の1位の資質は収集心だけど、それだけだと「とにかく集めたい人」。そこに2位の戦略性が入ることで、集めた情報をどう自然に活かしているか、どう取捨選択してゴールまでの道筋のために使っているか、がイメージできる。一義的な意味にとどまらずに、味わい深さが増す感覚があるんだよね。
レッテル張りじゃなくて、資質の掛け合わせによって表出の仕方がたくさんある。資質のダイナミクスが、シーンによってバリエーションに富んでるもの面白い。知るたびに、自分っておもしろいな~!って思うな。
例えば、私がMBTIを自分が受けたこともないのに、資格を取りに行ったのも、自分の「収集心」「戦略性」「活発性」「学習欲」あたりがさせた行動だと思う(笑)
真梨子)
あと、ああこれは良いな、と最初に思ったのは、「良い・悪い」というジャッジがないところ。
万紀子)
ああ、それはMBTIも同じだ!
良し悪しや優劣を決めるものほど、浅くて面白くないものはないよね(苦笑)
真梨子)
ほんとそうなのよ!(苦笑)
人の行動や思考は、基本的に、人や社会を病ませるもの・害を与えるもの以外は、良し悪しはないんだよね。人間がある行動をなぜ取るのかを科学的に解明するのが心理学であって、そこにそもそも優劣や善悪のジャッジはない。
でも、一般的に売られている、パフォーマンスやコンピテンシーにかかわるアセスメントは、「こういう思考をし、こういう行動をとる人が『優れた人』だ」という前提で使われるようになっているものが多いのよね。一般社会では、あるいは組織では、そういうツールを使った結果、「あなたはここが足りないから鍛えなさい、伸ばしなさい」と言われるのが常。その考え方は、心理学的な見地からすると真逆で、私は大嫌いなんだわ(笑)。人間をロボットにしたいんか?!って思う。
万紀子)
決めつけられるっていやだよね。MBTIのときにも触れたけれど、「心は成長したがっている」わけで、当然進化するかもしれない、変化があるかもしれない。
そういう可能性、余地を私は残しておきたいな~!良し悪しでなくて。
真梨子)
その点、CSFは、単なる傾向の強さを見ているだけで、良し悪しは測っていない。良し悪しが問われるのは、資質の発揮の仕方、使い方だけなのね。
例えば、よく切れる包丁と同じで、それを使って素晴らしい料理を作るのか、やたらと振りかざして人を傷つけるのか。包丁そのものに良し悪しはない、使い方次第だよ、というのがすごくいいところ。全然切れない包丁で無理に料理をしても、時間もかかるし美しくも美味しくもない。じゃあ自分が無意識に持って使っている「すごくよく切れる包丁」は何なのか?それをどう使うと自分にも他人にも良いのか?というのを見つけに行くのがCSFなのね。
なので、コーチングや研修で深めていくと、皆さんご自分のことをすごく好きになっていかれるし、私なんか、一人ひとりの才能があまりに素晴らしいので、いちいち感動しちゃって、やればやるほどに、「人・間・賛・歌ッ!」って感じになる(笑)
万紀子)
たしかにね~~~!!
自分自身のより素敵な使い方・活かし方がわかるってことだね!
Q.わたしたちの資質の違いって?
万紀子)
私たち、資質のTOP10がよく似ているのよねー。
真梨子)
ひくほどね~(笑)。行動のパターンや思考のスピードなども似ていて、阿吽な感じ。具体的には、戦略性、着想、活発性、達成欲、自己確信、内省あたりだよね。
万紀子)
何か企画して具体的に進めていくときの、着想→戦略性→活発性→達成欲の流れもね…(あきれ顔)
真梨子)
そうそう。めっちゃアイデア出す→実現化の道筋を描いて1つに絞り込む→はいすぐ始めよう!→はいちゃっちゃと終わらせよう!!Done!っていうスピードと前のめり具合が同じすぎる(笑)
↑スピードと前のめり具合が似ている2人↑
万紀子)
でも、違うところもあるよね~。
真梨子)
まっきーの上位資質の「収集心」「学習欲」は、私は中位資質なんだけど、ここは違うな~、とよく思うよ!うちら同じヲタクなんだけれど、ヲタ活の進め方の違いに如実に出てる(笑)
万紀子)
え!どういうこと?(笑)
真梨子)
まっきーは、まだ自分が知らないもので、明らかにハマる匂いがするもの、に出会ったとき、そのあと自分がどういう情報収集の動きをしてしまうかが、よくわかってるよね(笑)「あぁ、この沼は・・・ダメなんだよ・・・私、行っちゃう気がする!」・・・の、行く幅と深さと速さが!
散弾銃で打ってる感じ?一網打尽に、一瞬で、広範囲に爆撃していく感じがさ(笑)。縦と横、幅と深さと。あーーまっきー、全方位いったな・・・って薄目で見てる(笑)。
ヲタ活以外でも、興味を持ったものへの挑み方が、自分と違って面白いのよ~。
↑一気呵成になんでも吸い込むまっきーの図↑
万紀子)
「個別化」「親密性」、これはまりこは上位で私は下位なんだよね。
真梨子)
私はこの2つでヲタ活してる感じなのね。あとは、人との関係性の築き方も。ここはまっきーと違うところかな。
一人ひとりと、他の人とではない唯一無二の関係性を深く築きたいし、その人にしかないなにか、その人独特の個性やキャラクター、他者との「違い」に惹かれるのよね。あと、ここに1位の「着想」がダイナミクスとしてかかると、とにかく変わったこと・マイノリティに惹かれ、深い関係になりやすいという傾向があるのよねぇ。狭く深いヲタク沼にハマっていくのも、これだわ(笑)
万紀子)
私もその傾向はあるよ?
真梨子)
うん。まっきーの場合は、それが純粋な知的好奇心で惹かれている気がするのよね。知りたい!わくわく!っていう。突き動かされている原動力の違い、じゃないかな~?
万紀子)
あーーーなるほど。私の場合はまず「知りたい」し、「知られることによる快感」も知っているので、知りたがりまくるのは害ではないと思ってるわ(笑)
でも、相手を「良くしてあげたい」という思いはそんな強く持ってないんだよね~。「もっとこうなったらこんな世界が広がるんじゃない~?」を話すのは好き。でも、「今向き合っているこの課題をなんとか・・・」みたいなのはあまり自然には、しないな。
真梨子)
私にとっては、知ることは手段であって、目的ではないんだよね。多分そこの違いかも!
極論、言葉すら交わさなくても、「あなたがこういう人である、ということを誰よりも深く理解している」という状態を手に入れられ、相手にそのことが伝われば、それでいいのよね。そこがきっかけで、相手が楽になってくれればいい。なので、その状態を手に入れるために問うし、聴くし、自己開示もする。
自己開示をしないと、相手も簡単には心を開いてくれない。私は、本当に深くてオンリーワンな関係性を築きたいから、すぐに自己開示をしちゃう(笑)。でも、そのモードが作動する人は厳選されている感じ。誰でも良いわけではない。ここが、「親密性」の高さに出ていると思うな。
↑何に対しても、狭く深くユニークな関係性を築きたいまりこ↑
Q.ストレングス・ファインダーはどういう人に向いてる?受けてほしい?
真梨子)
まずは、自分なんて特段たいした才能もない、自分の良さがわからなくて自信がない、という人に受けてもらいたいなぁ。こういう方は、自分の上位資質、自分固有の才能に気づいていない場合が殆どなので、気づいてもらうだけで劇的に楽になると思います。
先日クライアントに、「ここ2年で地の底まで落ちた自己肯定感が、3回のストレングス・コーチングで劇的にV字回復しました!」って言われてめちゃくちゃ嬉しかった!(笑)
あと、いつも同じパターンで辛い思いをしている、という人にもおすすめです。「私いつもこんな目に遭ってしまう」「こういう局面でいつもうまくいかない」という方、結構いらっしゃるのですよ。こういう方は、さっきの包丁の例でいくと、よく切れる包丁をぶんぶん振り回して自分と他者を傷だらけにしている場合が殆どなので、そこに気づいて、「包丁の良い使い方」という具体的な行動レベルに落としこんでいくと、そのパターンからググっと抜け出せます。
万紀子)
まりこの話してくれたことと重なるところがあるけれど、自分の欠点探しばかりしてしまう人にはやっぱりおすすめかな。
どうしても減点主義の社会だと「できないところをできるようになるために努力しよう」ってなるんだけれど、上手にできるところ・力を抜いても自然に動ける部分を最大限活かしたほうが効率的だと思う。
そういう意味で、下位資質については、よい手放しができるきっかけになるんではないかな、と思います!
Q.どういう場面で活用すると効果的?
真梨子)
2つあって、1つ目はまず、自分自身を深く知りたい、という何かのきっかけがあったとき。オンライン受検なんですが、おすすめの受け方は、お風呂上がりでリラックスした状態で、お気に入りの部屋着を着て、好きな飲み物を片手に受けるというもの(笑)。その結果をもとに、日常生活で自分の強みを活かしていくために、ぜひコーチングもうけてもらいたいです!自己理解が10段階くらい深まるかなと。
もう1つ、ぜひおすすめなのが、チームのパフォーマンスを最大化するために使うというもの。なんだかいまいち成果が上がらないというチームのテコ入れや、異動や新規メンバー参入などでこれからチームづくりをする段階、新規プロジェクトチームの立ち上げ時などに、うってつけです。
チームセッションというやり方なのだけど、一人ひとりの資質の違いを知って、チーム内でどうその資質を発揮していくと良い補完関係や加速関係になれるのか、パフォーマンスが出るのか、というのを、メンバー全員で考えていきます。
高い成果を出すチームは、全員が同じタイプのロボットなのではなく、唯一無二の個性を持った個人が、それぞれの強みを発揮して、お互いに補完・加速しあっているチームなんだよね。まさに、MBTIでチームの土台を作った上で、具体的にどういう行動に落とし込んでいくと成果がでるのかというのを考えていくために使ってほしいです!
万紀子)
MBTIもCSFも、もちろん他の診断ツールも含めて、いろんな角度から自分のことを見つめてみると、新しい自分に出会えたり、今まで付き合ってきた自分をさらに好きになれたりすると思います!
ぜひ、たくさんの人に受けてもらえたら嬉しいな~!
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