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メンヘラってなんだろう

 私は間違いなくメンヘラで社不なんだけど、世の中の大半の人たちは、どうやらそうではないらしい。

 学生時代に進路を決定する段階からしてみても、働きたくないから大学に進学するという道を選んだのが私という人間である。

 だれが教えてくれなくとも、人間に生まれた以上は、働いて独力で生きて行かなければならない時が来るのだということは、頭のまともな人たちならばちゃんとわかっている。
 私はわからなかった、というより働くということに漠然とした恐怖を感じて、目をそらし続けていた。

 なぜだかわからないけど、働くことが心の底から恐ろしかった、当時は。

 今振り返るに、性格やら育ちやら、そういったものが原因でもあるし、そのせいにすることは簡単ではあるのだけど、自分のことなのに自分ごととしてとらえられなかった、自分の人生でありながら、どこか人任せだったから、怖いという感情を言い訳に、働くことや自立することから逃げ続けていたのだろう。

 今でこそ、というか本当に30超えてようやっと、完ぺきではないけれど、ひとりで生きるが何とかできるようになった。
 今さら、本当に今さら新卒社会人のようなことをしているなと思う。
 だけど、地元を出て、親とはいっしょに暮らしていたころよりもよくしゃべるようになったし、元来やる気がなかった上に長続きしなかった労働も、日々文句を垂らしながら続けられているし、何より自分自身、苦悩しながらも、それすら楽しい。

 あのまま地元で、親といっしょに暮らし続けていたら、閉塞感でドン詰まって死んだように生きて行くしかなかっただろう。

 メンヘラなりに生きている。

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