下記，関西学院大学(2021年)で出題された入試問題文です。

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衣料として用いられる繊維には天然繊維と化学繊維がある。
天然繊維は綿や麻などの植物繊維と羊毛や絹などの動物繊維に分類され，化学繊維は再生繊維，半合成繊維，合成繊維に分類される。

　木材から得られたパルプは「　あ　」を主成分とするが，そのままでは繊維として使うことはできない。そこで，「　あ　」を適当な試薬を含む溶媒に溶解し，紡糸することで繊維として再生している。

　このようにして得られる再生繊維を「　い　」といい，衣料などに用いられている。また，「　あ　」は成型加工が難しいため，「　あ　」の「　う　」基を様々に変化させた後に紡糸することで半合成繊維がつくられている。例えば，「　あ　」に硫酸の存在下で無水酢酸を作用させると酢酸「　え　」となる。これを部分的に加水分解することで得られる半合成繊維を「　お　」繊維という。

　合成繊維は石油などを原料として，化学反応によって合成された高分子化合物を繊維状にしたものであり，例えばポリ「　え　」やポリ「　か　」のように　「　き　」重合で合成されるものがある。ポリ「　え　」繊維としてはPETがあり，乾きやすくしわになりにくいという特徴がある。

　ポリ「　か　」の代表例はナイロン66であり，ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸を重合させることで合成される。ナイロン66は絹に似た触感や光沢があり，耐摩耗性や弾性にも優れることから繊維のみならず機械部品などにも用いられている。

　アクリロニトリルを「　く　」重合させるとポリアクリロニトリルが得られる。アクリロニトリルにアクリル酸メチルを混ぜて重合させることで繊維の染色性が高まり，セーターなどの衣料や毛布などに用いられている。また，塩化ビニルを混ぜて重合させることで難燃性を付与することができ，カーペットやカーテンなどに利用されている。

　なお，アクリロニトリルの含有量が多いときはアクリル繊維，少ないときはアクリル系繊維と分類されている。

　酢酸ビニルを「　く　」重合させて得られたポリ酢酸ビニルを水酸化ナトリウムなどの塩基で処理することで，水溶性のポリビニルアルコールが得られる。ポリビニルアルコール水溶液を細孔から硫酸ナトリウム水溶液中に押し出すと，「　け　」が起こり繊維状に固まる。

　これをホルムアルデヒド水溶液で処理すると，ヒドロキシ基の一部が「　こ　」結合を形成し(アセタール化)，水に不溶の繊維ビニロンができる。ビニロンは適度な吸湿性があり，耐摩耗性や耐薬品性が高く漁網・ロープ・作業着などに用いられている。

■問題
「　あ　」～「　こ　」に入る最も適切な語句を以下から選んで書け。
アクリレート
アセテート
アミド
アミロース
エーテル
エステル
ガラクトース
カルボキシ
ゴム
セルロイド
セルロース
セロハン
ヒドロキシ
レーヨン
塩析
開環
凝固
縮合
水素
中和
付加
付加縮合


※一部略

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★「空欄に入る語句(解答)を入れた全文章」を朗読しています。


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