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【♯88】身軽でいるために
想像してみてほしい。
あなたは友人とハイキングにきている。
友人は山での本格的なハイキングは初めてだが、あなたは何度も経験していて、いざという時の準備もばっちりである。
出発前にも行きつけのアウトドアショップの主人から、今シーズン入ったおすすめの便利グッズを調達したばかりで、今回の旅で使えるかもと思ってリュックにしのばせている。
昨年新調した大きめのリュックサックにそれらを積めて、自分も友人を案内するまでになったんだな~としみじみと歩いている。
そこへ後ろから軽快に歩いてきた少年があなたに向かって話しかけてきた。
「そんなにおおきな荷物をもって大変そうだね!
ぼくたちは身軽でいろんなところに行けるよ!
さっきもあっちの綺麗な湖に寄り道してきたんだ!」と。
あなたは、「これは経験値からくる装備なんだよ~」と心の中で思いつつ、確かに年々荷物が重くなって、でも一度必要だからと思ったものなのでなんとなく毎回もってきていて、ついにリュックの容量を大きくしたのだということを思い出した。
どうだろうか。
経験を重ねるほどあった方がいいもの、上級者としてはもっておくべきもの・心得ておくことが増えてくる。
もちろん、それらの教訓は大事だ。
しかしその教訓に今度は縛り付けられて、本来の身動きがとりにくくなってしまっているなら見直す必要がある。
アウトドアの達人で尊敬している人の話で、「決して油断しないけれど装備は本当に必要な最小限、むしろ身軽で動きやすいということがその時の最善の判断ができる」ということを聞いたことがある。
キャリアや仕事に置き換えてみるとどうだろうか。
経験や肩書、責任は物理的な重さがあるわけではないから、そもそも今自分がどのくらいの”装備”を抱えてしまっているか、わかりにくいだろう。
だから、『リセットし続けよう』。
リセットといっても、ゲームのように「これまでの経験を帳消しにする」とか「ちょっと思い通りにならかったから、その都度なかったことにする」とか、そういうことではない。
荷物を降ろして、本当に必要な装備で身軽になろう。
ちなみに始める時は、出来るだけ身軽がいい。
身軽というのは全く準備をしないということではなくて、
初心者セットを一式レンタルしてしまうということ。
必要なものは揃っているし、終わったら返せばいい。
ハードルを極力さげるのだ。
まだ自分が継続的にするかもわからないのに、装備を購入したら事前に置く場所も考えておかなければいけないし、面倒だ。
慣れてきたら、自分で装備をそろえていけばいいけど、
増えてきたら『リセット』する。
”経験や実績に執着したくないけど、捉われている人”へ
「勇気のリセットをし続けろ」
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