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単身赴任で分かったこと

35年余勤めた会社で、一度だけ単身赴任を経験しました。
転勤を命じられた事業所は、車の走行距離50㎞超、所要時間1時間半余でした。距離的には通えない距離ではありませんでしたが朝6:30迄に出勤し、18:30頃の退社は迷うところでした。

通勤でも単身赴任でも選択できる場所だったので、どうするか妻に相談してしてみました。妻は「単身赴任すれば❢」と言いましたが、当然、決定権は自分にあるものだと思っていたのですが・・・
どうするかも決めていないうちにお隣さんから「単身赴任だってね。大変だね」と声をかけられました。「❢」「?」ですよ
妻は私が「単身赴任」と話していたのでした。
 
かくして、私は単身赴任を選択した(せざるを得なかった?)。
現地での宿は自由に選べたので、スーパーやコンビニ・飲食店がある隣町、車で20分程のレオパレスにしました。
引越の日は妻が一緒に生活用品など買い出しを手伝ってくれました。
(妻が私の単身赴任を楽しんでいる様に見えたのは僻みでしょうか・・・)
 
私は、知らない土地で外食をするのが嫌だったので自炊する事にしました。
最少の調理器具とレシピ本と食材を買い求め生活を始めました。
始めの内は手順がうまくいかず時間が掛かかり閉口しましたが、しばらくすると難なく慣れました。ちょっと困ったのは食材の買出しでした。
スーパーで買うと一人暮らしだと量多すぎるし、1~3点くらいの購入でレジでおじさんがポツンと一人で長~い列に並んで待たされるのは嫌だったな。
 
今までやっていなかった洗濯・もの干し・取込して整頓、炊事・掃除・ゴミ捨てをやるようになった。一番感じたのは食事に関してです。
食材をうまく使ってかなくてはならないので、その日その日食べたいモノばかりを作る訳にもいかず、何日かの献立を考えなくてはならない事が大変だった。それをうまくこなしている妻が凄いと思った。
でも、食事作りは楽しかったし休みの日家事を終えて飲むコーヒーはこの上なくおいしかった。一人暮らしもいいなあと思い始めていました。・・・

最後に妻が私の処に来たのは私の誕生日でした。            お祝いにワイナリーにあるレストランでランチを食べて、「おいしかったね」と言って帰っていきました。

その日、妻は夕食をお隣の家でごちそうになり帰宅してから急に激しい頭痛に襲われたそうです。容態が尋常ではないのでお隣さんにやっとのことで電話して、行きつけの大きな病院に連れて行ってもらったとの事でした。      くも膜下出血でした。                                                                              妻は1ケ月位で無事退院でき、幸いにも後遺症は出ませんでした。    容態の異変に気付いてから病院に行くまで、さほどの時間が経っていなかったのが良かったのだと思います。
 
という事で、普通2年・3年は帰って来られないのですが妻が倒れたという事で単身赴任は3ヶ月余で終わりました。
 
短い期間だったので単身赴任について多くは語れませんが、この期間に学んだ事がとても多く、実りあるものでした。
いろいろな事が凝縮された期間でしたので、単身赴任した季節が近づく度に思い出します・・・
 


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