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『アサーションについて』マルッとおさめる対話の秘訣教えます!

今回は、『アサーションについて』(新高1 S・Sさん)を掲載致します。

中学校時代、吹奏楽部でパートリーダーを務めていたSさん、後輩たちの悩みに耳を傾けるなかで、コミュニケーションの大切さ、難しさに気づきました。今回は、自分も他者も大切にするコミュニケーション技術「アサーション」について研究しました。

■研究のあゆみ

担当講師

「心や体のことで悩んでいる人の役に立てる人になりたい。」誰とでもすぐに仲良くなることができるSさん。夢は、心理学を学び、医療や福祉の分野で働くことです。※以下の動画は、2021年のSさんが、なぜ動物といたり、見ているだけで癒されるのかを心理学の観点から研究した作品です。ぜひ、合わせてご覧ください。

高校受験を終えたSさんですが、合格の喜びも束の間、一か月後にはリテラの発表会が待ち構えていました。

自分も他者も大切にするコミュニケーション「アサーション」がテーマとなったきっかけは、Sさんが高校受験の小論文練習をしている際に、中学時代に経験した人間関係の難しさついて語ってくれたことです。

人の心は複雑だと悩みながらも、辛抱強く、後輩の話に耳を傾けたSさん。大人でもなかなか出来るものではありません。
そんな彼女が、これから高校生活を迎え、より複雑な人間関係に揉まれていくであろう時に、「自分の心を大切にしてほしい」と願わずにはいられず、アサーションの書籍を紹介しました。

心理学に興味があるSさんは、書籍も集中して読み進め、大切なことを黙々とパソコンに打ち込んでいきます。その姿がとても頼もしく、Sさんの力を信じて見守りました。

受験生、例年よりも短い準備期間。学びたい気持ちと、時間との戦い。
それでも、自分が大切だと感じた「アサーション」を、みんなにわかりやすく、伝えたいと最後の最後まで頑張りました。

中学高校時代、人間関係の悩みを一番大きく感じる多感な時期です。
そのようなときに、他者を気遣い、よい関係を築いていこうと努力を惜しまず向き合い続けるSさんの将来がますます楽しみになる作品です。

■『アサーションについて』

中学生の時、私は、吹奏楽部でトランペットのパートリーダーをしていました。後輩が二人いましたが、人間関係がこじれることがありました。

私は、パートリーダーとして、後輩や周りのメンバーからいろいろな話を聞きました。話を聞いているうちに、人間関係もよくなっていきました。
私は、このことから、人の心は複雑だということと、話を聞いてあげることの大切さを学びました。

今回は、よりよくコミュニケーションをとる方法について研究しました。
こちらの「アサーショントレーニング」さわやかな自己表現のために、という書籍を参考にしています。

まずは、具体な場面を想像してもらいたいと思います。


Aさんは、郷里から上京してきたBさんと、レストランで夕食をとっています。ステーキの焼き加減をレアで注文しましたが、ウエイターが運んできたステーキはウエル・ダンに焼かれていました。

自分が希望した料理と違うものが運ばれてきたとき、みなさんなら、どうしますか?

これからAさんのとった3つのタイプについて話しますので、どれが自分の行動に近いか考えてみてください。

1つ目のタイプです。
Aさんは大声でウエイターを呼び、ステーキが注文通りに焼けていないことを必要以上に怒鳴り、もう一皿注文通りのステーキを要求します。

Aさんは、自分の要求が通ったことと、料理には満足したが、怒鳴ったことで、その場が気まずい雰囲気になりました。
Bさんに対しては、やや決まりが悪く、また夕食の雰囲気は台無しになってしまいました。
一方、ウエイターは侮辱された感じがして、不愉快な気持ちになりました。

2つ目のタイプです。
Aさんは、Bさんに「こんなに焼けてしまっている。もうこのレストランにはこないぞ」と愚痴をこぼします。
しかし、ウエイターには何も言わず、笑顔で受け答えをします。
せっかくのステーキはまずく、こんなところにBさんを連れてきてしまったことを後悔します。

3つ目のタイプです。
Aさんは、ウエイターに合図をしてテーブルに呼び、「自分はステーキをレアで注文したこと、しかし、ウエル・ダンのステーキがきてしまったこと」を伝えて、丁寧にはっきりと「レアのステーキと取りかえてほしい」と頼みます。
ウエイターは間違いを謝り、まもなくレアのステーキを運んできます。
Aさんは自分の取った言動にも満足し、二人とも夕食を満喫することができました。
もちろん、ウエイターも、客が気持ちよく過ごしたことで、気分が良くなりました。

いかがでしたか?
それでは、それぞれのタイプについて解説をしていきます。

1つ目のタイプを、「攻撃的」または「アグレッシブ」、2つ目のタイプを「非主張的」または「ノン・アサーティブ」、3つ目のタイプを「アサーティブ」とよびます。

「アグレッシブ」は、相手よりも自分を優先して考えるタイプです。

自分優先のアグレッシブタイプ

自分の気持ちや考え、意見をはっきりと言うことで、自分の言動の自由を守り、自己主張してはいるのですが、相手の言い分や気持ちを無視、または軽視して、相手に自分を押し付ける言動を言います。

このような言動をしている人は、堂々としているように見える割には、どこか防衛的で、強がっていて自分に不正直です。

また、自分の意向は通っても、その強引さのために、後味の悪いことが多く、それが自分の本意ではなかったことに気づき、後悔することになります。

「ノン・アサーティブ」は、相手よりも自分を優先して考えるタイプです。

相手優先のノンアグレッシブタイプ

自分の気持ちや考え、意見を表現しなかったり、しても伝わらないような、あいまいな言い方や、言い訳がましい言い方をしたりすることです。

そのようになる理由は、自分の立場として遠慮する必要があるとか、自分の意見を言うと相手の気分を損ねる可能性がので我慢しておこう、反論や違ったことを言うと排除されるのは怖いので、黙っておこうといった気持ちなどの影響があります。

非主張的な言動をした後は、劣等感や諦めの気持ちがつきまといます。

「アサーティブ」とは、自分のことを第1に考えるが、相手への配慮も忘れないタイプです。

自分のことも相手のことも大切にするアサーティブ

自分の気持ち、考え、信念などが正直に、率直に、その場にふさわしい方法で表現され、相手が同じように発言することを しょうれい(奨励)しようとします。

アサーションには、歩み寄りの精神があり、多少時間はかかっても、互いを大切にしあったという気持ちが残る会話があります。

また、話し合いでは、より豊かな創意や工夫が生み出され、一人の提案より満足のいく妥協案やより創造的な結論が導き出されることもあります。

その結果、互いの関係も安心したものになるでしょう。

アサーティブになるためには、アサーショントレーニングをすることが効果的です。
アサーショントレーニングの目的は4つあります。

1つ目は「自他尊重の自己表現」の見直しと習得を通して、自分のもつ特徴・機能を知ることです。
2つ目は自分らしさを知ることを通して、他者のその人らしさを理解することです。
3つ目は自分と他者の「違い」は「間違い」ではないことを前提とした相互作用・関係を創ることです。
4つ目は個性を活かし合った集団・組織の成長・創造による社会への貢献を志向することです。

このアサーショントレーニングは社会の色々な現場で実践されています。
例えば、産業、医療、看護、介護、教育、司法などのコミュニケーションが必要な現場で役に立っています。

私は、将来医療系の仕事に携わって心や体のことで悩んでいる人の役に立ちたいと考えています。

そして、今回の研究を通して学んだことを活かせるように頑張りたいです。
みなさんもアサーティブを意識しながら生活してみてください。

これで発表をおわります。
ありがとうございました。

参考文献---  (書籍へのリンクはAmazonのアフィリエイトリンクです)

参考文献---- ・平木典子(2021)アサーション・トレーニング: さわやかな〈自己表現〉のために(日本・精神技術研究所)

■研究を振り返って

【これはどのような作品ですか?】
アサーションについての説明

【どうしてこの作品をつくりたかったのですか?】
人と上手くコミュニケーションをとる方法を知りたかった。先生におすすめされた。

【作品づくりで楽しかったことは何ですか?】
本の文章を要約すること

【作品づくりで難しかったことは何ですか?】
まとめの文を考えること

【作品作りを通して学んだことは何ですか?】
アサーションは色々な現場で役に立っていること

【次に活かしたいことや、気をつけたいことはありますか?】
発表のときに大きな声で話すこと

【来年、研究したいことはありますか?】
心理学系

【この作品を読んでくれた人に一言】
アサーティブを意識してみてください

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