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体験とことば「ようせいの国への入り口」(小6 M・Tさん)

 私の作ったまどは、明るいまど。外が暗くていやな気持ちになっても、うちが明るければ、いやな気持ちもふき飛んで、明るい気持ちになれるだろう。

 私は、このまどの向こう側は、ようせいの国になっていると思う。ようせいはいるか分からないけど、きっとようせいにも、人間と同じような、自分だけしか持っていないなにかがある。だから、この私が作った、世界にたった一つだけしかないまどで、ようせいの国へ行きたい。

 もし、行くことができたら、私は、ライオンのように強くて優しい人になりたい。このまどをよく見ていると、真ん中に、ライオンのような顔がうかび上がる。

 私はライオンのように強くて優しい人になりたいし、まほうも使ってみたい。

講師コメント

教室では、作品づくりや実験をして、その体験をその場で文章にする「ミッション」という課題に取り組んでいます。

5月のミッションは、「ローズウィンドウづくり」でした。
光を通す薄い色紙を切り、それらを重ね合わせて美しい模様をつくります。

紙を折って切り、模様をつくります。
重ねて貼り合わせます。
窓際に飾ると、思ってもみなかった模様が浮かび上がります。

今回ご紹介したM・Tさんも、丁寧にローズウィンドウを作っていました。そして、完成した自分の作品をもとに、先の文章を書いてくれました。

「ようせいにも、人間と同じような、自分だけしか持っていないなにかがある。だから、この私が作った、世界にたった一つだけしかないまどで、ようせいの国へ行きたい」

「自分だけしか持っていないなにか」という表現が、とても印象的です。私達が持つ、自分だけにしかないもの。それは「心」や「魂」と呼ばれるものなのかもしれません。

「もし、行くことができたら、私は、ライオンのように強くて優しい人になりたい」

「ライオン」のような人になりたいという表現は、C・S・ルイスの『ナルニア国物語』を思わせます。教室にある『ナルニア国物語』を、Mさんはまだ読んでいませんが、不思議なつながりを感じます。

作業をするMさん

ご自分の中にあるイメージを捉え、豊かな表現につなげることができるMさんの作品が、これからも楽しみです。

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