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花よりも花の如くを久しぶりに読んで書き留めたかったこと。

昨日の夜、テレビで能楽師が登場するサスペンスをやっていた。それをみるでもなく見ていて急に読みたくなって成田美名子先生の『花よりも花の如く』を開いた。ずっと追いかけている作品でずっと大好きな作品なのだが、実は13巻から新刊は買い続けていたにもかかわらず積ん読のままでいた。よくよく見たら2014年からそのままで何につまずいて読めなくなっていたのかなと振り返ってみると主人公が恋をした女性に告白したところで12巻が終わっていて主人公とその思いびととの恋の話が物語により深く関わってくる予感があって読めなくなったのだと気づいた。その頃、ちょうど男女の恋愛ものが肌に合わないというか、気持ち的に触れられない心境にあったため距離をおいていたように思う。それがなぜか急に昨日、読みたくなって本棚からごっそり取り出してベッドの横に積んで読み始めた。読んでいなかった13巻から読もうかと思ったが12巻までの流れがうろ覚えとなっていたため、お話の流れからして切りの良さそうな8巻から読み始めた。読み始めるとすぐに思い出し、そうだ、こういう流れだったなとテンポよく読み進めた。そしてかつて読んでいた12巻のラスト近く、ドキッとする出来事が描かれていたことをそのシーンに差し掛かったところで思い出した。17年前の9.11テロだ。奇しくもその時には日付が変わっていたので同じ9月11日にそのシーンを読んだと気づき、動悸を覚えた。花よりも花の如くには以前にも9.11で倒壊した貿易センタービルが登場したことがある。それも9.11より前にもあったというテロのことを振り返る形式で描いていた。きっとそれを描いたときにはいつか9.11もこの物語の中で描かなければと作者の成田美名子先生は思われていたのではないだろうか。大勢の人が亡くなったテロ事件を物語のリアルタイムに描き込みながらその回の物語では主人公の榊原憲人、けんちゃんは一人の女の子の命を引き留めることになる。彼女の命が失われなかったことに感謝した。

さて、花花は17巻まで既刊だ。12巻で止まってしまっては数年前の自分と同じなので能楽師である主人公ケントのお弟子さんとなった上記の女の子がどうにか立ち直ったのを見届け13巻へと寝不足覚悟でまた一歩を踏み出し、結局昨夜のうちに17巻まで読み終わってしまった。主人公、ケントが好きすぎてやはりこの物語が大好きだ。花花に出会ったことでお能に興味を持って近場での公演ばかりだが舞台を観に行くようにもなった。17巻のラストはけんちゃんとその恋人との関係も少し落ち着いたところで着地していてあまり引きずるところで切れてはいないが続きが気になって仕方がない。四年前はちゃんと向き合って読めなかった恋愛パートが少しずつでも着実に進んでいることも好ましく新刊が待ち遠しい。実は、違う漫画の新刊の続きが読めるという煽り文句に踊らされて花花が連載されている雑誌が手元にあり、気になるあまり続きの続きくらいに当たる回をつい読んでしまったのだがどうしてそうなった? という状態でそろそろ18巻の情報がこないかと今日一日そわそわしてしまった。18巻が発売されたときには何年も積ん読に回して寝かせるようなことはせずすぐ読みたい。

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