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「言葉」という教師の武器を磨いていく

教師の武器は?と聞かれたらどう答えますか?
私は、「言葉である」と答えます。
小暮太一さんの『「自分の言葉」で人を動かす』は、
教師として働く上で必要な武器を授けてくれました。
今回は、4つの箇所を引用し、簡単に考察しました。

人は論理的に正しいものを選ぶのではなく、自分がほしいと思うもの、楽しいと思うものを買います。論理や証拠はあくまでも、直感での判断を保証する“安心材料”に すぎません。
よく「どうして、こっちは正しいことを言っているのに、何も動かないんだろう?」と、部下や知人に対して思う人がいます。

この理由は明白です。
「正しさ≠行動」
つまり、ただ「正しいだけ」だから動かないのです。

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この文章の前に「人は論理で理解し、感情で動く」という言葉も紹介されています。
正しいことを言うだけでは人は動いてくれない。
事実として受け入れる必要があります。その上で、どのように言葉を操るのか?

「これなら認めてもらえるだろう」と、無難な言葉で話しても、他人が動くとは限りません。その人自身の考えを、その人自身の言葉で聞くから、「なるほど、私もそう思う!」と共感してもらえたり、「そういうことならぼくも協力するよ!」と賛同者が生まれたりするんです。

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「言いたいこと」ではなくて「教えたいこと」を。
そうすれば、相手の存在を意識するから。
というのが、筆者の主張となっています。

「合コンの2次会、このマスカラで接近戦に持ち込めます」

いかがでしょうか?
企業の新製品発表会などでは、もしかしたら使えない宣伝文句かもしれません。でも、「ラベンダーの香りが3〜4時間持続!」よりも、よっぽど「へぇ!おもしろそうー。試しに一度、使ってみようかな(笑)」と感じるのではないでしょうか?
堅苦しく考える必要はありません。むしろ、少しフランクすぎるかも、と思うくらいのほうが、ちょうどいい塩梅になるのです。この「これ、すげぇ!」というポイントは、いくつあっても構いません。むしろ複数あれば、それだけ話すネタが多いということですし、相手別に使い分けられます。

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これくらいフランクに表現することも大切だと。
確かに、授業をしていても、ちょっと崩れた言葉で説明すれば、
生徒の食いつきがいいことありますね。
最後に、すでに実践した内容を。

「何かあったら」という表現は、「何かオレが検討する価値があるものがあったら」という意味に聞こえてしまいます。そうなると、「何か思うこと」があったとしても、「こんなことは言っても仕方ないからなぁ」「つまらないこと言うなって、怒られそうだしなぁ」と躊躇してしまいます。
「何でも相談して」も、真実味がなさすぎます。「何でも、なんて相談できるわけないでしょ」と思っちゃいます。
ちょうど、無礼講の飲み会が、実際には無礼講じゃないのと一緒で、「そうは言われてもねぇ…」と部下もなかなか本音を切り出せません。

なので、表現を変えます。チームが抱えている課題や改善点、部下が感じていることを吸い上げやすくするために、部下に「教えたいこと」を問うのです。
たとえばこんな言い方ができるでしょう。
「現場から見たチームの改善点とか、目に付いたことを教えてもらいたいんだけど、どんなことがある?オレ、最近現場出てないからわかんなくて」

「教えてもらいたい」という姿勢は、相手との心理的距離を縮めます。情報を引き出すという意味では「何かあったら言って」と同じことです。でも相手が受けるニュアンスが大きく異なります。
このように問いかければ、部下も話しやすくなります。メンバーが意見を言いやす くなれば、チームにとって必要な情報がどんどん集まるのです。

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直接、あるいはメール文に使う常套句。
「何かあれば連携してください」
この言葉を少し変えるだけで大きな武器になります。
私も早速、自分が主任を務める会議で使ってみました。
いつもは、メンバーを引っ張るスタイルでやっているので、
一瞬、「お?」という間がありましたが、
メンバーからは、報告が出てくる出てくる。

姿勢が少し変わるだけで、相手の行動がこんなにも変わる。
やはり「言葉という武器」はすごい。

”ペンは剣よりも強し”とは昔の言葉ですが、
「言葉」で学校を、そして未来を変えていきたいですね。

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