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硬式テニスの草トー初級で勝ち抜くための戦略と必要な技術

2023年3月から硬式テニスを始めて、草トーシングルスの超初級・初級・初中級・中級までそれぞれ優勝してきたなかで、ざっくり中級よりも下のランクの試合と中上級以上のランクでは必要な技術と勝ち抜くための戦略が全く違うことに気づきました。

また、近頃ビギナー向けの試合で勝つ方法やトレーニングについての質問を受ける機会が増えたのでここに記します。

上級者にアドバイスをもらっても、彼らからすると超初級〜初中級のプレイヤーなどはそもそも考えて倒すような相手ですらないわけなので、あまり参考になる意見を得ることができません。実際にそのレベルの試合を直近経験してきた内容が役に立つ人の方が多いのではないかと思います。

そんなわけでこの記事は草トーの超初級〜初中級くらいの試合で優勝を目指す人に向けた内容です。

  1. テニスの草トー超初級〜初中級くらいで勝つための戦略

  2. 必要な技術とメンタルを身につける方法

に分けて解説します。


草トー超初級~初中級で勝つための戦略

プレイスタイルはシコラーベースがおすすめ

テニスの戦略というかプレイスタイルを調べてみると

  1. オールラウンダー

  2. サーブ&ボレーヤー

  3. カウンターパンチャー

  4. アグレッシブベースライナー

の4種類に分類されると出てきますが、超初級〜初中級の段階でプレイスタイルがここまで確立している人はいません。

ということで、基本的に中級レベルまでのテニスプレイヤーはもっと大まかに

  1. シコラー(ミスを減らしてボールを拾いまくる守りのテニス)

  2. バコラー(ミスを恐れず強く打ちまくる攻めのテニス)

の2択となります。私がこれまで戦ってきた中、見てきた中では、初中級までの試合においては圧倒的にシコラー寄りのプレイヤーの勝率が高く見えています。

超初級・初級・初中級のプレイヤーは攻撃力という面ではあまり能力値が変わらず、いかにミスをせずにラリーを続けるかの戦いになります。

なので、初中級レベルまでの試合で勝ちたいのであればシコラーをベースとしたプレイスタイルをおすすめします。

私の現時点におけるプレイスタイルは変則型のトップスピンシコラーって感じで、チャンスボールを叩きつつ、ニュートラルは高く跳ねる深いボールを意識しながらトップスピン。サーブアンドボレーやドロップショットを使って相手にプレッシャーをかけながらミスを待つスタイルです。

ファーストサーブは70%以上入れたい

初中級レベルまでの試合で勝つためには、普段の練習から威力のあるファーストサーブの練習をする必要は無く、70%以上の確率で入るくらいで最大限出せる威力を追求する形を目指しましょう。

優先度は70%の確率>威力 です。試合でのダブルフォルトは1試合で1回以下にします。セカンドサーブは叩かれるので、そもそもセカンドサーブを打たないで良いようなファーストサーブを目指しましょう。

エースを取れなくてもいいし、相手を崩せなくてもいい。とにかくリターンエースを取られない程度の威力とコントロールで70%以上入るファーストサーブを打ちます。

初中級適正レベルの相手の多くはエースを取れない威力のファースト率が50%以下で、尚且つ1試合に2回以上のダブルフォルトをしてくれます。

実際に自分の試合を振り返ってみると、サービスゲームの取得率とリターンゲームの取得率で言えばリターンゲームの方が実は取得率が高いプレイヤーも多いはずです。

なので、サーブは基本的に相手が攻められない程度の威力でしっかり入れる事を意識すると勝ちにつながります。

ラリーは基本的に相手のバックハンドに深く

基本的なプレイスタイルはシコラー寄り。尚且つサーブは威力よりも確率を重視。シコラーとはいえ、ミスを減らす方向がベースというだけで、ニュートラルなラリーをただ返すだけのプレイにしていては勝てるものも勝てません。

そんなわけで、できる限りニュートラルなラリーは相手のバックハンドに深く返すことを意識しましょう。

強い球でなくても大丈夫です。とにかく深さが重要。ラリーの優先度は

ミスをしない>深いボールを打つ>コースをバックハンド側に

です。

初中級レベルまでだとバックハンドが得意なプレイヤーはほとんどいないので、深いボールをバックハンドに打っていれば基本的には甘いボールが返ってくるか相手が勝手にミスしてくれます。

また、ボールはとにかく深さを意識してください。浅いボールは叩かれるのが面倒というのもありますが、ドロップショットやショートクロスも打ちやすく、浅く浮いた球を上げた時点でそれもミスにカウントしていいかもしれません。

攻めの基本はボレー

相手のバックハンドのレベルを確認し、深いボールをうまく返せないようでしたら、ニュートラルのストロークで相手のバックハンド側に深い球が入ったら前に出てオープンコートにボレーを打ちましょう。

この攻めはボレー1撃で決める必要はなく、相手に「前もあるぞ」と意識付けることが目的です。

全く攻め気の無いシコラープレイは相手もミスをしなければ良いだけ状態になり、その状態になるとスタミナを削ることすらできなくなります。

なので、シコラースタイルは「繋ぐだけの甘い球を打てば決められる」というプレッシャーをかけながら戦うことがセットになります。

ただし、浅いチャンスボールをグラウンドストロークで叩くという技術がそもそも難易度の高いものなので、プレッシャーをかける攻めはボレーが一番簡単な方法だと思います。

相手のスーパーショットを気にしない

試合中に相手がナイスショットでポイントを奪ってくることがしばしばあると思います。しかし、相手も所詮は超初級〜初中級レベル。こちらがチャンスボールを与え続けない限り、スーパーショットは続きません。

ベースラインから打たれたスーパーショットは全く気にせず相手に拍手してあげましょう。初中級レベルでそのようなプレイを続けていれば、必然相手のミスが増えてきます。

逆に、自分のスーパーショットに浮かれないことも重要です。運よく打てたナイスショットをまた打とうとして失敗し、結果的に失点が多くなっては目も当てられません。

そもそもこちらが守りを固めている状態である程度深さのあるボールで安定してエースを取ってくる相手は初中級以下適正レベルではないので、当たったら運が悪かったと思って諦めましょう。

スタミナ切れを起こさない

シコラースタイルのゲームはどうしても1試合が長くなります。そこで、スタミナ切れを起こさないようにしましょう。「スタミナ切れを起こさないようにしよう」と言っても、そもそもの体力が無いと難しい話なので、スタミナを切らさないための方法は次の項目でお話しします。

草トー超初級~初中級で勝つための技術とメンタルを身につける方法

上記の戦略をこなすために必要な技術とメンタルを身につける方法について解説しましょう。

  1. 70%以上入り、相手に叩かれないファーストサーブ

  2. ニュートラルのラリーで基本的にミスをしない技術

  3. 相手の強いボールをとにかく返すフットワーク

  4. 超簡単なボレーをオープンコートに打つ技術

  5. スタミナ切れを起こさない体力とメンタル

  6. 試合でもラケットをしっかりと振れるメンタル

ざっくりとこんなもんでしょうか。逆に、あったら嬉しいけどこのレベルで勝つために必要無い技術としては

  1. 相手からサービスエースを取れる威力のあるサーブ

  2. 強いボールで打ち勝つストローク

  3. チャンスボールを安定して叩ける技術

  4. サーブ&ボレー

あたりでしょうか。特に強いサーブと強いストロークは必要ありません。チャンスボールを安定して叩ける技術は中級以上の試合で必要になりますが、初中級適正レベルまでは無くても勝てます。

さて、必要な技術を身につけるために普段の練習や試合でどのようにトレーニングしていくかを考えていきましょう。

1. 70%以上入り、相手に叩かれないファーストサーブ

70%以上入り、相手に叩かれないファーストサーブを身につける方法としては、普段のスクールの練習等でまずはこの数値を目標としつつ、素晴らしいセカンドサーブ習得を意識しましょう。

上級者やスクールのコーチなどに話を聞くと「ファーストサーブとセカンドサーブはラケットスイングスピードを変えずに回転量をコントロールするのだ」と言われますが、超初級〜初中級の試合に出るレベルでそんなコントロールできる人はいません

なので、身につけたいサーブは多少スピードのあるトップスライスサーブに絞ります。トップスライスサーブは、スライスサーブほどスピードが出ずスピンサーブほど跳ねないが、習得難易度が低くとにかく叩かれない程度のサーブを安定して入れることを目的とするのであれば最も優れたサーブなのかなと思っています。

トップスライスの打ち方はこちらの動画が非常に参考になるので、ご覧ください。

私はスピンサーブの練習をしている途中、しっかりと縦軸に回転するサーブを打てず、スライスサーブとスピンサーブの間のような回転がかかったサーブを打っていたら、意外とコントロールがしやすくて便利な事に気付いたところから、しばらくトップスライスサーブをファースト・セカンド共に打っていました。

とにかく試合でも練習でも、自分のサーブが入る確率を正確に確認しながらプレイしましょう。ここの「正確に」がポイントです。「なんとなく半分くらい入った気がする」ではなく、動画に残す or 数字をしっかりカウントして、70%以上を目指しましょう。

試合振り返りシート(シングル中上級)

私の場合はこのような形で、ファーストサーブの確率とファーストサーブが入った時の得点率を出しています。

この試合を見てみると、中上級以上では入れることを優先したファーストサーブが通用しなくなっており、スピード・コース・スピンのいずれかを強化する必要があることがわかりますね。

このように、基本的な方向性に対してどのようなサーブを打つべきかを考えていきます。

2. ニュートラルのラリーで基本的にミスをしない技術

続いて、ニュートラルのラリーで基本的にミスをしない技術です。ここで重要なのは、「試合になるととにかく入れていくスタイルに変わる」のではなく、普段の練習のラリーや球出し練習でも、自分がミスして終わらないようにする事。球出し練習においてはそもそも「球出しの球をミスしているようでは試合で使える技術では無い」くらいの考えでニュートラルラリーを練習すると良いでしょう。

ただ、ミスらないことを一生続けていくわけにはいかないので、自分が球を打つときに、ニュートラルなラリーの練習をしているのか、攻めの練習をしているのかを意識してください。

ニュートラルなラリーはとにかく深く、ミスをしないこと。シングルスプレイヤーであればアレーに打たないこと。相手の打った浅いボールを2バウンドせずに打つこと。

攻めの練習であれば、現時点の自分は攻めのボールを打つときにどの程度ミスをするのか把握しつつ練習することを意識しましょう。

また、メンタル的な話ですが、ニュートラル・攻めのボールいずれにせよ、ラリー中に往復カウントをしていると私の場合ミスが減ります。

通常のラリー練習でも10往復したらニュートラルラリーから攻撃的なラリーに切り替える。基本はニュートラルだけど浅いボールが来たら叩く。相手のボールがサイドアウトした場合はアングルショットを打ってみる。

このような形で考えながらラリー練習をすることで、ニュートラルラリーでミスをしない技術が身に付きます。


ここまではニュートラルラリーの身につけ方についてですが、シンプルにミスが少ないストロークをパーツ別に話すと

  1. 基本的にはトップスピンでネットの高いところを通す

  2. 打ったボールが相手コートに入るかどうかは気にせず次の準備を始める

  3. ラケットを早く引く

  4. フットワークは大きく近づいて小さくまとめる

この辺を意識すると良いのかなと思います。

3. 相手の強いボールをとにかく返すフットワーク

これは守りの話ですね。「相手の強いボールをとにかく返すフットワーク」に関しては、技術というよりも前準備とフットワークです。

とにかく浅くて浮いたボールを打たないことが重要なのですが、もし打ってしまった場合や相手が攻めてきた場合は、なんとかボールをキャッチして相手のコートに入れましょう。

結果的に決められてしまっても、相手からすれば本来1発で決まるはずのボールが2~3発打たされる時点でプレッシャーがかかりますし、より厳しいコースを狙おうとしてミスが発生します。

ここで重要なのは、やはり準備です。こちらがボールを打ったら、ボールの着弾点を見るよりもとにかく次の動き出しの準備をしてください。

動き出しの準備ができてる状態で相手の次の動きを見るようにしましょう。

また、このフットワークは足の速さよりも筋肉の反応速度・アジリティを上げるトレーニングが重要です。

私の場合はアジリティを鍛えるために、ボディアタックや縄跳びをトレーニングに取り入れてみました。

ボディアタックはランジやスクワットをリズムに合わせて飛び跳ねながら一生やる感じのトレーニングですね。毎回45分のプログラムを終えるとゲロ吐きそうになります。

4. 超簡単なボレーをオープンコートに入れる技術

これはもう、シンプルに練習しようとしか言えないのですが、一応前に出るタイミングは体で覚えておきたいですね。

相手のバックの深いところにボールが入ったら前にダッシュ!

ネットにガン詰めでアングル!

以上。

あとは、相手が体勢を崩していないときに前に出ないことも重要です。

5. スタミナ切れを起こさない体力とメンタル

これ。スタミナ切れはHPとMPの両方で起こります。シコラースタイルをベースに戦う場合、HP切れで負けることは許されません。

そのため、日頃からスタミナアップのトレーニングをしておきましょう。毎日酒を飲んでお菓子を食べている私ですが、1日平均2時間以上は何らかの運動をしています。

テニスができればそれが一番良いのですが、1日1時間程度走る。泳ぐ。踊る。なんでもいいので、とにかく体を動かすと良いでしょう。

6ゲーム1セットで体力切れを起こす状態だとここまで説明したプレイスタイルは厳しいです。

また、試合経験が足らないと、とにかく体力と一緒にメンタルが削られます。なので、勝つとか負けるとかは関係なく、試合に出る回数を増やすのが勝利への一番の近道です。

また、栄養補給と水分補給のやり方についても少し考えておくと良いかなと思います。

私のやり方としては、

水分補給

  1. 試合1時間前までに1.5リットルの水を飲む

  2. 1時間前から試合開始直前までに500mlのスポーツドリンクを飲む

  3. 試合中はコートチェンジのタイミングで水を2~3口飲む

  4. 試合後と試合の間に250ml程度スポーツドリンクを飲む

食事

  1. 試合開始3時間前までに吉野家の牛丼を食べる

  2. 試合開始1時間前からはゼリー系のアレを食べる

  3. 試合と試合の間にバナナやらグミやらを食べる

こんな感じでやってます。(朝早い試合の時は飯が食えないので、ゼリー系で済ませています)

私はよくやらかすのですが、前日に酒を飲みすぎて二日酔いで試合なんてのは最悪ですね!

6. 試合でもラケットをしっかり触れるメンタル

これめちゃくちゃ大事です。試合に初めて出たみなさんは経験済みだと思いますが、試合慣れしていないと、大体の人はシコリスライスおじさんに成り下がります

ラケットが振れなくなり、フットワークが固くなるので、コンチネンタルグリップでフォアもバックもスライスを打つ以外のプレイができなくなるんですよねw

これはもうとにかく試合に出まくるしか解決方法はありません。

「強くなるまで試合に出ない」とか「試合に出てみたいけど負けるのが怖い」的な人も少なくありませんが、試合に出ないと試合で強くなる事はできません。

試合で強くなるために一番重要なのは試合に出る事です。

それこそ、私の場合は練習で自分より上手い相手にも試合では勝てるような事がよくあります。それは試合経験を多く積んでいることに由来するものでしょう。


試合の入り方で注意すること

  1. 2~3ゲームはポイントをある程度気にせずにリズム作りに集中する

  2. ニューボールとサーフェスと相手の球筋を確認しながら打つ

  3. そもそも試合の日とか関係なく、ショートラリーやストロークのアップ無しでボールを打ったらこんなもんだよなと思いながら戦う

この辺ですね。2~3ゲームはとにかく1ポイントを長引かせつつ、なるべくニュートラルなラリーをするように意識してください。

ゲームの入りは相手も調子が悪いところから始まるので、ドロップショットを打ったり、スライスを打てば割と簡単にポイントを取れます。

しかし、コンチネンタルでラリーを一旦すると、通常のストロークリズムに戻すのに若干戸惑う上、ミスを許容できるタイミングのうちに通常のラリーができるようにならないと、相手優位の場ができあがります。

なので、相手の力量が同程度 or ちょっと格上程度までであればとにかく試合にしっかり入ることを意識して動きましょう。

また、試合でラケットを振れない悩みを持っている人は、自分の適正レベルより1つ上のレベルの試合に出てみることもおすすめします。例えば、自分の適性が「超初級」と思う人は「初級」の試合に出てみると良いでしょう。

自分より格上の「初級」レベルでは負けるのが当たり前で、「今日の自分はラケットをしっかり振れるようになるために来たんだ」という心持ちで

とにかく試合に出てみると良い

ごちゃごちゃ言いましたが、試合で勝ちたいのであればとにかく試合に出るのが一番良いと思います。大学受験勉強でもとにかく模試を受けて自分の正確なレベルを把握しないと、その後の勉強の方針が定まりません。

とにかく試合に出て、自分は試合になるとどんなプレイができる人間なのか、普段自分ができると思っている事は本当に身についているのか、自分が勝つためには何が必要なのかを把握し、修正し、チャレンジする事が強くなるための一番の近道だと思います。

また、試合に出ればとにかく最低でも1試合に4×2×3はサーブとリターンを打つチャンスがあり、試合がもつれればさらに増えていくので、試合の緊張感の中サーブリターンの練習ができるってだけでも成長につながります。

一応超初級におすすめの試合はこの記事でまとめたので、こちらも参考にしてみてください。


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