高校から体操を始めてよかった

　私は体操未経験でしたが、高校で体操部に入りました。そのおかげで部活の楽しさに気づけたので、書いてみたいと思います。

　まずいいところは、「男子は筋力を生かした力強い演技、女子は柔軟性を活かしたしなやかな演技」という具合に、身体的特性の長所を生かした演技ができることです。走るのも泳ぐのも男子の方が速いし、球技も男子の方がダイナミック。

　そのことが私にとっては辛くて、自分は欠陥を持って生まれてきたように感じることがあります。バレエや新体操は柔軟性が重視されるので、女子の方が有利かな？

　でも体操の場合は筋力も柔軟性も大事なので、開かれたスポーツであるような気がします。私は体は柔らかい方ですが、柔軟性を活かせるスポーツはあまりなくて。でも、体操をしていると自分の長所を活かせている気がして、劣等感を感じません。といっても、実際に始めてみると、私より体が柔らかい人はたくさんいるという事実を突きつけられましたが。ちなみに、体が硬くても始められますよ！

　体操は、いかに身体をコントロールするかを極めるスポーツなので、筋力不足や柔軟性不足を日々、体感します。だからこそ、筋トレやストレッチのモチベを保ちやすいのも魅力です。

　そして、個人競技だというのがまたすてきです。とは言っても、合計得点で学校としての順位もつくので、団体競技的な一体感も程よく味わえます。スタメン争いがないおかげで、ストレスがかなり少なくなって、純粋に競技自体を楽しめるのが嬉しいです。

　球技は勝てないとあまり面白みを感じられなくて、練習もきつくなりがちだし、高校に入ってから始めるのはけっこう大変だと思います。でも体操はハードルが高いと思われがちですが、勝てなくても新しい技を習得することに喜びを感じられるので、初心者でも始めやすい競技だと思います。この思いよ、新一年生の皆さんに届け！

　この前、天然石のお店に行ったとき、加工された石が小さなケースに入って、たくさん並んでいました。石の美しさが最大限活かされるように、カットの仕方はそれぞれ違っており、台座のクッションも石が映えるように白と黒が使い分けられていました。

　これを見たとき、私は器械体操のことを思い浮かべました。値段は石の種類や大きさによって違うけれど、どれもきれいであることに変わりありません。

　私は始めた時期も遅いし、体操が最優先の生活を送っているわけではありません。だけど、石みたいに、自分の持つ魅力を最大限活かせる演技をしたいです。