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A Girl on the Shore

                                  〈↑抽象画    作:宙〉

一冊の本を読んで、
学生時代~18歳の頃の
香りを思い出した。


傷付くのが怖いから、
先に傷付けて、
離れられるのが怖いから、
先に離れて。

どうでもいいと思っていたものが
その手から消えた瞬間、
手持ち無沙汰さに 涙が出ること。
大人になりたくない と言う君の横で、
早く大人になりたかった 僕のこと。

触れ合っても 触れ合っても
孤独は消えない。
誰とそれを続けようと、
孤独は消えなかった。

18歳。

夜の色が完全な肌色に染まる頃、
あなたは気付くでしょう。
それが何よりの孤独の証明なんだと。


ぼくは あれから人が変わったように
独りで生きることが増えたけど、
その本を読む度に 思い出す。
あの頃は
愛に対して最も純粋で、
最も愚かで、無力で、
最も人間だった。

その空間を全て形にしたかった。
表現するだけじゃダメだった。
丁寧に 慎重に、
誰も加害者にしないように、
ただ 美しいだけの作品として。


やっと出来た。


アートアクセサリー(両耳用ピアス)

『A Girl on the Shore』


2024.2/22  販売開始



海辺で朝を迎えた日。

手を繋ぐのにも慣れて、
指先だけで繋いだ手。
名前の無い関係のぼくらは、
きっと数年後にはお互いの顔すら
忘れ合うんだろうな と思った朝。

綺麗だった どれも    どれも。

海の青さは、
空の青さとは少し違うことを知った
朝。


海辺 にて。


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