【硬式テニス】「練習でできないことは本番で使えない」との向き合い方【持論的コラム1】

テニス歴1年のおっさんがテニスをしていく中で得たなんとなくの持論をコラム形式で書いてみた記事です。今回は「練習でできないことは本番で使えない」という言葉に我々のような社会人スポーツ趣味のおじさんたちがどのように向き合うか考をえてみました。


「練習でできないことは本番で使えない」スポーツをある程度真面目にやっていれば1度は聞いた事のある言葉ですね。私自身も練習中は常にこの言葉を意識しています。

これは主にテストで点数を取るタイプの勉強にも当てはまることで、大学受験の勉強において模試や赤本で問題を解く時は、単純に結果として出てくる点数よりも、自分が自信を持って理屈立てて出した解答と模範解答があっている問題だけを正とした点数を追っていくことで地に足のついた学力を身につけることができました。

私は現在硬式テニスにおいて、草トーのオープンカテゴリで優勝することを目標にして日々練習しています。

実際、昼に働く会社員としては比較的練習時間を確保している方だと自負しておりますが、やはり時間と金は有限。基礎練習の多くはショートラリー・ボレーボレー・ストレートラリー・クロスラリー・ボレスト・サーブリターンで、試合形式のゲームに時間を費やします。

もちろん、それ自体練習になっているのですが、これらの練習は相手がいる以上、こちらのプレーにはある程度のクオリティと気遣いが要求されます。そのため、例えばラリー中はなるべくフォアハンドで打てるポジションを取り、ミスをしない範囲での出力で打つようになり、フォアハンドとバックハンドのクオリティに大きな差がついてしまう。

それゆえ、私のように社会人からテニスを始めたプレイヤーの多くはそれぞれのプレーに対してオールラウンドに成長していくよりも、得意なプレーと苦手なプレーのステータスが著しく偏る傾向にあるような気がします。

逆にジュニア時代のテニススクールや高校・大学の部活で真面目に部活に打ち込んできたプレイヤーはその人なりに得意・苦手はありつつも、基本的にフォアもバックも強いストロークでの打ち合いが可能で、チャンスボールを叩けるし、ボレーもできる。その上でコートカバーリング・パワー・コントロールのステータスに振れ幅が生じるイメージです。

相生学院テニス部の1週間~35年で辿り着いた練習プログラム~」を見て考えた事として、テニススクールの集団レッスンとテニスベアの練習会をベースにテニスを磨こうとすると、明らかに球出し練習が足りません。

人によって成長のイメージは異なりますが、私の場合は

  1. 頭で理論を理解する

  2. 体を使ってやってみる(もちろんうまくいかない)

  3. 成功体験を得るまでやってみる(うまくいったことがある)

  4. 成功体験によって感覚をつかむ(頭ではうまく行く条件が理解できている)

  5. 条件が整えば当たり前にできる状態になる

  6. ランダムな条件下でも引き出せるようになる

という形でプレーが身についていきます。[6]が本番で使える状態だとしたときに、[2]~[4]に至るために必要なのが球出し練習。[5]の状態がラリー練習で積極的に使える状態ですね。

プライベートレッスンにゴッツリ時間と金を使えない社会人が「練習でできないことは本番で使えない」なんて言ってたら、本番でできることなんて「フォアハンドで得意なコースにきたボールをシバく」くらいになっちゃうんですよ。


さて前置きが長くなりましたが、ここで本題です。「練習でできないことは本番で使えない」と言いますが、この一文をマトリョーシカしていきましょう。

  1. 球出し練習でできないことはラリー練習でできない

  2. ラリー練習でできない事は形式練習でできない

  3. 形式練習でできない事は練習試合でできない

  4. 練習試合でできない事は本番の試合でもできない

「練習でできないことは本番で使えない」を分解すると、

  1. 球出し練習

  2. ラリー練習

  3. 形式練習

  4. 練習試合

  5. 本番の試合

5つの登場人物が現れました。

技術を身につけるのに必要な条件が「質」×「量」と仮定したときに、「球出し練習」の時間を多く取れず、「ラリー練習」や「形式練習」では練習相手にある程度気を使う必要がある事を考えると、「4.練習試合」を通して適度な緊張感による質の高いシチュエーションを担保しつつ必要な技術を繰り返し使ってみるのが上達への近道なのかなと思います。

ここで注目したいのが「本番の試合」とはなんなのかについてです。

冒頭でも述べたように、今私は草トーのオープンカテゴリで優勝することを目標にテニスをしています。であればオープンカテゴリの草トーを本番と呼ぶのでしょうか。

それこそ学生の試合であれば、中学3年間・高校3年間・大学4年間という制限があるものの、草トーのオープンカテゴリは毎年開催されるし年齢制限もありません。体が動く限りは永遠に参加できるわけですね。

なので、趣味おっさんプレイヤーにとってはエントリーする全ての試合が「本番」と「練習試合」のグラデーションとなっておりますが、どちらかというとそのグラデーションの中で「ステップアップするための練習試合」の意味合いを強く持つことが重要なのかなと思います。

試合に出場するたびに成長を繰り返しているうちに「本番の試合」が攻略されている結果が訪れることを期待して、試合において必要な技術を試合中に身につけ続けるのが我々おっさんプレイヤーの成長曲線を鋭くする方法かもしれないと思い、実践しています。

これが私の考える「練習でできないことは本番で使えない」という言葉との向き合い方です。

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