『カタツムリの殻を取ったらナメクジになるのか』~~リテラ探究学習研究レポート
この研究をしたのは、新小学4年生のH・Wさんです。
■リテラの先生からのコメント
カタツムリの殻を取ったらナメクジになりそう、先生もそう思っていました。
殻を残したカタツムリと捨てたナメクジ。
正解は一つではないということを、懸命に生きる姿で教えてくれました。
身近な疑問から、素晴らしい研究になりましたね。
■テキスト資料
皆さんは、カタツムリとナメクジのちがいを、知っていますか?
ぼくは、マンションのろう下で、カタツムリをよく見ます。
けれど、ナメクジはカタツムリとちがって、あまり見ません。
ぼくは、ナメクジはカタツムリによく似ているので、カタツムリのからを取ったら、ナメクジになるのではないかと考えました。
今回の研究では、ナメクジとカタツムリのかんけいについて調べました。
まずは、カタツムリについて、紹かいします。
日本には、800種類のカタツムリがいます。
関東でよく見る大きなカタツムリは、ヒダリマキマイマイとミスジマイマイです。
ヒダリマキマイマイは、左巻きで、ミスジマイマイは、右巻きです。
手を握ったとき、親指がカタツムリの殻の出口になります。
右巻きのカタツムリは、右手を握った時の形と同じになります。
日本の多くのナメクジは、ナメクジ科と、外来種のコウラナメクジ科に属しています。
ナメクジは地下のトンネルや岩のひびわれ、落ち葉の下や石の下など、暗くジメジメとしめったところにいます。
カタツムリには、からがあるので、敵から身を守れます。
また、少し乾燥した場所でも、からのおかげで生き残ることができます。
日光や風でカラカラに乾かずにすみます。
からの中には、やわらかくてしめった体があります。
からの入り口を、ねばねばした液でしっかりふさいでいます。
この液体は、かわいて、とうがいと呼ばれるドアになります。
カタツムリの殻の中には、肺や腸、心臓などの器官があります。
カタツムリのからを外すと、からの中の内臓がとれて、死んでしまいます。
ナメクジになることはありません。
ナメクジは、カタツムリのようなからがないため、敵や乾燥から身を守れません。
しかし、岩のすきまや土の中など、カタツムリには通れない、せまいところも通れます。
カタツムリとナメクジは、同じ軟体動物で、腹足類の中の有肺類に分類されています。
ナメクジのからは、小さくてひらべったい、うろこのようなものに退化しています。
実は、ナメクジとカタツムリの区別は、とてもあいまいなのです。
生物が身につけて守っている、ことなる暮らしかたと、暮らす場所を、生物学者は、生態的地位(せいたいてき ちい)と呼んでいます。
ナメクジとカタツムリは、敵と乾燥という同じ問題に、別々の方法で解決方法を思いついたのです。
ナメクジとカタツムリはそれぞれのやり方で生き延びるため、ナメクジは殻を捨て、カタツムリは殻を残したのです。
ナメクジやカタツムリを見たら、近くに寄って、彼らの生き方を感じてください。
これで発表を終わります。
聞いてくださって、ありがとうございました。
■研究の振り返り
◇これはどのような作品ですか?
カタツムリとナメクジの特徴と生き方についての作品です。
◇どうしてこの作品をつくりたかったのですか?
マンションの廊下でよくカタツムリを見るから
◇作品づくりで楽しかったことは何ですか?
ナメクジの体にあった殻が、鱗に退化していたこと知って、驚きました
◇作品づくりで難しかったことは何ですか?
ナメクジの画像があまりなかったこと
◇作品作りを通して学んだことは何ですか?
カタツムリとナメクジは進化の過程で片方は殻を捨て片方は殻を残した
◇次に活かしたいことや、気をつけたいことはありますか?
相手の目を見てはっきりとした声で発表したいです。また、自分で本で調べたり、自分で観察をしたりしたいです。
◇来年研究したいことは何かありますか?
毒蛇について
◇この作品を読んでくれた人に一言
カタツムリとナメクジを見つけたら、よく観察して数を比べてみてください。