Netflixで『悪女』観ましたー。(ネタバレなし)
Netflixで配信が始まった『悪女』鑑賞終了しました。これまでNetflixで観た中華系映画ですと『妻消えて』がダントツで感動したのですが、台湾映画である本作もかなり奥深い作品でしたゆえに、記録していきたいと思いました。
個人的な評価
ストーリー S
構成 A-
俳優 B+
脚本 B
音楽 B
S→人生に深く刻まれる満足
A→大変によかった
B→よかった
C→個人的にイマイチ
冒頭のあらすじ(ネタバレなし)
内容的には、歯科医の彼氏と結婚を控えたテレビ局で働くニュースアナウンサーの女性・リメイが、父親に結婚を打ち明けたところ、父親の方からも「実は俺も付き合ってる人がいて結婚したいんだよね…」と打ち明けられ、紹介された人がすげー太った若い女性で当惑し、何だか嫌な予感がする…という話です。
時を同じくして、老人男性の謎の練炭自殺が流行っていました。警察と検察も捜査を開始しており、テレビでも変死事件として報道されています。報道機関の社会部で働くリメイは胸騒ぎを覚えます。父親と付き合ってる女性は、何か邪な目的があって近づいたのではないだろうか、と。
父親の方に意識がいっていると、婚約者の歯科医の男性が不倫をして、不倫相手から電話がかかってきて発覚します。男性の言い分では、リメイと性行為したあとそのまま寝てしまい、全裸の姿をリメイの父親に見られて気まずくなってストレスが溜まった、とのことでした。
そんな中、父親と付き合ってる女性が”モテない悪女”としてテレビやネットで報道され始めます。それは、彼女・シュウランと付き合った男性はみな亡くなっており、その後シュウランが大金持ちになっているという不信を、例の練炭自殺と関連させて煽る内容でした。
リメイはシュウランの家を訪れ、単刀直入に問い質します。
「あなたは安定した職についてないのに、なんでこんなにいい家で裕福な生活ができるんですか?男性からお金を騙し取ってるんですか?」と。
しかし、シュウランは何ら動揺することなく『あなたは大卒で恵まれているけど、自分は中卒で20年以上に渡って男性向けマッサージをして働いてきた。その中で老人男性に気に入られる術を身につけただけで、何もやましいことはない』と、にこやかに反論します。
その後も色々言葉をぶつけますが、すべて柳に風といわんばかりに受け流されてしまいます。業を煮やしたリメイは「殺人事件の被疑者になりそうな人と父親を結婚させるわけにはいかない」と、ストレートに責めますが、「私は誰も殺してないし、証拠は何もない。第一、お父さんは私を愛してるし、あなたには止められないと思うわよ」などと言われてしまう始末です。
舌戦で敗北したリメイは、父親を守るために以下の作戦に出ます。
①父親に頼まれたシュウランの弁護士に関し、負けそうな人をわざと紹介する
②シュウランのこれまでの交際相手の遺族に会いに行き、話を聞いてくる。遺族の証言は総じて、「確かに息子はシュウランに金を渡していた。でもシュウランはすごくいい人だったよ」というものだったが、『すごくいい人だった』の部分だけ削って大々的に報道
③検事とセックスして、シュウランを逮捕しその後の公判で確実に死刑にしてくれるようお願い
この後も怒涛の展開が待ち受けていますが、ネタバレなのでやめておきます…。
感想
『悪女』というタイトルの本作。内容的に誰が見ても、明らかに日本の木島香苗死刑囚をネタにしてるのは間違いありません。
木島香苗死刑囚の事例でも、殺人の直接的な証拠は何もなく、ただ状況証拠は揃っていて、犯人はこいつしかいない!という蓋然性を理由に死刑判決が下った裁判でした。
この映画ではその論点だけでなく、さらに一歩深く思想的に踏み込んでいますが、中華系の方々の特徴なのか、結構淡々と話が進んでしまうのが少し残念でしたね^^;
言葉は悪いかもですが、『ストーリーは一流、アクション以外の演出は三流』という状況が変われば、中華映画の覇権が来る日もそう遠くないかもしれません。
何はともあれ名作でした。ここまでお読みいただきありがとうございました。
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